塩崎潤の発言 (大蔵委員会)
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○説明員(塩崎潤君) 前回、私どもの局長から税制改正案の全貌につきましては御説明申し上げたところでございますが、私から法律案につきまして補足的に御説明申し上げたいと思います。お手元に御配付してございますところの所得税法の一部を改正する法律案新旧対照表、法人税法の一部を改正する法律案新旧対照表、有価証券取引税法の一部を改正する法律案新旧対照表、通行税法の一部を改正する法律案新旧対照表、この四本が私どもの所管でございますので、私からこの新旧対照表について便宜御説明申し上げます。なお、揮発油税法、地方道路税法につきましては、私どもの税制二課長から御説明申し上げることにいたしたいと思います。
まず、第三条の十二号が二ページに修正されてございます。これは法人税法の改正に伴いまして所得税法の非課税法人の範囲が変わってくるわけでございます。法人税法の要綱におきましては、非出資の商工組合を五条一項法人にいたしまして、収益事業部分だけは課税すると、こういうふうにいたしておりますが、これに伴いまして所得税法もそういうふうにいたそうということでございます。御存じのように、商工組合は調整事業を主とするものとそれ以外の経済事業を主とするものと二つございますが、今のところでは、商工組合と名がつきますと全部九条七項法人といたしまして、全額益金、全額損金という普通の法人税法の課税方式になっておりまするが、経済事業を営まないで調整事業を主とするものは酒造組合等と同様と考えられますので、収益事業のみを課税する五条一項の公益法人にしようじゃないかというのであります。その改正は法人税法の改正で行なわれるのでありますが、所得税法もそれを受けまして、その一部改正法で改正いたしましたものが三条の十二号でございます。
その次は第六条の非課税所得でございます。これは御存じのように、有価証券の譲渡所得課税の問題をこの際一部改正しようとするものでございます。昭和二十八年に所得税法が改正されまして、有価証券の譲渡所得が非課税とされたのでございます。しかしながら、そのときにおきましても、御存じのように、継続的な有価証券の取引につきましては、これは非課税となる有価証券の譲渡ではないということで、解釈によりまして事業所得あるいは雑所得として課税されることになったのでございます。つまり、有価証券の譲渡所得の非課税の趣旨が健全なる証券市場の育成にある、かように考えられたのでございますが、そのときから現在までの経過に顧みまして、ここに六号のイロハ、これらに規定してありますような有価証券の譲渡はただいま申し上げましたところの有価証券の譲渡所得の非課税の中に入れるのは適当ではない、こういう考え方で整理をしようとするものでございます。一般的には非課税ではございますが、次のものは課税になる。
四ページをあけていただきます。四ページのイロハ、「継続して有価証券を売買することによる所得で命令で定めるもの」、これは現在解釈におきまして、継続的に取引を行なうものにつきましては、先ほど申し上げましたように、事業所得あるいは雑所得として課税する、こう言っております。税務の扱いにおきまして継続的に取引を行なうものは何かということの一つの推定基準といたしまして、有価証券の保有期間が六ケ月未満であり、取引回数が年五十回かつ二万五千株以上であるものにつきましては、継続取引に該当するというふうに推定しておりますが、今申し上げましたような通達あるいは行政上の運営でそういった課税、非課税の区分をして参りますことはなかなか困難な問題でございますので、今回はこの非課税譲渡と課税譲渡との間の区別を政令によって明らかにしたい。この限界をどこに置きますかは、なお関係部局とも詳細に検討して参りたい、こういうふうに考えております。その範囲は命令で定めることにいたしたい、こういう趣旨でございます。
ロは、これは株式の買い占めによる譲渡所得でございます。これも先ほど申し上げました健全なる証券市場の育成という趣旨からの非課税譲渡には当たるまいという趣旨から、株式の買い占めにつきましては非課税譲渡に該当しないというふうにしたいという規定でございます。本来ならば大部分イの継続取引になるものが多いわけでございますが、そこは行政上の変革も考慮いたしまして、買い占めに該当いたします場合には、今申し上げましたような継続取引の基準に該当しなくとも、課税してもいいではないかという考え方でございます。内容は「同一銘柄の有価証券を相当数買い集め、その所有者たる地位を利用して、当該有価証券をその発行法人若しくはこれと特殊な関係を有する者に対し、又これらの者若しくはその依頼する者のあっせんにより売却することによる所得」、しかもその所得は自分が人為的に作り出したところの相当大きい所得でございます。その範囲をどのように限定いたしますか、なお証券取引規則等におきますところの買い占めの範囲との調整その他もございますので、なお詳細につきましては命令で規定する、こういうことになっております。
