加藤陽三の発言 (内閣委員会)
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○政府委員(加藤陽三君) ただいま長官がお述べになりましたのは、先月の十五日でございますが、午前七時五分から十分ごろ大分県の中津駐屯地教育隊におきまして、第十九普通科連隊第三大隊第九中隊第二小隊所属の一等陸士の熊谷定美君が、同小隊の陸士長、一階級上のものでございますが、末松久君を刺殺したという事件でございます。これは当日の午前八時に警衛隊が交替することになっておったのでございますが、警衛隊の交替にあたりましては、管理運用規定によりましてストーブの掃除をすることになっておったのでございます。そこで被害者の末松君が加害者の熊谷君にストーブの掃除を命じました。熊谷一士は同僚の津川という者と一緒にストーブの掃掃を行おうとしたのでございますが、煙突が破損しておりましたので、清掃及びその接合をあと回しにいたしまして二人で朝食に参りました。朝食後、熊谷君が警衛所に入りまして、鍵の保管箱の横にありましたドライバーを持ってストーブ掃除中に、末松士長が参りまして、まだ修理ができないのか、できなければできないように初めから言えと、こういうふうに問詰をいたしました。熊谷君は交替までまだ時間があればできるというふうに反発をいたしております。これに対して末松君は大きなことを言うとのされるぞと言うなり、熊谷君のほおを平手でなぐったのであります。そこで不穏の状態のまま末松君は退去いたしましたが、その直後、熊谷君はストーブを土間にけ飛ばしまして、そのときに一曹の警衛任務者が控室に七、八人おりましたので、二、三名がストーブを起して清掃にかかったのであります。熊谷君も煙突を外に持ち出して清掃を行い、警衛所の控室に入ろうとしたところ、たまたま控室に帰り、憤激しながらほうきを持って清掃をいたしておりました末松君が、熊谷君の頭部と顔面をほうきの柄をもって二、三回なぐったのであります。そのため熊谷君は末松士長の胸ぐらを、取りまして、煙突修理のため所持しておりました、ドライバーを左手に持ちまして末松士長ののどを刺したのでございます。こういう事件がございました。