高橋時男の発言 (大蔵委員会)

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○説明員(高橋時男君) 小名浜の製塩試験工場を廃止した理由いかんというお尋ねかと思います。小名浜の試験工場は、昭和二十七年にできたものでございますが、これは海水から電気の力をもちまして塩を作る方法で、電気加圧直煮方式とわれわれ呼んでおります。こういう新しい方式で、塩田を用いずにもっぱら工場の設備のみをもってして海水から最終段階に塩ができてくる、こういう、従来の塩田を利用して海水をある程度濃くし、その濃くした鹹水をおかまに入れてたいて塩にすると、こういう方式とは全然別個のいわゆる工場生産方式ともいうべき新しい方式をもって塩を作るという研究をわれわれの技術のほうでやって参りましたが、企業化できる大体の見通しがつきましたので、中間試験工場として年約一万トンの生産規模で始めたものでございます。当時としてはきわめて画期的な方式であったわけでございまして、この方式をまねて民間でも数個の製塩工場がその後できました。
 その後、御承知のように、塩の国内の生産が需要を著しくオーバーするというような状態になりましたので、昭和三十四、五年、両年度にわたりまして総額百十四億円の塩業整備交付金を支給しまして、生産力の約四分の一程度を整理したわけでございます。その間、小名浜工場はずっと続いて参りましたが、最近に至りまして、十年間の歳月を経過しましたために、機械設備の老朽がはなはだしくなってきた、こういうようなこともございまして、他方、電気加圧直煮方式というものは、一応、専売公社として一万トンの中間規模でもって始めたわけでありますけれども、その試験技術開発と申しますか、そういう開拓的な、試験的な意味も一応達成せられましたので、他方機械も十年を経過して老化しているというようなことで、これをさらに修理して続けるということであれば、莫大な経費も要するし、本来設立の目的であります中間試験の目的も完了した、こういうようなことで、やめてはどうか、こういうことになりましたが、なお副次的には、今九十万トンの国内生産を行なっておりますが、生産者に生産ワクを設けて、自由勝手にたくさん作るということをしないようにしてもらっているときでありますので、公社がたとえ一万トンといえどもこの際長くいつまでも製造しているということも、大局的に必ずしも適当ではなかろう、こういうような、ほぼ三つの理由を主眼といたしまして、廃止に決定いたした次第でございます。

発言情報

speech_id: 104314629X00519630208_018

発言者: 高橋時男

speaker_id: 10185

日付: 1963-02-08

院: 参議院

会議名: 大蔵委員会