志場喜徳郎の発言 (大蔵委員会税制に関する小委員会)
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○志場説明員 お答えいたしますが、まずそれをお考え願います場合に、実情として頭にとどめておいていただきたいと思いますことは、御承知の通り、税務署の担当官は大体二年くらいで転々と転勤をしていきます。しかも先ほど申しましたように、毎年実地に調査をする法人の数は、全法人の約五割程度でございます。しかもその中には、二年引き続き実地調査をするものも一部あろうかと思いますので、それらを考えますと、自分がその署に勤務しております際に、実際に法人のところに参りまして、この法人はあそこにあるこうこういう事務所で、この程度の規模で、こうなっているということを、全然経験がないという状態のもとにおきまして調査をするという段階になっておるということを、まずお考えにとどめておいていただきたいと思うのであります。納税者の方といたしましては、自分が何年何十年か店舗を張っておりますので、もちろんおわかりでありますが、税務署の調査をする担当官から見ますと、そういう実情であります。しかも実調率が五割でありますので、地域分担あるいは業種別に分担するということでなしに、いわゆる指令方式と申しまして、幹部から、お前は今月はこの法人とこの法人を調査しろ、あるいはこの法人の準備調査をしろと、こう示されるわけでありまして、あらかじめ自分がどの法人を持っているということはないわけであります。その意味から申しますと、税務署の担当官というものは、何らその店がわからないという状態のもとにおきまして、申告書を見て調査に行くという状態にあるわけであります。従いまして、もちろんわれわれといたしましては、御指摘のように、この様式、項目をできるだけ簡素にするということは大いに考えるつもりであります。これも、議題になりましてから何回か会議をやりましたのですが、初め国税局の立場からすれば、少しこまかいものということを言っておったのでありますが、約一年余りの間いろいろ私どもの方で検討いたしまして、ようやくしぼってみたのがこれであります。ただ、よしあしの問題はありまするが、われわれとして遺憾といたしますことは、四ページになっておりますが、実は右の方の回答欄だけの項目にいたしますると、これは大体半分になるはずであります。と申しますことは、左の方で質問事項を相当こまかく書いてあります。それで非常に分量がふえておるということ、それから答えの方の分におきまして類型的な答えの場合が想像されるという面におきましては、〇×式ということで、できるだけ鉛筆をもって書き込む労を避けたいという配慮から、答えを並べまして、この中の当るものにまるをつけていただくというフォームを取り入れております。さようなわけで、もしもこの答えの部面のスペースを、さらに必要なことを書くということで〇×式をやめるということになりますと、実質的には減ってくると思うのでありますが、さような考慮をいたしましたために、一見鬼面人を驚かすというふうな感を与えておるということにおきましては、私も感じておりますが、これはさような配慮から出たのでありまして、御了承願いたいのであります。
次に内容でございますが、これは決して税法との関連、税法解釈の問題、そういうふうなむずかしいことを内容としては尋ねておるつもりはございません。経営者といたしまして、一体うちで何人使っているのだ、どういう支店があり、どういう店舗があるのだ、税金の管理はどうしておる、帳簿はだれがつけてどうしておる、一番損した品物は何であるとか、こういうふうなことは、経営者といたしましては、税法のことはあまり詳しくないという方がおられましても、自分が商売を張っておる限りにおきましては、たとえば税理士さんとかいうような専門家の意見を待たなくても、おわかりになっていることじゃなかろうかというふうに感じたのであります。従いまして、もちろん第四ページにありますような資金繰りというものにつきましては、あるいは十分でないからわからぬという方もあるかと思いまするけれども、少くとも一面、二面、あるいは三面におきましては、そういうふうに特に膨大な帳簿を繰ってみて、足したり引いたり割ったりして初めて答えがわかるというふうなことは非常に少くしておるつもりであります。とともに、税務官吏が調査に行きました場合でも、当然まず帳簿を見る場合に、そういうところから質問に入っていくわけでありまして、あらかじめ書面でお聞きしておることでありまして、実は私は、二、三知っている店舗の人に頼んで、一ぺん書いてみて下さい、どれくらいでできるであろうかということで、モデルとしてやってみたことがございます。しかも、これはさしあたり売上げ年間七百万円以上の法人にしておりますので、大部分青色申告でございまするし、その例によりますると、大体二時間程度で書ける。ただ第四面の資金繰りにつきましては、これは少し時間がかかるかもしれない。ここでこういうことを申してはどうかと思いますが、しかも資金繰りというものには、なかなかふだんのやりくり算段のようなことがあからさまに出てくるわけでありまして、つじつまの合ってないのをつじつまを合せようとして考え込むと、これは何日もかかるかもしれないけれども、要するにありのままを書くということであれば、これは比較的時間がかからないで済むようであるということも聞いておるような状態でありまして、内容につきましては、ごらんになっただけではなしに、一ぺんのみ込んでいただきました暁におきましては、私はさほど経営者といたしまして考えなければわからぬということはないというふうに考えておる次第であります。もちろん将来の研究問題といたしましてはさらにあるかもしれませんけれども、その点を申し上げておきたいと思います。それから出してもきき目があるかどうか、あるいは出したために、かえってただいまのものよりもこまかく突っ込まれる危険がないかということであります。これは、私どもといたしましても、むしろ内部的に注意はしておる点でありまして、われわれはこの制度がうまく発展して、お互いに納得のいくようなやり方ができるためには、できるだけ進んで協力していただいて、長く発展せしめたいと思っておるわけでありまして、特に各局に対する通達面では、その運営上の心がまえにつきまして入念に指示をいたしました。その際の大きな指摘事項は今おっしゃった点であります。とにかく今までは、税務調査は時間の関係もありまして、ただ帳簿をひねくり回して若干の不備を見つける、たまたまほかに材料でもあれば、それをばかに詳しく突き進んでしまう、非常に実施上不公平でありますので、われわれといたしましても、出さない場合につきましても、行った場合にはこの内容のことは必ず聞くのである、調べなければいかぬとともに、出したからといって、それだけをやかましくいって、そうでないところは全然やらぬということの不公平があってはならぬということを、やかましく指示したのでありまして、これは運営上のわれわれの配慮に待っていただきたいと思うわけであります。ただ内容が信用し得るかどうかということは、ふだんのものが全部つけてあるということだけでなしに、あくまでも申告が正当であるかどうかということであるのでありまして、われわれといたしましては、先ほど申しましたように、出してこられたから、こられないから、一部抜けておるからということによりまして、実質的な良否の判断をするということにはならないわけであります。そうして先ほど申しましたように、店舗の状況を知りませんので、やはり一応お書きになったことは、しかも外形的な点が多いのでありますから、あまり虚偽といいますか、行けばすぐわかるようなことが多いのでありますから、そういうふうな点についての積極的なうそを書かれるというようなことはないような項目じゃないかと思います。さようなわけでありますので、そういう方面につきましては、お書きになったことはまずその通りであろうという前提のもとに、それと申告との関連を考えていく、こういうふうになろうかと思うわけであります。