志場喜徳郎の発言 (大蔵委員会税制に関する小委員会)

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○志場説明員 前段の概況説明書につきましての内容と三つの御要望、すなわち改正の際には納税者の声といいますか、そういうものをよく聞いて考えてもらいたい、それから出さないからといってあらかじめ差別待遇をする、報復手段を講ずるというようなことのないように、第三点といたしまして、出したものについては、かえってますます細部まで渡ってこまかくなるというような実質上の不公平がないように、この三点につきましては、先ほど来御答弁している通りの気持を持っておりまして、われわれとしましても、そのように運営して参りたいと思っております。
 それから、後段の青色申告の、取り消しの問題でございます。今回の法律改正で、各種の準備金につきましては、取り消された場合におきましても、十年間の繰り戻しということがなくなりまして、そのまま置いておきますので、これはその面から申しますと、今までよりも条件がゆるくなる、負担の面から言いますと、納税者には不利にならなかった、有利になるということでありまするが、これと相関連して、法人の青色申告の取り消しがむやみやたらに行われるというふうなことになりはしないかという御懸念だと思います。われわれといたしましては、実はああいうふうな改正が行われましたことについては、実質的に内容を見まして、法律の規定の面から申しますと、取り消しをしなければ他との権衡上非常に不公平になるという場合におきまして、しかし、かたがた利益金繰り戻しという問題がありますために、なかなか取り消しも思うようにまかせない。他のことを考えてちゅうちょするというふうな実情があったことは確かであります。しかしながら、これはどっちかと申しますと、調査課所管の法人のような、つまりそういった準備金といったものの金額が相当大きな金額として余ってきておるという場合がおもだと思います。しかしその場合におきましても、しかもその金額も大きいし、かたがた取り消されるという理由が実質的にあるというからには、相当調査の際における、いわゆる増差所得というものもあるはずであります。またそれに対しては重加算税といったような問題もある。これらを総合いたしますと、相当程度の重い負担になるということが実情でありまして、これは主として調査課所管の法人になるのではないか。従いまして、調査課所管の法人についての青色申告の取り消しということについては、もちろん相当帳簿がしっかりしておるという面もあり、大きな法人であるということもありまするが、きわめて少いのであります。一方税務署の方におきましては、実は準備金の積み立て状況というものも、これはよくいわれますように、あまり活発でもございません。従いまして、大きな金額が余っておりまして、それがためにちゅうちょせざるを得ないという点は比較的少いと思っております。従いまして、従来でも年間約八千件程度の青色申告の取り消しが税務署所管の法人につきましてはございました。そこでわれわれといたしましては、今回の改正によりまして、この負担の面ということの考慮はあまりしないで、税法の意図しておるような正確な青色申告が行われるように、税法の規定に従った取り消しというものも、厳正に行われるような方向に資するものとは考えておりまするけれども、税務署所管の法人につきましては、そういうふうな負担の面からするちゅうちょということは、実情としてはあまりなかったということをあわせて考えますると、私は考え方としては、青色申告の取り消しというものが厳正に行われる可能性が出るような改正になったと思いますけれども、実際問題として、税務署所管の法人について、青色申告をそれだから取り消しが何倍にもはなはだしくなるというふうには思っておりません。ただ考え方といたしましては、そういうふうな改正とあわせまして、すっきりした考え方を持つという方にはいくと思っております。とともに、青色申告というものは、やたらに調査が困難で、思う通りの所得が出ないから何でもかんでも取り消せということでは毛頭ございません。これは、やはりこの帳簿書類が事実と比較いたしまして真実ではない、この帳簿書類の全体がその記帳の不実なことを想定するに足りるような、そういう事実がなければできないということは、これは法律が要求するところであります。従いまして、その判断はあくまでも適正厳正に行うべきでありまして、なるほど考えますと、税務署所管の法人、これは全法人の九割九分はそうでございますが、それにつきまして、青色申告の取り消しが飛躍的に件数として出てくるということは、考え方がはっきりしたからといって、そういう結集になるということではない、こういうふうに考えておる次第であります。

発言情報

speech_id: 102604655X00119570520_020

発言者: 志場喜徳郎

speaker_id: 16902

日付: 1957-05-20

院: 衆議院

会議名: 大蔵委員会税制に関する小委員会