土田正顕の発言 (大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会)
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○土田政府委員 前段のお尋ねでございますが、個別金融機関の経営方針について、私どもの立場からこういうような場でとかく申し上げるということは、それは差し控えたいわけでございます。したがいまして、一般論として申し上げることをお許しいただきたいと思います。
委員の御発言の中で、割り切れないということをおっしゃいましたかと思います。その割り切れないというのは、どちらの方向に割り切れないというお気持ちであったのか、ちょっとはかりかねるところでございますけれども、個別の銀行側としましては、もちろん債権の保全に努め、それから損失を極力少なくしたい、そういう動機はございます。しかし、そのほかに、これは問題の個別のケースによるところでもございますけれども、そのような強硬手段をとる結果、例えば融資先の企業が倒産をするといたします。その倒産によるところの周辺の関係会社、取引先、それから周辺の地域、それに与える影響がどのくらい大きいかというようなことも、やはり通例は金融機関は考えるもののようでございます。
それで、これはなかなか理論づけた説明を、私、不勉強で耳にしたことはございませんが、金融機関につきましても、例えばアメリカではツー・ビッグ・ツー・フェールという議論がある。つまり、余りにも大きな金融機関になりますと、それが倒れるということによるところの金融秩序なり社会経済への影響は極めて甚大であるので、なかなかそういうものを倒すということはできにくい、そういうような話が言われておりますが、金融機関以外の一般産業につきましても、多少そういう話は共通する面があるのではないかと思うわけでございます。
それからさらに、金融界の中だけの問題を考えましても、通例多額の借入金を抱えております企業に対して融資をしております金融機関というのは、何十という金融機関があり、その中には随分小さな業容の金融機関もあるわけでございます。そのようなものは、やはり倒産というようなことになりますとその融資が焦げつくことになり、その結果、中小零細の金融機関が大打撃をこうむるという可能性もあるわけでございます。
そのような点も考え、社会的反響も考えながら、それぞれの金融機関は、やはり不良貸出先を生じましたときは、いろいろ苦しみながら処理方針を決めておるということでございますので、商社と銀行との結びつきの話について問題提起がございましたけれども、現在その銀行がとっておりますような行動が一概に良識に反するとも言えない。過去にもそのような行動は幾多のケースでとられてきた、それが問題の拡大を防いできたという、そういうような安定効果はあった、そういう見方もまた一部にはされている方はあると思います。
その点も両様ございますので、割り切れないというのは、どちらの方に割り切れないというお考えかということをちょっと把握いたしかねたわけでありまして、的確なお答えになっておらないかもしれません。