その次はハでございます。御存じかもわかりませんが、昭和二十八年以来個人の有価証券の譲渡所得が非課税になりましたのでございますが、その趣旨は、先ほど申し上げましたように、証券市場の健全なる育成にあるのでございます。ところが、有価証券の譲渡を利用いたしまして、その他の譲渡所得が逃げるといった抜け穴が相当広範に見られる。一番典型的な例は土地を売りたい。御存じのように、土地の譲渡所得は、最近非常に値上がりが激しいのでございますが、これは十五万円控除いたしまして、その半額を普通の所得の方に総合いたして課税することとなっております。従いまして、土地の譲渡所得は課税になるのでございますが、そこでこれを免れるために、土地を現物出資いたしまして株式会社にする。で、その株式の譲渡の形でもって土地を売却する。株式を買いました人は株式の大部分、全部ぐらい所有するわけでございますので、土地の利用権は当然行使できるということで、そういった傾向が相当顕著に見られます。土地のみならず他の事業を譲渡いたします際にも、そういった形態をとるのが相当見られるのでございます。そこで、有価証券の譲渡所得非課税の趣旨はそういったところにないというので、「事業又はその用に供する資産の譲渡に類似するものとして命令で定める有価証券の譲渡による所得」は非課税とされる譲渡所得に入らない、こういうふうに直そうとするものでございます。
その次は六ページをごらんになっていただきます。今回提案してございます有価証券取引税法の一部を改正する法律案の中にもこれと同じような趣旨が出てございますが、最近宣伝されておりますところの公社債投資信託、これが始まったのでございます。所得税法及び有価証券取引税法は今まで株式を中心といたしますところの投資信託を考えておりましたが、今回新しく公社債の投資信託が出ました。御存じのように、私どもの所得税法におきますところの投資信託の扱いは、株式と考え、株式を中心とする運用と考えておりますので、それから生じますところの所得は配当所得というふうに見ることにいたしております。ところが、公社債の投資信託は、御存じのように、公社債の利子からその財源ができ上がるものでございます。配当所得といたしまして配当控除を適用することは、公社債投資信託のようにすべて企業の収益の発生段階で税金がかかっていない、すべて経費として控除されてくるもの、従いまして、受益者において初めて税金がかかるものは配当控除を適用するのが適当ではない。そこで、新しく公社債投資信託という項目を設けましたのが第七条の四項でございます。
第八条は、今回各方面に最も強い要望がございました配偶者控除を創設したことに伴いまして、控除対象配偶者とはいかなるものであるか、これは納税義務者と生計を一にする配偶者で所得金額五万円以下のものをいう。同じ配偶者でも所得金額が五万円以上ございますと、配偶者控除の適用がなく基礎控除の適用があることは御存じの通りでありますが、共かせぎの夫婦や、所得五万円をこえる配偶者の数はまだ少ないようでありますから、大部分の配偶者は配偶者控除を受けることになると思います。そのことを規定をいたしましたことによる整理が八条でございます。
それから、ずっと参りまして、十一ページをごらんになっていただきます。給与所得控除の改正でございます。これも去る十二月二十二日に国会を通過いたしましたところの昭和三十六年分の給与所得等に対する所得税の源泉徴収の臨時特例に関する法律にもすでにその考え方は出ておりましたのでございますが、今回の税制改正案の一環といたしまして、給与所得控除につきましては新しく一万円の基礎控除的なものを設けるという改正を行ないましたので、そのために必要な規定を改正いたしましたのが九条の第一項の第五号の改正でございます。すなわち「収入金額が四十一万円以下である場合一万円と当該収入金額から一万円を控除した金額の十分の二に相当する金額との合計額」、こうありますように、一万円控除したあとに二割、一定限度以上は一割の控除をする、二割、一割の控除の区分は現行通りでございます。最高は十二万円というのも現行通りでございますが、この改正は、御存じのように、比例控除と違いまして低額の所得者に有利になるような改正になるのでございます。
その次は六号の改正でございます。これは退職給与についての退職所得控除の改正でございますが、この点は、要綱に出ておりますように、現在百万円で頭打ちといたしましたものをやめまして、四十才以下ならば三万円、五十才以下ならば四万円、五十才をこえる一年につきましては五万円の控除を認めよう、最高額の制限をせずに控除を認めよう、こういう改正でございます。この点も、本委員会におきまして特に、二年前に私どもが控除金額を五十万円から百万円に上げた際に、ことに定年退職者につきましては百万円という頭打ちすることなく無制限に与えたらどうか、ただし重役のように転々と退職するような人については制限をしてもよろしい、こういう御要望が出ましたのが二年前でございましたが、その御要望に従いまして改正いたしましたのが九条の六号でございます。
その次は十三ページの九条の二でございますが、これは先ほど申しました有価証券の譲渡所得の非課税の整理に伴いまして整理いたします技術的な改正でございます。
