堀昌雄の発言 (大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○堀小委員 本日は、佐々木参考人には御多用の中を御出席をいただきましてありがとうございました。
昨年の十二月二十六日、大変押し詰まりました年末に当小委員会にお越しをいただきまして、金融制度調査会の基本問題その他について少しお尋ねを申し上げました。その後、金融制度調査会は引き続き中小金融機関その他の問題の御検討を進めておられると思うのでございますけれども、恐らく年内には答申がなされて、銀行法を初め関係金融機関の法律改正が次の通常国会に提案される段階にいま参っておると考えております。
それで、この前もここで触れさせていただいたのでありますけれども、今度の金融制度調査会の答申の中で、銀行の健全性を進めるために必要な幾つかの項目がございますし、あるいは週休二日制に関する問題等も含まれております答申について、現在の国際的な諸情勢から見ても、さらには銀行の健全性を確保する意味から見ても、一点を除いておおむね適当な御答申がなされておると考えておるのでありますが、前回も触れましたただ一点だけ、銀行の健全性という問題さらにはこれまでの銀行というものに対する政府の対応の仕方と申しますか、そういうものとの関連においていささか疑問に思う問題が依然としてございます。実はこの問題は、十分検討がなされずに安易に法律案となりますことは将来にいろいろな問題を残すおそれがある、こう考えておりまして、きょうは特に金融制度調査会長でございます佐々木参考人にお越しをいただいたわけでございます。
そこで、まず最初にお伺いをしたいのは、いまから十年余り前に、現在の澄田日銀副総裁が当時銀行局長でおられましたときに金融制度調査会が持たれて、その結果、合併転換法その他の法律が提案をされ、それまでと異なって金融の効率化と申しますか、競争原理の導入というような問題が取り上げられた時期がございました。
それで、そのときも実は都市銀行の側からいわゆる銀行デパート化論と申しますか、銀行は何でもやっていいのではないか、もっとかきねを低くしてそういうふうな自由な活動ができるようにしてほしいという御要望を私もたびたび受けたわけでございます。その当時御要望をいただいた方の中で現職では松沢山富士銀行頭取だけが当時からずっと一貫して銀行業務を進めておられみわけで、本日またお越しをいただくわけでありますが、そのときにも私申し上げましたのは、現在の日本の銀行の制度というのは、分離主義、専業主義と申しますか、御承知のように、銀行だけでなく長期信用銀行、信託銀行と、銀行のジャンルだけで見ましてもこのようなおのおの特性を持った銀行がございますし、それはいずれもそういう分離主義、専業主義という考え方で当時も一貫してきておったわけでありまして、そのかきねを下げるという話について、当時、私はこの分離主義、専業主義というものがそれなりの沿革とそれなりの実績を持っておるのであって、そういうものはもう必要がないというような段階になればともかく、現状においてこれを改める必要はない、こういう考え方でこの法律案その他に対処をさせていただいたという経緯があるわけでございます。
それから十年余りたちまして、それでは今日、この分離主義、専業主義というものは日本の経済にもう合わなくなった、これは見直さなければならないというようなことになっておるかというと、多少そこに弾力的な必要があるかもわかりませんが、基本としてこの分離主義、専業主義というものは今日も依然として必要な段階にあるのではないか、こう私は考えているわけでございます。この答申を拝見いたしますと、そこのところが非常にあいまいでございまして、何か分離主義をとっているようであるけれども、また大いに弾力化をして自由にやることが効率的だというような、率直に言いますと、真意は一体何だろうかという点については、実はどうも弾力化、自由化ということの方にウエートのかかった答申のような気がいたしてなりません。
そこで、金融制度調査会の報告その他そのものは私ども文書で拝見いたしておりますので、金融制度調査会の答申というものが会長のお立場から——公式には会長でございますからその方針に沿っておられるわけでございますが、先般私が小委員会でお尋ねをいたしましたときに私はこうお尋ねをしたのでありますけれども、いわゆる銀行のバンクディーリングの問題に触れて、
最終的には法律となれば国会の私どもの判断にゆだねられるわけでございますけれども、やはりこういういまの不安定な国債の状態を展望しながら考えると、このことは銀行の健全性の点についてはマイナスであると私は判断をいたしますが、これは参考人の立場は、会長の立場ではお答えいただきにくいわけでございますから、ひとつ学識経験者としてはどんなお感じかをお答えいただきたいと思います。
○佐々木参考人 どうもここは会長と学識経験者とぶつかるところでございまして、金融制度調査会では、御承知のとおり答申の中で、窓口販売等につきましては積極的な意見の方が多数を占めております。もちろん、いまお話もございましたように、少数意見として反対もあるわけでございます。また、それぞれの関係業界でいろいろな意見が出ておることも承知いたしておりますので、私としては、この問題は慎重な取り扱いが必要だということを個人の立場としては申し上げたいと思います。
こう実はお答えになっておるわけでございます。
そこで、いまの銀行の業務のあり方、分離主義、専業主義か、あるいはそれ以外の方法でやるべきかという問題につきまして、やはりここはちょっと会長としてはいかがかと思いますので、学識経験者としての佐々参考人の御意見をひとつ承らせていただきたいと思います。