増原恵吉の発言 (内閣委員会)

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○政府委員(増原恵吉君) ただいま御報告をしました事件は、事柄の性質上検察当局で事件を今扱っておりまして、検察当局の事件究明に従って強制処分をもちろん付随してやるようになると思いまするが、検察当局の捜査の結果に待つという、この事件自体は加害者についてはそういう態度でございます。しかし部隊につきましては、これは中津で起りましたが中津には教育隊がおりまして、その警衛のための人員が足りないので、久留米の方から派遣をしてくる部隊であった。親元の部隊に対しては、さらに具体的にそういう問題についての注意を厳重にいたしたわけでございます。
 基本的な問題としては、先ほども私考え方の基本は申し述べたつもりでありまするが、秋山委員仰せの通り、われわれの育てていきまする自衛隊というものは、民主主義の基本に立ちまして、基本的人権の尊重ということが考え方のものの基盤でございます。防衛庁法、自衛隊法というものの組織自体がそうした趣旨をもって一貫をいたしております。基本的な問題は国会の承認を経た、この自衛隊法、防衛庁法によってこれは、その条章をしかるべき所についてお読みをいただけば、基本的人権を尊重した上に、しかし国の防衛に当るという実力部隊としての訓練をやっていくという趣旨を一貫をいたしておるわけでございます。そうして当初部隊を作りまするときに、先ほども申し上げましたように、いわゆる私的制裁というふうなものを絶対に部隊内に芽ばえさしてはいけないということで、これはほんとうに具体的にいろいろな点で留意をしまして、部隊を御視察いたただくと大体の空気を私は察知しいただけると思いますが、そういう意味においては、現在の自衛隊は各志願によって入りました者が、基本的人権という点については、十分明るい、明朗な、伸び伸びした形で勤務しているということは私申し上げられると思います。外部の方々が視察をされましても、旧軍隊というものを知っておられる方は、その点については一様にそうした感じを受けるということを私どもにも話していただいておるわけであります。この、いわゆる私的制裁というようなものは、当初私は、いわゆる絶無の形で出発し得たというふうに、一応私どもはいろいろ観察をして考えておるのでありまするが、しかし最近の事情を、いろいろ具体的事実から判断をしてみても、先ほども申し上げましたように、いかんながらそうした面が、若干非常に好ましくない萌芽を現わしておるのではないかということを率直に心配をいたします。この点はいわゆる部隊の総監部、幕僚監部の幹部一同といたしまして、そういう事態を容認するという考えを持っておる者はございません。上級幹部には先ごろ減給がありましたが、いわゆる旧軍人出身の人が多いわけでありますけれども、そういう諸君もこれを容認するという立場をとっておる者は私はないと考えております。やはり部隊生活、階級的な上下の関係、きびしい訓練、一応部隊というところで世間と隔たった生活、先ほども御指摘になったような傾向が、ややもするとそうした私的制裁を生むという心配を表わしてきたのではないかということを心配するわけであります。これは一層上級幹部一同がさらに思いを改めまして、そうした点の絶無を期するということをさらに再確認をいたしますとともに、日々の行動、訓練、しつけの際に徹底してそういう点を実行 実施できるようにやっていくよりほかに私は手はないと思います。しかし構成その他の面においても考えるべきものはもちろん考えなければなりませんが、公正審査会その他の措置も、従前ありませんでした措置が現在は講じられておりまして、具体的な事例として、懲戒を受けしました者が公正審査会へ訴え出て、再審査の上、前の措置が軽減をされたというふうな措置も相当にあるという次第で、現在の一般の隊員がただいろいろ気合を入れられて、やむを得ず黙っているという雰囲気は、昔に比べても非常に少いということは、まあ明瞭に言えるわけであります。そうした個人々々の自覚ともちろん相待ちまして一部隊の指揮統率に当っている者がそうした雰囲気を絶対に起させない。萌芽があればこれを善処するということで、十分にこれからの日々を気をつけていくより、これの絶滅の方法はないというふうに考えます。

発言情報

speech_id: 102614889X00919570315_029

発言者: 増原恵吉

speaker_id: 2549

日付: 1957-03-15

院: 参議院

会議名: 内閣委員会