福田勝の発言 (逓信委員会公聴会)
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○福田公述人 福田でございます。
今回の郵便法の改正案の内容及び理由として三項目述べられているわけでありますが、私は、特に郵便料金の値上げと料金法定主義の緩和につきまして強く反対する立場で意見を申し上げたいと思う次第であります。
第一点は、この郵便料金の改定、いわゆる値上げ問題でありますが、その理由として三点ばかり挙げておきたいと思います。
一つは、家計並びに物価に占める割合がそれほど大したことはないというような理由が書かれているわけでありますが、これはもう郵便法第一条の精神からいっても、あるいはまた政府が直接管理するものの価格を上げるという波及効果はある意味では米と同様な立場を持つと思うのです。その心理的な波及効果からいきましても、非常に大きなものがあるということであります。
第二点は、いわゆる政府の六・四%の公約の問題であります。ことしの四月から八月までの消費者物価の全国の平均は、私の試算するところ八・
○八%であります。政府は六・四%の公約を実現するということを労働団体四団体合わせまして何回となく申し入れしまして、いまも言っておるわけですが、これはどう見たって六・四%の達成は困難であると言わざるを得ない。一体この政治責任をどうされるのか。このことは、私ども労働組合の立場では、ことしの春闘及びいろいろな面と非常に大きなかかわりを持つものであります。したがって、この値上げ問題は六・四%の公約が達成されてからにしてもらいたい。そのときにするかしないかの判断を下すべきであって、六・四%の公約が達成することはほとんど不可能だと言われている現在、政府みずからが自分の管理する料金を上げるということはきわめて不当であるということを言わざるを得ません。
三番目には、物価対策特別委員会との連合審査をぜひ実現をしていただきたいと思うわけであります。衆参両院とも物特という特別委員会があって、物価問題を取り扱っておられるわけであります。したがって、この特別委員会との連合審査を十分やっていただいて、物価問題についてひとつ徹底した御議論をいただきたい、これは国民の最大の課題でありますから。
第二点として、いわゆる法定主義緩和の問題でありますが、これについても三点ばかり申し上げておきたいと思います。
一つは、財政法三条の立場からいいましても、財政法三条を読んでみましても、いわゆる租税と同様に公共料金というものを扱っている。国鉄、たばこ、郵便、電話というふうに規定をしておりましたが、このうちすでに国鉄とたばこは事実上外されてまいりました。残っているのは郵便と電話でありますが、私はそれぞれの公聴会にお呼びいただいて公述をしたのですが、まだ国鉄、たばこというのは、国鉄に乗らない人もおったり、たばこを吸わない人もおるのですが、私は最近たばこをやめましたが、郵便と電話に関しては国民だれしもを拘束する。この問題は一種の租税と同様だと思うのですね。そういう意味では、憲法八十四条の租税法律主義に基づいても、これを法律から外すということはどうしても納得できないわけであります。この問題でいま検討中でありますが、もしこのような決定をされるならば、私どもとしては訴訟を起こすことについてもいま法律家に検討を進めさせているわけで、どうしてもこの問題は納得できません。
そしてまた、次に、郵便問題というのは単なる財政問題でなくして、住宅なり交通等を含めましたいわゆる国民の福祉政策の分野からもう少し検討いただけないか。国民を最低保障する立場で、単なる独立採算がどうだとか経営がどうだとかという問題ではないのじゃないのかというふうに考えるわけであります。
それから、これにかわるいわゆる郵政審議会でありますけれども、現在のこの郵政審議会は国会の議にかわるものとしては考えられないわけであります。定員四十五名中現在員三十八名というのですが、四十五名必要ならば四十五名にすべきでありますし、またあの構成を見ましても、真に国民の、勤労大衆の代表と言われる方が一体あの中に何人おられるのか。この構成をもってしては郵政審議会を国会の議にかわるものとして認めるわけにいきません。私は政府の審議会を三つほどやっておりますが、そのうちのたとえば社会保険審議会等は三者構成でありまして、労使と公益代表によりきちっとここで健保等の料金を決めていくわけです。これはそれにかわるものであるならば、郵政審議会の改組はやってもらいたい。特に国鉄についても、まあ国鉄はあれですが、専売のときもたしか法定主義を外すかわりに専売のあの審議会等の内容は変えております。したがって、そういう議にかわるものは明確にしていただかないと、国民はこの郵政審議会をもって国会にかわるものとして認めるわけにはいかないと思うわけであります。
以上が主要な内容でありますが、あと少しばかり付言をいたしておきたいと思います。
一つは、以上申し上げたような考え方からいたしましても、この郵便料金の法律が通らないと郵政関係の職員の仲裁裁定を実施しないなどというのはいささかこれは的外れ、不当ではないのか、これは別問題ではないかということが一つであります。
二つ目には原価の公開についてでありますが、国会の質問に応じて原価は公開されておるようでありますが、国の独占事業である以上、常に定期的に国民の前に原価の公開はしていただきたい。これは郵政事業の任務であろうと思います。
次に、この一種、二種が通ると、あと第三種というものの値上げが予定されておるようであります。聞くところによれば、第三種の値上げの幅は相当大きいわけであります。これは団体財政にかかわるものでありまして、いわゆる消費者団体等、労働組合を含みまして、いろいろな団体に非常に大きな財政的な影響を与えます。その意味におきまして、第三種問題についても慎重な御検討をひとついただきたいと思うわけであります。
次に、若干の点でございますけれども、たとえば最近手紙を出さなくなった、われわれ自身も手紙を余り書かなくなったことは事実でありますが、手紙というのは記録になるわけだし非常に国民の教養を高めるわけでありますが、郵政省が手紙問題等について手紙教室を開くとかなんとかしながらもう少し促進をされたらどうなのか。あるいはまた、郵便局の庁舎というのは最も便利なところにあるわけでございますから、これを利用いたしまして、郵便庁舎の多角的な利用などして、もう少し郵便局というものと国民との関係を密着にされたらどうなのか。国有財産法等の改正が必要かもしれませんけれども、いろいろ少しそういう意味の経営努力なり接触をされたらどうなのかというようなことを日ごろ考えておりますので、以上のことを申し上げまして、私の意見にかえたいと思う次第であります。どうもありがとうございました。