岡田京四郎の発言 (法務委員会)

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○岡田説明員 アリゾナ号と明興丸の衝突事件の概要を申し上げたいと思います。お手元に簡単な資料を差し上げてございます。大体それを中心にいたしまして、記録をもとにしながらこの件について御説明申し上げたいと思います。
 この衝突事件の発生いたしましたのは、昭和四十年八月二日の午前二時九分に起こったというふうに考えられるのであります。と申しますのは、後に御説明申し上げますが、アリゾナ号から緊急通信を午前三時三十八分に発しております。その船の通知によりますと、二日の午前二時九分ごろに衝突したということを聞いておるのでございます。その位置は、ア号の言い分によりますと、下田東北東約十三海里付近ということになっているわけでございます。これは公海上になるわけでございます。
 それから衝突しました当事船の名前と性能について申しますと、アリゾナ号は、アメリカのステーツスティームシップカンパニーが船主でございまして、その総トン数は一万二千七百十一トン、また明興丸は明和海運株式会社に所属しておりまして九百九十五トンでございます。
 被害の状況といたしましては、アリゾナ号は、船首部の両側に擦過傷を受けております。明興丸のほうは船尾部約四分の一が切断、そして船首部のほうは、転覆して漂流していたのでございます。この明興丸の乗組員は全部で十九人でございましたが、一名が救助され、九名が死亡、九名が現在いまだに行方不明になっているわけでございます。
 次に、衝突事故の発生時の状況について申し上げます。まず、事故を当庁が知りました経緯について申し上げますと、第三管区海上保安本部は、八月二日の午前三時三十八分にアリゾナ号の船長から、二日の午前二時九分北緯三十四度四十三・五分、東経百三十九度十三・八分これは下田の東北東約十三海里付近ということになっているわけでございます。その地点において漁船らしいものと衝突した。いま捜索中であるという旨の緊急通信を受けたわけでございます。この緊急通信を受信しました当庁の第三管区海上保安本部は、直ちに巡視船「げんかい」を現場に急派いたしました。またアリゾナ号に対しましてはその旨を連絡するとともに、アリゾナ号は現場において引き続き捜索に当たってくれということの協力を要請いたしております。
 次に、事故現場での処置でございますが、巡視船「げんかい」は、午前十一時四十五分ごろに現場付近でアリゾナ号と会合いたしております。そうして同船とともに明興丸の捜索をずっと続行いたしたのでございますが、当時は濃霧のために視界が全く不良でございます。そのために発見できない状態でございました。その後アリゾナ号は、午後一時ごろになって一たん現場を離脱したのでございます。
 一方におきまして、濃霧が一時過ぎに晴れまして、明興丸の船首部のほうが発見されたのであります。それで、そういうこともありましたので、アリゾナ号に対しまして、二日の午後三時ごろに、まずアリゾナ号の代理店を通じまして、事情をアリゾナ号から聴取したいので、本邦のもよりの港に入港するように連絡してほしいということを要請したのであります。当日の夜九時四十五分ごろでございますが、代理店のほうから連絡がございまして、アリゾナ号が翌三日午前十時ごろには横浜に入港するという旨の回報がありました。事実同船は三日の十時四十五分ごろに横浜に入港いたしました。
 それで、三日の日にアリゾナ号の到着を待ちまして、船長ほか三人につきまして当時の事情を取り調べと申しますか、参考人としての事情聴取をいたしました。これは八月三日の午後零時半から夕方まで、それから翌四日の午前九時からお昼近くまでの二度にわたりまして、参考人としていろいろ事情を聴取しております。また船につきまして、そのペイントと、明興丸についておりますペイントとの照合をいたしまして、このアリゾナ号が明興丸にぶつかったんだということの確証をそういう点から得ておるわけであります。
 次に、アリゾナ号は八月四日の午後二時四十分にマニラに向けて出港いたしております。その経緯につきましては、アリゾナ号の船長のほうからは、公海上の衝突事件であるからアリゾナ号に対しては日本側には刑事裁判管轄権はないが、また一方では事実問題として日本側の直接当面必要な捜査に対しては、一応の協力をしていきたい。それからまた約一カ月後には本邦に寄港する予定であるから、そのときにまたもし日本側で必要であればできるだけの協力はしたい、こういうふうな言明をしております。そういうような船長側の言い分でございます。当方といたしましても次のことを考慮しまして、船長の要請を入れて、同船の出港を認めたわけであります。それは、一応当面必要としますところの物的証拠が得られたこと、それからアリゾナ号の実地検分を終えて、先ほど申し上げましたような、この衝突についての確証を得るためのペイントの資料を収集ができたというふうなこと等もありまして、当面の捜査につきまして協力が得られた状態になっている。それからまた、将来の協力についても船長が先ほど申し上げましたような協力を約しておるというふうなこともございますので、一応船長側の申し出を認めたわけでございます。
 以上がこの衝突事件の概要でございます。

発言情報

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発言者: 岡田京四郎

speaker_id: 34908

日付: 1965-08-12

院: 衆議院

会議名: 法務委員会