谷村裕の発言 (大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○谷村説明員 拘束預金に関する公正取引委員会の検討並びに実態調査の実施の経緯について申し上げます。
 いわゆる不当な両建て・歩積み預金の問題は、金融機関がその取引上優越した地位を利用して貸し出し先企業に不当な拘束預金をさせているという形において、独占禁止法で規定しております不公正な取引方法の一類型に該当するものと考えられ、公正取引委員会としても昭和三十年代の初期ごろに具体的な違反の案件というようなものも取り上げまして調査し、また処理した事例もあったわけでございます。また大蔵省は、ただいまお話がありましたように、従来ともしばしば不当な歩積み・両建て預金の解消のための指導を行なってまいったわけでありますが、いま説明がありましたように、必ずしもそれは十分に実効をあげるわけにはいかなかったようでございました。
 そこで公正取引委員会といたしましても、従来のように当事者の申告を待って事案を処理するという消極的な態度をもってしては事態の改善に十分の効果をあげることができないという判断をいたしまして、積極的にこれと取り組むことといたしました。それは、ちょうど先ほど説明がありましたように、昭和三十八年の大蔵委員会でいろいろ問題が起こり、脚光を浴びたころからのことでございます。
 そこで第一段階といたしまして、全国銀行協会連合会あるいは相互銀行協会、信用金庫協会等を通じまして、その傘下にある主要金融機関に対し文書をもって、不当な両建て・歩積み預金の解消についての自粛を促し、事態が改善されない場合には必要な措置をとる旨警告を行なったわけであります。また全国労働金庫協会、全国信用組合中央協会、商工組合中央金庫、農林中央金庫に対しても右警告の趣旨を通知するとともに、関係官庁、各都道府県知事及び日本銀行にも連絡をいたしまして、その協力を求めたということでございます。
 その後、公正取引委員会といたしましてはしばらく事態の推移を見守っておったわけでございますが、大蔵省のほうでも監督を一段と強化し、金融機関も自粛の措置を実施する方向をとったわけでございますが、なかなか十分な効果が必ずしも期待したとおりには出てこないということで、昭和三十九年の秋ごろからいわゆる特殊指定問題というのが検討されたわけでございます。これは、公正取引委員会のほうとしていわば金融業における不公正な取引方法としてはこういうのが該当するという形でもって、一つの特殊の指定を法に基ついてしよう、そういう考え方も出てきたわけでございます。と同時に、不当な両建て・歩積み預金についての実情把握ということ、金融機関の自粛状況をできれば広範に知るために、いわゆる中小企業者のうちからある程度抽出いたしました調査対象に、アンケート調査という形でもっていろいろと実情を調べるというのを、昭和三十九年三月末現在で第一回の実施をやったわけでございます。
 その後、先ほど話が出ましたように、衆議院の大蔵委員会で決議が行なわれまして、その際に、公取のほうも不公正な取引方法と認められるいわば具体的な基準について検討を進める、そしてまた金融機関の自粛状況も常時監視すべきである、かようなご決議をいただいたわけでございます。それを受けまして公取の内部におきましては、特殊指定の問題について検討を継続するといたしますとともに、アンケート調査について年二回やっていこうということにいたしまして、そのときから始めまして計十二回のアンケート調査をやっているわけでございます。
 アンケート調査につきましては、お手元にたしか参考資料として差し上げてあるかと思うのでございますが、回収率というのはこれはなかなか思うようにいかないのでございますが、それでも対象になる中小企業者の数もかなりふやしております。そして集まってきました数字で大体見ておりますと、これは狭義の拘束預金で見ますと、いわゆる拘束預金額の総借り入れ額に対する割合は、第一回に調査しましたときには二九・三%という高い数字であったのでございまが、それからだんだんに漸減する傾向をたどってまいりまして、去年の十一月三十日現在でいたしました十二回の調査では、狭義の拘束預金率が八・四%という率になっております。しかし中小企業者のほうの調査で見ますと、この狭義の拘束預金だけというのではいけないのでありまして、もっと広く、広義の拘束預金と申しますか、それで見てみる必要があるわけでございます。それで見ますと、昭和四十年三月末現在で見ましたときが大体三二・八%という数字になっていますが、ある程度減ってまいっておりますけれども、去年の十一月調査では二〇・二%という数字になっておりました。自粛と申しますか、その傾向が、先ほど説明のありましたように、進んでおることは認められるのでございますが、なおそれでいいかということになれば、それはもう少しやってもらわなければならないというふうに思われるわけでございます。
 さような次第でございまして、現在もいろいろの意味で、特に金融問題が中小企業者との関係において、また中小企業者と限らず、一般にその金融の対象になっておる事業者との間において問題がある時期でございますし、公正取引委員会といたしましては今後ともかような調査を継続してやってまいりますとともに、拘束預金の自粛のあり方を私どもの立場から警戒しながら見守っていくようにいたしたい。かような状況でございます。
    —————————————

発言情報

speech_id: 106304640X00219700611_004

発言者: 谷村裕

speaker_id: 12239

日付: 1970-06-11

院: 衆議院

会議名: 大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会