小滝彬の発言 (内閣委員会)
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○国務大臣(小滝彬君) これを発表するに当りまして、詳細な点の説明を、新聞にいたしましてもほかにいたしましても、掲載もしてございませんし、そうした点は略しておきまするけれども、大体私の考え方を申し上げたいと存じます。
こういう犠牲者を出しました以上、もちろんその責任を明らかにしなければならない、そこで、ただ単に監察隊とかあるいは調査関係の人を出すのみでなく、御承知のように警務隊も派していろいろ証人を調べ、またこれらの関係者を取調べまして、慎重に調査いたしました結果、最も公平なる処分をいたしたいという気持で進んだことは、これまでも申し上げておる通りでございます。御指摘のように結果的に見ますると、計画面の者が比較的処分が軽く、実施の面の方に重くなっておるということになっておりまするが、これは実は実情によってこういうような処分をいたしたのであります。総監は、なるほど計画の最高責任者でありまして、その面においては当然責任を負うべきであり、平素部下を訓練しておる責任者でもございますので、その点は十分考慮に入れたのであります。しかしこの方針そのものというものは昨年も実施いたしておったところであり、また事実今年も現場に行って相当詳細に調査をした上で企画いたしたのとあります。しかもまたこの実施に関しましては、もし雨でも降ったらやめてもよろしい、あるいはこの競争に際しては規律が最も大事である、速力はすべてではないというような点にも指示を与えておるのであります。ただ、しかしこの計画面についても、よく考えてみますると相当なる考慮をもって慎重なる準備をもって行われたものではあるけれども、競争の形でこれほど速い距離をやった、しかもそれが去年やって成功しておるけれども、特に今年度と昨年度と違っておりますのは、各連隊から選抜された大隊を出したので、よけい競争意識をそそるいうな糸口を作ったことに責任があるというような意味において、総監を処分いたしたのでありまするが、とにかく大きな部隊の指導者である者が減俸になり、しかも現地部隊から陸上幕僚監部に転任させられるということは、そういう職務にもかんがみまして、相当な処罰であるというように私どもは考えておるのでございます。
次に、総監よりも幕僚長の処罰の方か重いんじゃないかという感じもあるであろうと思いまするが、幕僚長は、ただ単に専門家として総監を補佐してこの計画に参画したのみならず、当時は実は統裁官として現地において指揮いたしておるのであります。その際もし雨が降ってこれはやめようかという際に、あるいはこれを思いとどまるとか、あるいはもう少し雨のやむのを待つということをやったら、あるいはこういう犠牲者は出ないで済んだかもしれないとも考えられまするし、現地で統率しておりまする以上、最初の連隊、次の連隊のみならず最後の問題を起しました連隊の方に当ってみても、これはあまり激励が行き過ぎたら、それを直接現場で制止することもできた立場にあるのでありまして、計画面のみならず実施面、統裁の面においても責任があるということも考えなければならないのでありまして、詳細は人事局長からさらに御説明さしてもよろしいんですが、そういう意味において幕僚長の方が、より大きな責任をこの行進に関しては持っておったというような判断で、三日の停職ということにいたしたのでございます。
なお、これまで新聞紙上において、あるいは私の存じ上げておる方からいろいろ批判されておりますのは、この問題を起しました大隊長に対する処分が過酷ではないかということでございますが、しかしよくこの問題を検討してみますると、総監の立てた計画においても指揮者が適当な措置をとったならば、あれほど隊伍が乱れるとか、あるいは社会党の一部の方からは、これは暴行罪に当るんじゃないかというような御指摘もありましたが、こういうことなしに、りっぱに犠牲者も出さずに行進を続け得たんではないかというようにも考えられるのであります。何となれば、最初に出発いたしました第十五連隊は、なるほど速度においては二時間近くもおそかったけれども、一人の落伍者も出すことなく、りっぱに規律正しく目的地へ到達しておる。またその次の連隊におきましては、なるほど落伍者は十名出した、しかしその際には、統率者の方が一々当ってみて、十人を落伍せしめたというような事構もあるようでありまして、これの方も速力は最後の岡崎大隊長が率いていたのよりはおそいの、でありまするが、とにかくりっぱにこの行進を終了いたしておるのであります。でありまするからこの計画というもの必ずしも、そこに指揮者としての十分なる良識を用いたならば、もっと規律正しく行進も行われ得たのではないかと考えます。しかもまたここに当って、従来新聞でも指摘せられましたし、衆参両院の委員会等でも指摘されましたようないろいろな事件、これは私どもよく調査してみますると、一部で言われまするような犯罪を構成するようなものではなくして、激励が度を過ぎてそうしてそれが一部から相当な非難を受け、また事実妥当性を欠いておったというような点のあるということも、私ども率直に認めたものでございまして、そういう意味においてこの実施面、時にこの問題を起しました部隊の方が、これは目撃者もございまするし、一番大きな責任者であるというような判断から、ただいま人事局長が説明したような処断をいたしたのであります。しかしながら、士気を阻喪するようなことがあってはいけませんので、今後の訓練も十分やらなければならないからして、そういう点も考えまして、今申しましたように処分に差をつけ、調査の結果、一番責任が重大であるという者により重い処罰をしたというような経過でございます。