その次に十五ページの九条の三の改正でございます。九条の三のカッコ書きの改正、「(主として個人の趣味又は娯楽のための行為として命令で定めるものによる所得の計算上生じた損失を除く。)」という改正でございます。これも税制調査会の答申によるこの改正の趣旨が説明されてございます。一見なかなかむずかしい規定でございますが、現在の一時所得の規定では、たとえばばくちで、ある人が損をいたします。これは一時所得の損といたしまして、一時所得からは控除いたしますが、他の所得とは通算しない、他の所得からは引かないということになっております。これは御存じのように、所得税の基本的な考え方が、所得の処分あるいは所得の消費によるところの行為はこれは基礎控除、扶養控除の範囲内において控除されるべきものでありまして、それを越しまして自分が勝手に所得を処分し、しかもそれが趣味あるいは娯楽に結びつくものは控除しない、こういう思想であるのでございます。しかし、その限界がなかなかむずかしいのでございます。ある人がまあ非常に所得がありまして、別なあるいは株式からの配当もありましょうし、または文筆業をいたしておりまして大きな所得を得る。そこでだんだんと所得の処分といたしまして競馬馬を所有するということがよく行なわれます。競馬馬を所有いたしておりますと、馬丁の維持費、あるいは馬のえさ代、まあその他費用が要るわけでございます。そして賞金がありますと、賞金が収入になることはもちろんでありますが、現在のところその競馬馬の所有等の行為に基づく所得は、これは一時所得であるか、あるいは継続的に毎年行なっておると見まして事業所得であるか、議論が持たれたのであります。従いまして、税務署におきましては、それは一時所得だといって整理したこともございますが、それは中には事業所得である、従って競馬の種々の損費、費用は他の所得からも引いておる事例があったのでございます。その金額も相当大きい金額がまあ普通の所得から引かれる。これは外国でも有名な話でございまして、イギリスでもアメリカでもホビー・ファーミングといいますか、道楽農業を別荘でやりまして、どうせ道楽農業でありますから、作りましたトマトの値段はいいものでないから安くしか売れない、そのために損が出る。その損を株式の配当所得から引く、あるいは給与所得から引くというような事例がありまして、大ていの国はその点禁止いたしてございますが、そういったことをこの際明らかにいたしまして、趣味、娯楽の行為によって生じました損は他の所得に食い込ませて控除しないということといたしたい。しかし、その損を得た賞金から控除する、これは認めないと不合理であろう、こういうふうに考えましての改正でございます。
それから、その次は第九条の三の一号、これもぴしゃっと改正しておりまして、これは技術的な改正であります。これも税制調査会の答申に明らかになっておる改正でございます。現在、預金利子の利子所得は、もう当然利子なんというものは低額でございますし、預金を所有するに伴いますところの負債や負債の利子というようなもの、いわば必要な経費はないという考え方で、利子所得というものは、受けられた収入金額がそのまま利子所得と認められております。ところが、御存じのように、配当所得の方は、株式を所有するために負債があり、その負債の利子が相当払われることは御存じの通りでございます。と申しますのは、預金利子あるいは確定利付債券の利子に比べまして、株式の方が利回りがいいということをねらいまして、借金をしても引き合うということから出てきておる規定だと思います。ところが、御存じのように、株式の配当所得から負債利子を控除したものを配当所得とするということ自体、これは片っ方において有価証券の譲渡所得が課税になっておりますれば、株式の取得に要した負債利子の金額を控除することも理論的だと思います。株式の所有者というものは全体といたしまして、譲渡所得まで入れて、株の値上がりまで入れましてもうけがどの程度あるかを見て負債利子を払っていくものだという考え方で借金をすると思いますが、先ほど申し上げましたように、昭和二十八年以来有価証券の譲渡所得が非課税となりますと、株式の負債利子を全額配当所得から控除するのは税法上から見まして行き過ぎじゃないかということが言われております。それからまた、これは個人の所得計算にも関連する点でございますが、全然自分の持っている株式が全部無配の場合には配当所得なきものといたしまして、負債利子はそこで打ち切られます。しかし、わずか一円ばかりの有配の株式が極端な例でございますがありますと、その負債利子は総体対応の考え方でおりますから、一円を突き抜けますと配当所得の損失になって、これも今の個人の趣味、娯楽に基づくような損と同様に、他の所得に食い込むというような解釈が行なわれていたのでございます。そういった考え方も正当かもわかりませんが、先ほど申し上げましたように、配当所得と譲渡所得との関係から申しますと、負債の利子を全部他の所得に食い込むこと自体不自然であろう、それからまた負債の利子というものの中には家事上の負債利子もまぎれ込みますので、やはりこのあたりは常識的な規制が必要ではなかろうかということで、今回の改正は、配当所得の配当に関しますところの負債利子は配当所得を限度として他の所得には食い込まないという考え方をとったのが九条の三の一号でございます。
