池田清志の発言 (大蔵委員会)

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○政府委員(池田清志君) ただいま議題となりました所得税法の一部を改正する法律案外二法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
 最初に、所得税法の一部を改正する法律案及び法人税法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。
 政府は、今後におけるわが国の社会、経済の進展に即応する基本的な租税制度を確立するため、昨年八月税制調査会を設けまして鋭意検討を加えて参りましたが、昨年末同調査会から、最近における社会経済情勢の変化に応じて現行税制につきさしあたって改正を必要とする事項について、昭和三十八年度の税制改正に関する臨時答申を得たのであります。その後、政府におきまして同答申を中心にさらに検討を重ねた結果、昭和三十八年度におきましては、中小所得者の負担の軽減をはかるとともに、当面要請される資本蓄積の促進、社会資本の充実、中小企業の振興等に資するため、国税において平年度五百四十億円程度の減税を行なうことといたしたのであります。これらの税制改正諸法案のうち、今回、ここに所得税法の一部を改正する法律案及び法人税法の一部を改正する法律案を提出した次第であります。
 まず、所得税法の一部を改正する法律案について、その大要を申し上げます。
 第一は、中小所得者を中心とする所得税負担の軽減をはかることであります。すなわち、基礎控除を現在の十万円から十一万円に、配偶者控除を現在の十万円から十万五千円に、それぞれ引き上げるとともに、十五才未満の扶養親族の扶養控除額を現在の三万円から三万五千円に引き上げることとしております。また、これらの諸控除の引き上げに関連して専従者控除についても、青色申告者の場合は年令二十才以上の専従者の控除限度額を現在の十二万円から十二万五千円に、二十才未満の専従者の控除限度額を現在の九万円から九万五千円に、白色申告者の場合はその専従者の控除額を現在の七万円から七万五千円に、それぞれ引き上げることとしております。
 以上申し述べました諸控除の引き上げにより、夫婦子三人計五人家族の標準世帯を例にとりますと、所得税が課されない所得の限度は、給与所得者では現在の約四十一万円までが四十五万円までに、事業所得者のうち、青色申告者については現在の約三十九万円までが四十二万円までに、白色申告者については現在の約三十四万円までが三十七万円までに、それぞれ引き上げられることになるのであります。
 次に、少額貯蓄を優遇するため、従来の国民貯蓄組合制度にかえて、制度の合理化をはかりつつ、新たに一人一種類、かつ、一店舗に限り元本五十万円までの預貯金等について、その利子所得に対する所得税を免除することとしております。
 さらに、海外事業活動の振興に資するため、外国税額控除制度について控除未済の外国税額について五年の繰り越し控除を認めることとする等、制度の拡充合理化をはかっております。
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 次に、法人税法の一部を改正する法律案について、その大要を申し上げます。
 第一は、中小企業者の税負担の軽減措置の一環として、同族会社の留保所得に対する課税につき改正を行なうことであります。すなわち、現在、同族会社の課税留保所得金額の計算は、同族会社が留保した金額から、課税所得金額の百分の十に相当する金額と年五十万円とのいずれか多い方の金額を控除することとしているのでありますが、今回この控除額を、課税所得金額の百分の十五に相当する金額と年百万円とのいずれか多い方の金額とするよう改めることとしているのであります。
 また、海外事業活動の振興に資するため、法人の外国税額控除制度について、所得税と同様に、その拡充合理化の措置を講ずることとしております。
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 最後に、関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして、御説明いたします。
 現行関税率表は、一昨年全面改正を行ない、さらに貿易自由化の繰り上げに対応して、昨年、その一部につき改正を行なったのでありますが、その後経済状勢等も変化して参っておりますので、これに対処するため、関税率について所要の調査を行なう必要が生じたのであります。このため、政府は、一般的な関税率改正について昨年十月に、また、石炭対策の一環としての石油の関税率改正について同年十二月に、それぞれ関税率審議会に対し諮問し、同年十二月二十五日及び二十七日にその答申を得ましたので、これに基づきまして、関税定率法及び関税暫定措置法につき、改正を行なうことといたした次第であります。
 関税率の調整にあたりましては、関税による国内産業保護の要請のみでなく、国内における需要産業、一般消費者等に及ぼす影響をも十分考慮するとともに、国際的な関税引き下げの動向もしんしゃくして、広く、わが国経済の強化、発展という観点から検討を加えたのであります。
 その結果、関税率の改正を行なうこととする品目は、関税定率法及び関税暫定措置法を通じ、三十八品目でありまして、その内訳は、税率を引き上げる品目十三、一部について税率を引き上げる品目三、税率を引き下げる品目十八、関税割当制度を採用する品目一、関税割当制度を廃止する品目一、分類を変更する品目二となっております。
 石油につきましては、石炭対策の一環として、二年間に限り、原油の基本税率一キロリットル当たり五百三十円を暫定的に一キロリットルにつき六百四十円に引き上げるほか、重油についてもこれに見合う関税の引き上げを行なうとともに、石炭の長期引き取り契約を行なっている電力業及び製鉄業において消費する重油については、従来の還付のほか、その引き取り量増加に伴う補てん措置として今回の原油関税引き上げ分等に相当する額を、負担増加の額を限度として、特別に還付することとしております。
 このほか、本年三月三十一日で適用期限の到来する重要機械類、給食用脱脂粉乳、原子力研究用物品等、航空機及びその部分品等、農林漁業用重油、肥料製造用原油、ガス製造用原油及び石油化学製品等製造用触媒の暫定免税、石油化学原料用揮発油等にかかる関税の還付並びに関税暫定措置法別表の品目の暫定税率中、国民経済上継続の必要があると見られるものの適用期限をそれぞれ延長することといたしております。なお、石油化学におきましては、最近灯油及び軽油を原料として使用する事実がありますので、これらについても関税の還付を行なうことといたしました。
 次に、関税制度についてでありますが、ガット締約国である外国がわが国の輸出品に対して譲許の撤回等の緊急措置をとった場合は、これに対抗するため、特定品目の譲許を停止して一定範囲内で税率を引き上げる等の措置をとれることといたしました。
 なお、オリンピック大会等国際的な運動競技会で使用される物品で再輸出されるもの及び市町村等が設置するごみ焼却設備用物品のうち国産困難なものについては、その使用目的等にかんがみ関税を免除することとするほか、特定用途免税品の一部につきその用途外使用を規制する等、所要の規定の整備を行なうこととしております。
 以上三法案につきまして、その提案の理由と内容の大要を申し上げましたが、何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さいますよう、お願い申し上げます。

発言情報

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発言者: 池田清志

speaker_id: 15412

日付: 1963-02-21

院: 参議院

会議名: 大蔵委員会