山本勝市の発言 (大蔵委員会税制に関する小委員会)

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○山本(勝)小委員 御説明でだいぶわかってきたのですが、税制調査会の場合に、自作農というものを維持し、経営を安定させていくというようなこととか、あるいは零細企業者の経営を安定させるというようなことが国家の基本的な方針となって、そのためにはかなり憲法上疑義があってもなおかつ行わなければならぬというように、国家の非常な政策の重点が置かれておるわけですけれども、そういう政策を実現していく場合に、相続税というものがそれにどうマッチするかというふうな点は考えにあまりなかったんじゃないかと思うのですが、今後研究されるとしたら、実際に即してやられないと、税法上理論が通っても、実際そういう非常に基本的なものが、それによって今度は帳消しにされる。自作農を安定さしていくというためには、経営規模があまり零細になってはいかぬ。しかし、税法の上からいって当然零細になってくる。零細にならぬとすれば、今度は負担に耐えられないような税がかかってくる。要するに、そういう経営を維持し安定さすのにかかわらず、相続の機会に、その営業を持続する上に欠くべからきる財産に財産税をかける。今までは取得で、特別な所得税だという考え方のようでありますけれども、もらう方からいえば所得税でありましょうけれども、しかし自作農というものの経営を安定さす、あるいは零細企業者を何とか安定させねばいかぬという建前から見ると、どうもしろうと考えとしても、官業の必要なものに財産税をかけて、物を売らなければどうにもならないという実情は、どうしても考える必要がある。重ねて申しますが、そういう自作農の維持安定、あるいは零細企業の維持安定、これは自転車屋とか、それからうどん屋とか、そば屋というものも実際は家業になっておる。実態がそうなっておる。しかも、それは、国の政策としても安定さしていくという方針をとっておるのですから、そこに障害があるのじゃないかという点を、検討の大きなポイントにしてほしい。これは一つ希望を申し上げておきます。
 それからもう一つは、財産税というものが国民の富の分配ということに大きく影響することは事実である。従ってこの問題点の(2)ですが、富の公平な分配を期する上に現在の制度がいいのだというようなことを書いてありますが、これは財産税全体として考えたら、確かに富の分配ということと大いに関係があると思います。しかし、それはやはり一千万以上ぐらいの大きな財産を取得する場合のことであって、かりに自作農の維持とか、あるいは零細企業の経営の安定とかいうことを抜きにしましても、こまかいところは大した問題じゃないのです。
 そこで知りたいのは、今の三十何億という税としては、ほかの税に比べてあまり税収の多いものじゃないのですが、その中で、一体どのくらいを日本の終戦後の自作農程度の者の払う相続税が占めておるのか、あるいは零細な商工業者が払っておるものが占めておるのか、これは、予算委員会ではちょっとそういうのはむずかしくてわからぬという説明もありましたけれども、もし、それが三十何億の中で、わずか十億やそれ以下のような数では、いろいろなほかの点に支障があるとすれば、むしろ全部そんなものは削ってしまうということも考えていいのじゃないか、そのくらいのものなら、そんなに富の公平だの何だのということも——大体全体の徴収した相続税の中で、全国の農家とか、あるいはごく零細な中小企業者の相続税というものは、どのくらいを占めておるか、こまかいことはわからないにしても、およそのことはわかりませんか。

発言情報

speech_id: 102604655X00119570520_004

発言者: 山本勝市

speaker_id: 19689

日付: 1957-05-20

院: 衆議院

会議名: 大蔵委員会税制に関する小委員会