その次は二十ページでございます。二十ページの第十条の六は、先ほど申し上げました事業譲渡あるいは資産の譲渡に類似するものといたしまして非課税譲渡からはずしました有価証券の譲渡の計算の特例でございます。こういった事例は、有価証券の譲渡の際に往々見られます。相当古い時代に会社を作りまして、その会社の資産の内容はたとえば土地のように相当含みを持っておる、しかもその含みの内容をよく分析してみますと、一つは敗戦後のインフレーション、このための貨幣価値の名目的な下落によるところの含み、もう一つは実質的な含み、この二つがあるわけであります。御存じのように、資産再評価法によりまして名目的な貨幣価値下落によるところの所得は排除いたしまして、六%の再評価税だけにしたのでございますが、有価証券の譲渡所得につきましての非課税規定ができまして以来、有価証券の再評価の規定はなくなっております。そこで、今回、事業譲渡あるいは資産の譲渡に類するものとして非課税からはずされました有価証券の譲渡は、これは再評価計算と同様な計算をしないと酷に当たるのではないかということが当然出てくるわけでございます。そこで、十条の六はそういうふうな規定を設けたのでございます。土地につきましては再評価の適用があるといたしますれば、土地の身がわりといたしましての有価証券の譲渡につきまして再評価計算をしようというのが十条の六でございます。
その次は十一条の二でございますが、これはいわゆる専従者控除の拡充でありまして、今回の税制改正案の大きな柱になっている規定でございます。御存じのように、十一条の二の規定によりまして、専従者、すなわち納税義務者と生計を一にする配偶者その他の親族につきましては、税納義務者が給与を払いましても、それは支払いがなかりしものと見るという考え方をとり、専従者に対しましては、本来なら扶養控除でもって対処するというのが日本の伝統的な、社会的な制度を前提といたします考え方であったのでございます。しかし、すでに現在におきましても、法人が同族従業員に給与を支払いますと、それが倒外となって家族の給与所得になり、青色申告者につきましては八万円を限度とする給与所得が認められたのでございます。ただ、白色申告者につきましては、専従者控除はなく、扶養控除だけで控除が認められておった、人的事情が考慮された、ということであったのでございますが、今回、青色申告者につきましては、十一条の二の二項にありますように、限度を引き上げます。すなわち、二十五歳未満の方につきましては八万円を九万円にし、二十五歳以上の方につきましては八万円を十二万円に引き上げるというのが、その内容でございます。その十二万円と九万円の性格については、やはり限度はございますけれども、給与の性格を帯びたもの、従いまして、それ以下の十一万円でもよろしい。事業主が労働を評価いたしまして、この専従者の給与は十一万円といった場合には、十一万円でもよろしい。しかしながら、二十五歳以上の場合には十二万円を限度とする、こういう考え方でございます。しかし、いかに事業の性格とはいえ、事業主に残されるところの所得が専従者に払う給与よりも少ないということは不合理であろうと、かように考えられますので、十一条の二の二項の二号には「当該事業に係る不動産所得、事業所得又は山林所得の金額を青色事業専従者の数に一を加えた数で除して得た金額」、従いまして、専従者が五人おりまして、お父さんが事業主といたしますと、お父さんの数である一を加えまして六にいたしまして、事業所得、たとえば四十二万円を割ります。控除前の事業所得を割りまして七万円、その七万円を限度とする。お父さんの取り分も七万円、子供の取り分も七万円に推定する。子供の取り分が十二万円、お父さんの取り分が八万円あるいは七万円というのは、まず個人事業者の実態から見ると若干不自然であろう。このあたりの考え方はいろいろな考え方があろうかと思いますが、やはり親子間の労働あるいは夫婦間の労働というものは、他人労働と違う面がありはしないか。これは、ドイツにおきましても常に判例で問題となり、単純な雇用関係ではない、あるいは相続法上の関係から来ますところの相続金の前取りとか、あるいは事業利益のあらかじめの分与といったような性格がございまして、かようなものを考えますと、こういったような規制を加えておきますのが、給与所得者あるいはその他の所得者とのバランスから見ても、あるいはまた家族労働の実態から見ても適当ではないかという考え方でございます。
その次は白色申告者でございます。今申し上げました十二万円、九万円という専従者控除の拡充は青色申告者でございますが、今回新しく白色申告者につきましても、一律七万円の専従者控除を適用する、こういうふうな考え方をとっております。この点は青色申告者と違いまして、家計と扶養との分離が十分ではない。従いまして、それが本来労働の対価と見られるべきかどうか、多分に疑問があるわけでございますが、先ほど申し上げました法人との権衡あるいは青色申告者とのバランス、それからまた、農業、農民を中心といたしますところの青色申告者として帳簿をつけるにふさわしくない——青色申告ができ上がりましたのは昭和二十五年からでございますが、その後の実態を見ますと、農民にはなかなか普及しない。やはりそこには若干無理な点がありはしないか。記帳の慣習というのはなかなか農民にはつかないということを考えまして、それで農民の所得の水準も考え、白色申告者でありましても、簡単な条件のもとに家族専従者につきましては七万円の控除を認めよう、こういうふうな考え方でございます。それが十一条の二の三項の規定の改正でございます。この改正には、同時にまた、青色申告者と同様、事業主の所得が専従者の所得よりも少ないというのは不合理でございますので、専従者の数に一を加えた数で事業所得の金額を除したものを、これを最高限としておることは青色申告者と同様でございます。
