議院運営委員会

2023-02-24 衆議院 全279発言

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会議録情報#0
令和五年二月二十四日(金曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 山口 俊一君
   理事 盛山 正仁君 理事 丹羽 秀樹君
   理事 武藤 容治君 理事 伊東 良孝君
   理事 新谷 正義君 理事 笠  浩史君
   理事 吉川  元君 理事 中司  宏君
   理事 岡本 三成君
      石原 正敬君    佐々木 紀君
      塩崎 彰久君    穂坂  泰君
      本田 太郎君    三谷 英弘君
      櫻井  周君    階   猛君
      末松 義規君    金村 龍那君
      住吉 寛紀君    藤巻 健太君
      前原 誠司君    田村 貴昭君
    …………………………………
   議長           細田 博之君
   副議長          海江田万里君
   事務総長         岡田 憲治君
   参考人
   (日本銀行総裁候補者(共立女子大学ビジネス学部教授・学部長))      植田 和男君
   参考人
   (日本銀行副総裁候補者(日本銀行理事))     内田 眞一君
   参考人
   (日本銀行副総裁候補者(株式会社ニッセイ基礎研究所総合政策研究部エグゼクティブ・フェロー))   氷見野良三君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十四日
 辞任         補欠選任
  本田 太郎君     塩崎 彰久君
  梅谷  守君     階   猛君
  遠藤  敬君     住吉 寛紀君
  浅野  哲君     前原 誠司君
  塩川 鉄也君     田村 貴昭君
同日
 辞任         補欠選任
  塩崎 彰久君     本田 太郎君
  階   猛君     末松 義規君
  住吉 寛紀君     藤巻 健太君
  前原 誠司君     浅野  哲君
  田村 貴昭君     塩川 鉄也君
同日
 辞任         補欠選任
  末松 義規君     櫻井  周君
  藤巻 健太君     金村 龍那君
同日
 辞任         補欠選任
  櫻井  周君     梅谷  守君
  金村 龍那君     遠藤  敬君
同日
 理事遠藤敬君同日理事辞任につき、その補欠として中司宏君が委員長の指名で理事に選任された。
同日
 理事中司宏君同日理事辞任につき、その補欠として遠藤敬君が委員長の指名で理事に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 日本銀行総裁任命につき同意を求めるの件
 日本銀行副総裁任命につき同意を求めるの件
     ――――◇―――――
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山口俊一#1
○山口委員長 これより会議を開きます。
 日本銀行総裁任命につき同意を求めるの件についてでありますが、去る十四日の理事会において、木原内閣官房副長官から、内閣として、日本銀行総裁に共立女子大学ビジネス学部教授・学部長植田和男君を任命いたしたい旨の内示がありました。
 つきましては、理事会の申合せに基づき、日本銀行総裁の候補者から、所信を聴取することといたしたいと存じます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本日、参考人として日本銀行総裁候補者植田和男君の出席を求め、所信を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山口俊一#2
○山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
    ―――――――――――――
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山口俊一#3
○山口委員長 まず、議事の順序について申し上げます。
 最初に、植田参考人に所信をお述べいただき、その後、参考人の所信に対する質疑を行いますので、委員の質疑に対してお答えいただきたいと存じます。
 それでは、植田参考人、お願いいたします。
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植田和男#4
○植田参考人 植田でございます。
 本日は、所信を述べる機会を賜り、光栄に存じます。
 私は、内外の大学において、主にマクロ経済学、金融論、国際金融論の分野で、研究と学生への指導に当たってまいりました。この間、平成十年から十七年までは、審議委員として日本銀行の政策決定、業務運営に参画いたしました。委員退任後は、アカデミズムの世界に戻りましたが、日本銀行との関係では、金融研究所特別顧問などの立場でアドバイスを行ってまいりました。また、金融政策の理論や実践について、国際コンファランスなどの場で、内外の学者だけでなく、海外中央銀行、市場関係者等の実務家とも議論を行ってまいりました。
 まず、金融政策について私の考え方を述べたいと思います。
 金融政策は、景気と物価の現状そして先行きの見通しに基づいて運営する必要があります。
 現在、我が国は、コロナ禍から持ち直しているところですけれども、内外経済や金融市場をめぐる不確実性は極めて大きい状態です。消費者物価の上昇率は四%程度と、目標とする二%よりも高くなっております。しかし、その主因は、輸入物価上昇によるコストプッシュでありまして、需要の強さによるものではありません。こうしたコストプッシュ要因は今後減衰していくと見られることから、消費者物価の上昇率は、来年度、二三年度半ばにかけて、二%を下回る水準に低下していくと考えられます。
 金融政策の効果が発現するまでには、ある程度の時間がかかります。金融政策の理論では、需要要因による物価上昇には予防的に対応して需要を抑制する一方、コストプッシュによる一時的なインフレ率の上昇には直ちには反応せず、基調的な物価の動向に反応するというのが標準的な対応と考えます。そうでないと、金融引締めによって、需要を減退させ、景気悪化とその後の物価低迷をもたらすことになってしまいます。
