米里恕の発言 (大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会)
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○米里政府委員 先生御指摘がございましたように、できましたら五十四年度下期、来年の三月期からにでも現在の評価制度を選択制にしたいという考えを持っておりまして、現在各関連の金融機関に大蔵省の考え方を説明し、おおむね御了承を得られましたら近々そういう統一経理基準の一部改正という形で通達を出したいというふうに考えております。
この間の私どもの考え方をちょっとこの際申し述べさしていただきますと、御承知のように、国債の市況の変化によりまして非常に大きな評価損が金融機関の決算上も生じております。概数でございますが、九月決算で都市銀行全体で評価損が約二千億円、それから地方銀行全体で約一千億円というような評価損が生じておるわけでございます。金融機関はこの評価損に対してどういう対処をしておるかと申しますと、有価証券売却益をほぼ同額出しましてその評価損を消しておるというような形をとっております。この有価証券売却益というものは、御承知のようにいままで手持ちにしておりました有価証券の含み益を売却することによって顕在化する、表に出すということでそれを相殺しておるという形になっておりまして、実はこれは元来金融機関の資産に属するべきものがだんだん外へ流出してまいっておるという形になっておるわけでございます。どちらが健全経営かということはいろいろ議論があろうかと思いますが、こういう状態が中期に続きますということは、私どもは今後の健全経営ということから考えて非常に問題があるんではないかというように考えております。
そこで、国債の評価の問題をいろいろ調べてみますと、私が一番理論的だと思ったのはアメリカの制度なんですが、アメリカの制度の場合には、商品有価証券については低価法、投資有価証券については原価法、こういうやり方をとっておるわけでございます。御承知のように、商品有価証券であれば常に転々売買される、そこで時価を十分考えなければいけない。ところが、投資有価証券、長期に保有するものについては、最後に、償還時に全部額面で戻るわけだから、そこはひとつ原価法が正しい、こういう振り分けをしておりますので、実はこういう方法によれるかよれないかということを大分検討してみたわけでございます。ところが、どうしても商品か投資かというところが判然とできませんので、その金融機関のビヘービアによっていろいろ違うというような点もございますので、ややそれにならう形での、金融機関が一体その保有している国債などの有価証券をどういうビヘービアで売り買いするあるいは保有するかということにふさわしい制度として選択制という考え方を採用したわけでございます。もし、長期に保有するものでございましたら、毎期毎期評価損を立てておりましても、償還時にどっと一時に益が出てまいります。企業会計原則上の期間損益の点からも、こういう場合にはいかがであろうかと思われる点もございます。まだいろいろ理由がございますが、とりあえずそれだけ申し上げさせていただきます。