その他四項、五項、六項は技術的な改正でございますので、省略さしていただきます。
その次、二十六ページでございます。二十六ページの十一条の八、これは先ほど申し上げました配偶者控除の九万円を控除するという規定の改正でございます。
その次は二十七ページ、十一条の九は扶養控除の規定の改正でございます。昭和三十四年までは、御存じのように、一人目の扶養控除と、二人目・三人目と、それから四人目以降と、この三つのランクがあったのでございますが、昭和三十四年の改正以来、一人目と二人目以降というふうに二つになりました。今回配偶者を一つ特別な控除といたしましたほかに、年令に応じまして扶養控除の金額を改正しようということにいたしております。これも今回の税制改正案の大きな特色でございます。その思想は、御存じのように、一律に扶養控除の金額をきめるということ自体、やはり扶養控除の思想が人的事情を考慮いたしましたところの生計費の差、ことに年令が長じました扶養親族を持ちます家庭におきますところの教育費あるいは飲食費等の差を検討いたしてみますと、やはり年令に応じまして扶養控除に差を設ける方が、より担税力の実態に即するものではないか。イギリスがこういった考え方をとっております。そこで、その考え方をとりまして、年令十五才以上の扶養親族につきましては五万円、年令十五才未満の扶養親族につきましては三万円、こういうふうに改正し、なお、これも昭和三十六年分の給与所得等に対する所得税の源泉徴収の臨時特例に関する法律に同じ控除がございましたが、扶養親族が一人である場合には七万円、これは、控除する対象配偶者がない場合でございます。たとえば、共かせぎの場合、現在、共かせぎの場合には、夫九万、妻九万、すなわち夫は分離課税で九万円の基礎控除をし、妻も分離課税で九万円の基礎控除をいたしまして、ともに合算をいたしません。子供に対しましては五万円の控除でございます。この五万円の控除、普通の家庭なら、現行法では夫が九万円、妻の所得が五万円以下でございますと七万円でありまして、子供さんが三万円。ところが、共かせぎの場合は、今申し上げましたように五万円になっております。この五万円は何かと申しますと、これはイギリスなどに現われておりますところの子女世話費みたいな思想でございます。夫婦共かせぎの場合には、家庭におきまして子女の世話をする費用が要るであろう、その考え方をとりまして、普通の家庭ならば、配偶者は専門に子女の世話ができますから、七万円とし、扶養親族の二人目は三万円という考え方でございますが、共かせぎの場合は昼は夫婦ともに外におって、子供さんは保育園に預ける、あるいは家政婦を雇うというようなことに着目いたしまして、はなはだこまかい話で恐縮でございますが、五万円にした。今度これを幾らにいたしますかというと、第十一条の九の第一項二のイにありますように、これは七万円に上げましょう、五万円を七万円にしましょう、こういうのでございます。その他そのロは共かせぎとかいろんな場合の考え方を書いたものでございますが、基本的に今申し上げましたような考え方で、共かせぎの場合、あるいはお母さんが——老母が大学を出たむすこさんの家事を世話をしておる場合、その場合の妹の扶養親族控除をどうするか、そのあたりが今みたような思想で貫かれておるのでございます。
その次は二十八ページの2でございますが、この2項には異常順位と申しまして子女の控除順位を変える場合の規定でございまして、これは非常に技術的でございますので省略さしていただきます。
その次は二十九ページの十三条でございます。税率もこの際税制改正の大きな柱といたしまして改正になっていることは、もう御存じの通りでございます。現行と対比いたしますと、十万円以下百分の十となっておりますのを十五万円以下百分の十、十万円をこえる金額百分の十五は十五万円超百分の十五、現在二十万円をこえる金額百分の二十となっておりますのを四十万円をこえる金額百分の二十、現在五十万円をこえる金額百分の二十五となっておりますものを七十万円をこえる金額百分の二十五、こういうふうな改正をしてございます。税制調査会の答申は、私どもの局長が申しましたように、課税所得百八十万円までの税率の刻みを緩和する方針でございまして、政府案におきましては課税所得七十万円までの刻みを緩和する、こういう考え方でございます。百万円課税所得がございますと、その他に基礎控除、扶養控除が別にございますので、総所得百万円以下程度の人はこの税率の緩和の恩典を全部受けます。その上の人ももちろん受けますけれども、税率の改正は非常に小刻みでございますので、上になりますればなりますほど軽減割合は低い、こういった考え方を示すことは私どもの局長の申した通りでございます。
