平木大作の発言 (本会議)

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○平木大作君 公明党の平木大作です。
 私は、会派を代表いたしまして、ただいま議題となりました日米、日豪、日英のACSA三協定案について質問いたします。
 まず初めに、本日で最終日を迎える核兵器禁止条約の第一回交渉会合についてお伺いいたします。
 今週二十七日から始まったこの会合は、事前の予想どおり、米、英、仏、ロ、中の核兵器国及び米国の同盟国などが参加を見送り、日本が参加するかどうかが大きな注目を集めていました。核兵器国が参加しない場での議論は実効性がなく、核兵器国と非核兵器国との間で分断の溝を深めるだけであるとしてきた従来の立場から、政府は先日、条約交渉に参加しない旨の表明を行ったところであります。
 交渉会合における日本の役割に期待をしていた方たちにとっては残念な決断となりましたが、改めて、核兵器国と非核兵器国との対話を促し核兵器のない世界に向けて現実的な議論をリードできるのは、唯一の戦争被爆国である日本をおいてほかにないと確信いたします。
 核兵器のない世界に向けた決意について、安倍内閣総理大臣にお伺いいたします。また、今回の交渉会合参加を見送った経緯と、今後、核兵器国が参加する枠組みの中で日本政府として核軍縮にどう取り組まれるのか、岸田外務大臣にお伺いいたします。
 さて、今回のACSA三協定の締結により、昨年施行された平和安全法制に基づく物品、役務の提供についても協定に定める決済手続の枠組みを適用することができるようになります。協定を通じて自衛隊と米国軍及び友好国との間の緊密な連携を促すことで、日米同盟を基軸とする日本の防衛体制の維持、安定に資するものであり、深刻さの度合いを増す日本を取り巻く安全保障環境に適時適切に対処するためにも極めて重要なものであります。
 特に、最近の北朝鮮による核実験の強行や相次ぐ弾道ミサイルの発射に見られる挑発行為を鑑みれば、一昨年、平和安全法制の議論をしていたとき以上に日本の安全保障環境が緊迫化していることは明らかです。当時、具体的に議論がなされた弾道ミサイルに搭載可能なレベルの核兵器の小型化、日本のみならず米国の主要都市も射程に収める長射程化、あるいは狙ったエリアに落とすことができる高精度化の技術開発がどの程度進展したと見られるのか。現下の状況認識と併せて、日本の平和と安定にとって、平和安全法制を制定した意義について、安倍総理より、改めて分かりやすく御説明いただきたいと思います。
 今回の三協定は、いずれも弾薬の提供を適用対象としています。この点に関して、参議院において平和安全法制を審議した際、「「弾薬の提供」は、緊急の必要性が極めて高い状況下にのみ想定されるものであり、拳銃、小銃、機関銃などの他国部隊の要員等の生命・身体を保護するために使用される弾薬の提供に限ること。」という五党合意がなされました。
 参議院の附帯決議にも反映されたこの五党合意は、その「趣旨を尊重し、適切に対処する」との閣議決定もなされたところでありますが、今回の三協定の運用においてどのようにして担保されることになるのでしょうか。安倍総理にお伺いいたします。
 あわせて、五党合意では、「核兵器、生物兵器、化学兵器といった大量破壊兵器や、クラスター弾、劣化ウラン弾の輸送は行わないこと。」とされました。従来よりACSAでは、武器については提供される物品の対象外であり、また、提供可能な弾薬の種類についても、特に日米ACSAにおいては手続取極等の中で明示的に限定されていると理解しております。五党合意の厳守について、稲田防衛大臣の明確な答弁を求めます。
 平成八年に最初のACSAを締結以後、平成十一年、十六年と改定を重ねながら、自衛隊と米国軍は幅広い活動における連携を深めてきました。ACSAを本格適用した初めての日米共同演習を実施してから二十年が経過しますが、当時の報道を振り返ると、大きく二つの視点から批判がなされています。
 一点目は、輸送や武器弾薬、燃料、食事などの補給に至るまで全て自前で用意する自己完結を基本とした自衛隊や他国の軍隊の運用において、必要な物資やサービスを互いに提供し合うACSAのような協定は本当に必要なのかというACSA不要論。もう一点は、自衛隊は米軍の兵たん部隊になる、あるいは日本がなし崩し的に米軍の作戦の中に組み込まれていくといった米軍との一体化論です。
 こうした懸念を踏まえて、過去二十年にわたる自衛隊と米軍等との共同訓練や、PKO、人道的な国際救援活動といった幅広い分野におけるACSA運用の成果について、政府としてどう評価するのか、稲田防衛大臣の答弁を求めます。
 アジア太平洋地域において、法の支配やシーレーンの安全確保に共同して取り組むなど、基本的な価値と戦略的な利益を共有する特別な関係にあるオーストラリアとも、今回、新しい協定として日豪ACSAを締結し直すこととなります。
 近年、日本とオーストラリアは、共同訓練の実施や、東南アジアや太平洋島嶼部の国々に対する海上保安能力の構築支援に共同して取り組むなど、安全保障、防衛協力を積極的に進めてきたところであり、本協定は米国も含めた一層の連携強化に資するものとして歓迎いたします。
 本年一月にこの協定が署名された際、安倍総理とターンブル首相との首脳会談において、これまで協議を続けてきた自衛隊と豪州軍が相互訪問した際の法的扱い等を定める協定交渉の年内妥結を目指すことで一致を見ました。このような協定は日本にとっても初めてとなりますが、これによって共同訓練や災害派遣がしやすくなり、両国で実施される共同演習を行うに当たって必要な手続を円滑に行うことが可能となります。
 今後、オーストラリアとの間でどのようにして安全保障、防衛分野の協力を一層進めていくのか、このような協定締結の見通しも含めて、岸田外務大臣よりお示しいただきたいと思います。
 今回、ヨーロッパ諸国では初めて英国ともACSA協定を結ぶこととなります。政府は、引き続きカナダ、フランスとも交渉を続けており、ニュージーランドとも検討に入る方向で一致したと報じられております。
 パワーバランスが変化し、不安定化する国際情勢の中で、米豪以外の国とも日常的に緊密な防衛協力関係を構築しておくことは、日本の安全保障にとって極めて重要であるとともに、自衛隊がPKOや人道的な国際救援活動等において国際社会に多大な貢献をしてきたことの証左であり、今後一層国際社会の平和と安定に寄与していくための要請であるとも言えます。
 ACSAは、締約国を増やすことに意義があるのではなく、あくまで物品、役務の相互提供のニーズに応じて交渉を進めていく方針であることは、これまでの衆議院における審議の中でも確認されたところです。そこで、今回初めて協定を結ぶことになる英国とは、具体的にどのような連携の中でACSAの必要性が認識されたものであるのか、岸田外務大臣にお尋ねいたします。
 以上、三協定案の主要な論点についてお伺いいたしました。
 我が国では、戦後長きにわたり、安全保障と自衛隊の運用というテーマは政局の対立軸となってきました。しかし、冷戦構造が崩れ不安定化する国際社会の中で、日本と世界の平和と安定に寄与しゆくためには、与野党の枠を超えた冷静な議論が欠かせません。公明党は、どこまでも現実を直視し、国民の命と平和な暮らしを断固として守り抜くとともに、平和国家日本にふさわしい国際貢献の在り方について、今後も議論をリードしていくことを申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 平木大作

speaker_id: 14468

日付: 2017-03-31

院: 参議院

会議名: 本会議