安倍晋三の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 小西洋之議員にお答えをいたします。
 昭和四十七年見解に関するお尋ねがありました。
 政府が繰り返し御説明している昭和四十七年見解の基本的な論理を分かりやすく申し上げれば、憲法第九条の下でも、外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に対処する場合には、例外的に自衛のための武力の行使が許されるというものであります。
 平和安全法制においても、昭和四十七年の政府見解で示した憲法解釈の基本的論理は全く変わっていません。これは、砂川事件に関する最高裁判決の考え方とも軌を一にするものであります。憲法の解釈を最終的に確定する権能を有する唯一の機関は最高裁判所であり、平和安全法制はその考え方に沿った判決の範囲内のものであり、憲法に合致したものです。
 また、平和安全法制は、国権の最高機関である国会において、二百時間を超える充実した審議の結果、野党三党の賛成も得て成立したものであり、現行憲法の下、適切に決定されたものであります。
 もとより、平和安全法制は内閣として提出したものであり、その内容及び法の施行について、内閣の長たる内閣総理大臣として、そして自衛隊の最高指揮官としてあらゆる責任を負う覚悟であります。
 武力の行使の一体化とこれまでの自衛隊の実経験等についてお尋ねがありました。
 自衛隊は、二十年以上にわたり、数多くのPKOやイラク、インド洋等における自らの活動の実経験に基づき、また、共に活動する諸外国の軍の活動状況等を通じて様々な現場の実態を把握してきました。
 その結果、国外における他国軍隊への後方支援であっても、後方支援という行為の性質上、そもそも戦闘が行われているような場所で行うものではなく、危険を回避して、活動の安全を確保した上で実施するものであること、したがって、現に戦闘行為が行われている現場とは明確に離れた場所で実施されるものであること、また、現に戦闘行為が行われている現場とそれ以外の場所は客観的に区別することが可能であること等の現実を理解することができました。
 このような実態を踏まえて検討を行った結果、武力行使の一体化論そのものは前提としつつ、補給や輸送等の活動を行う場所が現に戦闘行為が行われている現場でない限り、それらの活動は他国の武力の行使と一体化するものではないと判断したものであり、違憲との御指摘は当たりません。
 また、ジュバを含め南スーダンにおいてPKO参加五原則は一貫して満たされており、戦闘行為が発生したとは考えていません。
 南スーダンPKOのみならず、平和安全法制の下での自衛隊の活動については、他国の武力の行使と一体化することを防ぐ仕組みが設けられています。その上で、政府としては、自衛隊の活動する地域の情勢を不断に注視し、適切に判断を行っていく考えです。
 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増している中、国民の生命と平和な暮らしを守るためには、あらゆる事態に対して切れ目のない対応ができる法制が必要であり、平和安全法制を廃止することは全く考えていません。
 核兵器の他国への提供についてお尋ねがありました。
 重要影響事態法のみならず、全ての平和安全法制の下で、自衛隊の弾薬たる核兵器を他国の軍隊に提供するなどということはおよそあり得ないことです。平和安全法制以前の問題として、我が国が核兵器を保有することはおよそあり得ません。
 法案審議の際にも、法律上、他国への核兵器の提供を禁止すると書かれていないとの指摘がありました。しかしながら、およそあり得ないことを法文上明記する必要はないと考えています。これは、平和安全法制の法案作成に当たっての法制上の考え方です。この点は、例えばPKO法や周辺事態法など、平和安全法制以前に制定された法律においても全く同様の考え方であります。
 稲田大臣についてお尋ねがありました。
 森友学園をめぐる稲田大臣自身に関わる答弁については、既に答弁を訂正し、謝罪したものと承知しています。その後の森友学園をめぐる質問に対しても、誠実に説明責任を果たしているものと考えています。
 また、日報の問題については、自らの責任の下、大臣直属の防衛監察本部に対して特別防衛監察の実施を指示し、徹底的な調査により、改めるべき点があれば大臣の責任において改善し、再発防止を図ると述べています。
 もとより、閣僚の任命責任は全て内閣総理大臣たる私にあります。その上で、稲田大臣には、引き続きしっかりとその職責を果たしてもらいたいと考えています。
 平和安全法制及び日米同盟についてお尋ねがありました。
 積極的平和主義は、地域及び国際社会の平和と安全に日本として更に貢献していこうというものであり、こうした考え方に基づいて日米同盟を強化することは、その抑止力を高め、我が国の国民の生命と平和な暮らしを守ることに資するものであり、積極的軍事主義であるとの指摘は全く当たりません。
 マティス国防長官は訪日時に、日本のコスト負担についてお手本と述べ、トランプ大統領は共同記者会見において、米軍を受け入れていただき日本国民に感謝すると述べるなど、米政府には、現在、在日米軍駐留経費は日米両政府の合意に基づき適切に分担されているとの認識が共有されていると考えています。
 日米の役割分担に関して、米艦船の防護は、BMD能力を有するイージス艦に限らず、防空能力を有する護衛艦等により行うことが可能であり、必ずしも指摘のように対応すべきとは考えておりません。
 米国より、米国のために憲法改正をして集団的自衛権を行使できるようにするよう求められたことはありません。平和安全法制の整備は、あくまでも我が国の国民の生命と平和な暮らしを守るために、我が国として主体的に行ったものであります。
 アジア太平洋地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中、日米同盟は、日米いずれかのみが利益を享受するような枠組みではなく、アジア太平洋の平和と繁栄の礎として不可欠な役割を果たしています。先般の日米首脳会談では、日米双方が日米同盟を一層強化するための強い決意を示しつつ、米国は地域におけるプレゼンスを強化し、日本は同盟におけるより大きな役割及び責任を果たすことで一致しました。今後も引き続き、ミサイル防衛分野を含め、日米同盟の抑止力及び対処力を一層強化していく考えであります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣稲田朋美君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 安倍晋三

speaker_id: 26067

日付: 2017-03-31

院: 参議院

会議名: 本会議