その次は三十二ページでございますが、二十条でございます。新規重要物産の製造等についての免税。先般私どもの局長の御説明の際に木村委員から御質問がありまして、新規重要物産と名称を変える趣旨いかんとのお話が出ましたが、もちろん所得税法では重要物産免税は大部分意味がない。大部分は法人税法に適用のございます規定でございますが、ここで便宜改正の趣旨を申し上げますと、昭和三十二年に重要物産免税につきましては大幅な改正をしたのでございます。この重要物産免税制度は大正二年ころに、おそらくわが国の経済構造あるいは産業構造の大きな変革という趣旨から、重要物産について免税をする、こういうことが各単行法、たとえば鉄鋼とかあるいは綿紡とかそういった助成法案の中に織り込まれたのがこの嚆矢だと思いますが、長らくの制度であり、また戦争中は大いにそれが活用されたのであります。それからだんだんと経済が正常化して参りますと、この重要物産免税制度も大いに反省してもいいのではないかということで、昭和三十二年に大幅な改正を加えました。
その趣旨は、まず第一に、重要物産免税と申しますと大ていのものが入れる。重要物産ならばどんなものでも入るようなふうに一見感ずるわけでございます。しかし、よく考えてみますと、やはり新規産業でその企業が採算不安定であり、しかもそれが国民経済上重要なものであるというふうに限定するのが至当ではなかろうかということで、新規重要物産免税の思想に変えたわけでございます。従いまして、新規産業ではない、当時広く指定しておりました、しかもまた長らく指定されておりました石炭あるいは塩、電気、これらの物産は三十二年に削除したのでございます。そのほか免税の限度も固定資産の四割、すなわち投下資本の四割まで免税額が来たならば投下資本の回収は相当できたと考える、しかも一方減価償却は所得税でも法人税でも経費に算入することが認められておりますので、それらを考え合わせると、ほとんど解消してもいいのじゃないかというふうに考えて改正を加え、免税を固定資産投資額の四割で打ち切ることといたしました。しかも、今までの欠陥は、一ぺんそういう指定の中に入りますと、なかなか、もういいではないか、もう条件も十分熟して一人立ちできるではないかといっても、そこに種々な判断が入りまして、なかなか削除ができないということで、三十二年の改正におきましては、一定期限が来るならば自然にドロップするように改正を加えたのであります。すなわち、それぞれの物品に指定期限を入れまして、重要物産免税の適用を受けるならば、たとえばアクリロニトリルならば、昭和三十二年から三十七年までの製造開始または増設したものというふうな改正を加えたのでありますが、その際に法文の形式で当時重要物産という名前だけは見出しの中に残したのでありますが、今回は一つその跡始末の意味におきまして、名前は新規重要物産免税というふうに改め、普通の重要物産いう意味ではないのだということを明らかにいたしましたのが二十条の改正でございます。
それ以後は予定申告等におきますところの技術的な本則の改正に応じますところの改正でございまして、税額表その他ございますが、昭和三十六年分の給与所得等に対する所得税の源泉徴収の臨時特例に関する法律案の審議の際におきまして御説明しておりますので、省略をさせていただきます。
次に六十四ページの附則でございますが、大きな考え方といたしまして、この法律は三十六年四月一日から施行する、しかしながら所得税でございますので、大部分の規定は、昭和三十六年分の所得から適用する、例の有価証券の譲渡所得の非課税の特例の規定を三十六年分の所得から適用するというのが、概括的な説明でございます。
以下所得税を終わりまして、その次は法人税に参りたいと思います。では、七十一ページの法人税法の一部を改正する法律案新旧対照表につきまして御説明申し上げますと、まず第五条でございますが、これは先ほど所得税法で申し上げましたところの商工組合につきまして改正を加えよう、商工組合のうち、非出資である主として調整事業を中心といたして行なっておりますところの商工組合及び同連合会は、酒造組合あるいは酒販組合と同様な性格でございますので、五条一項の法人に入れまして、収益事業だけを課税しよう、こういう規定でございます。
その次は七十二ページの第六条の改正でございますが、これは先ほど申し上げました重要物産免税規定の改正でございます。法人が中心でございますが、その趣旨は先ほど申し上げた通りでございます。その他は技術的な改正でございます。
七十六ページ、第九条の六、利益の配当等の益金不算入の規定でございますが、この中に線を引っぱりましたところの改正でございますが、これは先ほど申し上げました公社債投資信託の収益の分配の規定の改正に伴いまして、法人間の配当は御存じのように益金不算入になっております。これはもとにおきまして、源泉におきまして法人税がかかっておりますので、通り抜け団体でございます法人株主が受け取ります法人間配当は益金不算入にして、個人株主に対しまして配当されたときに課税しようという考え方でございます。証券投資信託は半分は配当所得から来、半分は譲渡所得から来るという考え方でございますので、法人間配当につきまして現在は半分は益金不算入でございます。ところが、公社債投資信託は、先ほど申し上げましたように、今まで一ぺんも課税を受けない所得から来るものでございますので、普通の通り益金算入にしてよろしいというものでございますので、証券投資信託の収益の分配、利益の配当等の益金不算入の規定は適用しないようにしよう、こういう考え方でございます。
その次は八十二ページでございます。同族会社の特別税率、第十七条の二の改正でございますが、これはもう中小企業振興の見地から、過去においてしばしば言われた大きな税制におきますところの要望であったわけでございますが、これにつきまして今回根本的に検討をいたしまして、新しく再編成したものが十七条の二でございます。御存じのように、法人留保というものをどういうふうに見るか、なかなかむずかしい問題でございます。税制から見ますれば、法人留保というものは法人税だけが課税されまして、本来配当されますれば個人株主の税率が適用されまして、すべて個人株主において最も理想的と言われております個人所得税によって精算されるのでございますが、法人留保として留保されておりますと、配当に対しますところの個人株主段階での税が回避できるということが各国でも言われ、どこの国でもそういったことに対処するための規定があるのでございます。で、昭和二十五年にシャウプ勧告によりまして法人税が株主の所得税の源泉徴収といった考え方に徹底されましたときに、留保所得に対しましては特別な利子を取るという規定の改正があったのでございますが、毎年々々利子を取ること自体どうであろうかということ、同時に、非同族会社につきましては、資本市場から資本を調達いたします関係上、どうしても株主に対しましては配当を行なわざるを得ず、従いまして利益のうちの大部分は配当に回ります。法人税と法人住民税の法人税割と事業税でその所得のほぼ半分徴収されまして、これを差し引いた後の可処分所得を目安といたしますと、その大体七割から八割は配当に回るという傾向が広く平均的に見られるのでございます。そうなりますと、何もそういう経済的な自然の圧力が加えられますところの非同族会社に留保所得課税を置く必要はないのではないかということで、昭和二十七年に停止され、昭和二十九年にはそれが廃止になったのでございます。しかしながら、同族会社だけはやはり経営者の意思によりまして任意に留保ができる、ことに留保しようが配当しようが、資本というものは経営者あるいは株主等の出資がほとんどでございますので、配当の必要はないということは当然でございます。そのために留保傾向はきわめて高いのでございます。そういった関係で、同族会社だけには留保所得課税は残ったのでございます。しかしながら、毎年毎年利子的に取っていくこと自体は酷ではないかということで、一〇%——それ以前は五%の税率で毎年々々取っておることになっておりますが、昭和二十九年に一〇%で当期の留保所得から一回限り取るということに改められたのでございます。しかし、この改められた後におきましても、中小法人からは資本蓄積を阻害する、ことに非同族会社は留保課税はないではないかということが盛んに言われたのでございます。しかしながら、配当所得に対する自分の意思による回避は同族会社において顕著に認められますので、これを廃止することは適当ではないというふうに存じて今日に至ったのでございます。今回、企業課税のあり方の根本的な改正の一環といたしまして、ことに個人所得税の改正との関連、もう一つは配当課税との関連を考えまして、結論を得ましたのがこの改正でございます。
簡単に申し上げますと、一つは非同族会社の留保傾向というものを考え、片一方は個人所得税の負担を考えるという二面を考えましての改正でございまして、現在非同族会社といえども何がしかの留保はございます。課税所得で申しますと、一割五、六分くらいの留保はどんな法人にも見られる。そういたしますと、同族会社の留保所得は特色であるとはいえ、やはり法人税が一ぺん所得の発生段階においてかかりますと、それから留保されたからといって、ある程度の非課税留保はあっていいのではなかろうかということを考えましたのがこれでございまして、まず留保所得のうちから課税利益の一割は控除する。この課税利益の一割というものは普通の非同族会社にも見られる留保に、等額ではございませんが、匹敵する留保であろう、こういうふうに考えまして、留保所得のうちから控除する。これが非同族会社の留保傾向を考えましたところの考え方でございます。同族会社といえども一つの企業として運営されております以上、法人税がかかります。そういうことを考えますと、企業として認められております関係上、企業として非課税留保があってもいいのじゃないかという考え方が一つ出てくる。もう一つは、個人所得税とのバランスであります。所得税は昭和二十五年以来毎年々々軽減されて参りまして、配当をいたしてもどの程度の所得から課税になるかということが、一ぺん吟味されるべきだろう。吟味してみますと、その法人におきまして、二百万円以下三三%、二百万円超三八%の法人税がかかった後の留保したものに対して、もし配当したとした場合どの程度の所得税がかかるかということを検算してみたのであります。そういたしますと、一定の給与を法人の利益から同族関係者が取るということを前提といたしまして計算いたしますと、その上に配当を上積み所得として乗せまして、税率を適用し、配当控除をその後に適用するのでございますが、それを適用いたしますと、年五十万円までの留保所得につきましてはどうも取る理由がない、取らなくても済むという結果が出るのでございますが、そこで控除金額につきましては、先ほど申し上げました留保所得が非課税とされている法人、すなわち非同族会社とのバランスから来ましたところの課税利益の一割か、個人所得のバランスから来ました年五十万円のいずれか多い金額を留保所得から控除するという考え方をとっております。その後に一〇%の税率を適用する。ただし、現行と同様に、留保所得が資本あるいは出資の四分の一に達するまでは課税しないという規定は現状通り置いておくということであります。現在は留保金額が資本または出資の四分の一、あるいは百万円のいずれか多い方に達するまでは留保所得税は取らないということになっておりますか、今度は五十万円の控除を入れたので、百万円を置いておく意味がなくなりました。そこで、今申し上げましたように、資本または出資の四分の一に達するまで課税しないことは依然として置いておこう、こういうふうに合理化しようというのが大きなねらいでございます。
しかし、そういうふうにだんだん留保所得課税の内容がシャウプ勧告から変貌いたしました過程を追い、今後のあり方を考えますと、一律一〇%で適用すること自体論理的でない。先ほど申し上げましたように、配当課税の身がわりとしての性格を多分に持つ留保所得の課税でございます。そうなりますと、同族会社で巨額の利益をあげ、巨額の留保をするものにつきまして一〇%の法人税率だけでは不十分だろう。そこで、年三千万円以下の金額につきまして一〇%になっておりますが、三千万円超の金額に対しまして百分の十五、年一億円をこえる金額につきましては百分の二十、こうした累進税率制度を適用した方が留保所得課税として最も合理的と考えたのでございます。しかしながら、約九万件の同族会社が現在留保課税を受け、それを納税しておりますが、その約半分はこの今回の控除制度の合理化によりまして非課税になります。法人税はかかりますが、留保所得税はかからない。これで増税になります会社といいますのは約六十社ぐらいと見積もられますが、その他の会社の大部分、すなわち九万のうち六十を除きました八万九千九百四十ばかりの会社は大体軽減になる、こういうふうに考えていただいていいのじゃないか、かように思うわけであります。
法人税法は以上の程度の改正でございます。
なお、企業課税の改正といたしまして、税制調査会の答申にあがり、また政府の税制改正の要綱にあがっておりますところの耐用年数の改訂は、大蔵省令の改正によって行なわれることになっております。非常に技術的な設備区分ごとの耐用年数の表示でございますので、それによって行なわれることになっております。
もう一つの、資金調達の大きな手段になっておりますところの配当課税方式の改正は、租税特別措置法によりまして、法人税並びに個人所得税の特例といたしまして改正が行なわれることになっておりますので、法人税法の改正といたしましては十七条の二が中心でございます。
なお、この改正規定は昭和三十六年四月一日以後に終了する事業年度分から適用されることになっております。
だんだん時間がなくなって参りましたので、その次には有価証券取引税法の一部を改正する法律案でございます。八十五ページでございます。これも新しく証券投資信託の中に公社債投資信託ができました。公社債投資信託は、株式と同様な税法上の取り扱いとなっておりますところの株式を中心とする運用の証券投資信託とはやはり担税力も違う。担税力が違うということは値上がりの状況が違うことといっても大差はないと思いますが、そういうことで、税率を社債並みにもっていくことが適当ではないかという考え方でございます。そこで、現在では八十五ページの十条にございますように、ほうっておきますと、証券業者が売買いたしますと万分の六でございますが、これは改正によりまして万分の一の公社債並みにしよう。それから第二種の、これはしろうとでございますわれわれが公社債投資信託を売買いたしますとどうなるかと申しますと、現行では万分の十五ということになりますが、今度は社債並みの万分の三にしよう、こういう改正でございます。
以上で有価証券取引法改正の説明を終わりまして、次は八十六ページの通行税法の一部を改正する法律案でございます。これはごたごた書いてございますが、大きな趣旨だけ申し上げますと、現行の通行税法では、旧三等、現在の二等寝台にも二〇パーセントの通行税がかかっております。だんだんと世の中も安定して参りましたし、二等寝台の大衆性も考えまして、二等寝台の料金については非課税にしよう。これは三条でございますが、カッコ書きにございます「(一人一回ニ付千円以上ノモノニ限ル)」、千円をこえます寝台料金に課税するという考え方でございます。
第四条、八十七ページの四条におきまして、通行税は、現在の方式が全部国鉄あるいは船会社の呼称によりまして、船会社が一等と呼べば一等として課税する。御存じのように、船は一等だけに課税し、二等、三等と区分のありました場合には二等と三等とは非課税になっておりますが、船会社の呼称によりまして課税するということ自体が、気まぐれにも、アンバランスにもなりますので、今度は実質によりまして、賃率によりまして課税する、こういう考え方でございます。すなわち、船につきましては最低運賃の三倍以上のものに、汽車については最低運賃の一・五倍以上のものにこれを課税しようというのが今度の四条の改正でございます。
以上四法案につきましての概要でございます。