 この点、我が国の基調的な物価上昇率は、需給ギャップの改善や中長期の予想インフレ率の上昇に伴って、緩やかに上昇していくというふうに考えられます。ただ、目標の二%を持続的、安定的に達成するまでにはなお時間を要するというふうに考えております。
 こうした経済、物価情勢の現状や先行きの見通しに鑑みれば、現在、日本銀行が行っている金融政策は適切であると考えております。金融緩和を継続し、経済をしっかりと支えることで、企業が賃上げをできるような経済環境を整える必要があります。
 もし私を日本銀行総裁としてお認めいただきましたならば、政府と密接に連携しながら、経済、物価情勢に応じて適切な政策を行い、経済界の取組や政府の諸施策とも相まって、構造的に賃金が上がる、そういう状況をつくり上げるとともに、一時的でなく、持続的、安定的な形で物価の安定を実現したいと考えております。
 次に、日本銀行の金融政策について、やや長いタイムスパンで少しお話ししてみたいと思います。
 私が審議委員に就任いたしました平成十年当時、日本経済は、バブル崩壊から金融危機を経て、デフレに突入したところでございました。一方で、政策金利は既に〇・五%を下回る水準まで低下しており、通常の金融政策の範囲では緩和の余地がほとんど残されておりませんでした。
 このため、日本銀行は、ゼロ金利政策、時間軸政策、量的緩和政策など、非伝統的と言われた金融政策を世界で初めて次々に導入いたしました。私は、これらの立案過程に、ほかの政策委員と相談しながら、主に理論面から参画いたしました。これらの政策の幾つか、例えば時間軸政策は、その後、欧米の中央銀行でもフォワードガイダンスとして採用されるなど、世界の金融政策の標準にもなっていきました。
 私が審議委員を退任した後も、日本銀行は、量的・質的金融緩和、マイナス金利政策、イールドカーブコントロールなどを採用し、世界でも、また歴史的にも大規模な金融緩和を実施してきました。これらは、実質金利の押し下げを通じて、企業収益や雇用の改善などに貢献し、デフレではない状況をつくり上げたと考えております。一方で、様々な副作用も生じていますが、先ほどお話しした経済、物価情勢を踏まえますと、二%の物価安定の目標の実現にとって必要かつ適切な手法であると思います。今後とも、情勢に応じて工夫を凝らしながら、金融緩和を継続することが適切であると考えます。
 これまで日本銀行が実施してきた金融緩和の成果をしっかりと継承し、新日銀法施行以来二十五年間、日本銀行にとっても、また私自身にとっても積年の課題であった物価安定の達成というミッションの総仕上げを行う五年間としたいというふうに考えております。
 以上、金融政策についてお話ししてきましたが、日本銀行のもう一つの重要な責務は、金融システムの安定でございます。
 我が国経済にとって、金融仲介機能が円滑に発揮されることは極めて重要です。人口減少など、我が国の金融機関、金融システムを取り巻く環境が厳しさを増す中、この面でも適切な施策を実施してまいります。また、銀行券の発行と流通、決済システムの運営、国庫金に関する業務など、いずれも国民経済に必要不可欠なものです。
 そうした社会インフラを安定的に運営していくために、日本銀行の約五千人の職員と力を合わせて、日々業務に当たってまいりたいと考えております。
 どうもありがとうございました。
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山口俊一#5
○山口委員長 ありがとうございました。
 これにて参考人からの所信の聴取は終了いたしました。
 議長、副議長は御退席いただいて結構でございます。
    ―――――――――――――
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山口俊一#6
○山口委員長 これより植田参考人の所信に対する質疑を行います。
 質疑は、まず、各会派を代表する委員が順次十分以内で質疑を行い、その後、各委員が自由に質疑を行うことといたします。
 盛山正仁君。
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盛山正仁#7
○盛山委員 おはようございます。自由民主党の盛山正仁です。
 早速ですが、植田参考人に質問をさせていただきます。
 先日来、日本銀行総裁の人選に関連して、大きくマスコミに取り上げられております。十日に植田参考人のお名前が報じられ、更に大きく取り上げられるようになりましたが、参考人は、こうした報道についてどのように感じられましたでしょうか。
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植田和男#8
○植田参考人 二月十日の夕刻でしたか、日本銀行総裁人事がメディアで報道されたときは、大変驚きました。
 その後、十四日に政府による同意人事案の提示を受け、身の引き締まる思いで過ごしてきております。
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盛山正仁#9
○盛山委員 十日に参考人のお名前が報じられた時点では、まだ政府から日本銀行総裁への就任の要請を受けておられなかったと政府から説明を受けております。
 植田参考人は、御自身のマスコミへの対応について、特に十日の時点でございますが、どのようにお考えでしょうか。
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植田和男#10
○植田参考人 お答えいたします。
 二月十日夜にメディアに対して応答いたしましたのは、報道が流れた後、メディアが自宅周辺に多数集まったため、やむを得ず応じたものでございます。その際、人事について何も申し上げられないというふうに明確にお答えし、また、金融政策について見解を問われたところでありましたので、学者としての一般的な見解を手短に披露したところでございます。
 なお、政府から就任要請を受けたのは、二月十三日の夜でございました。
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盛山正仁#11
○盛山委員 十日の植田参考人の記者との応対のメモを拝見する限り、今参考人がおっしゃったとおり、政府からは何も聞いていないとお答えになっておられますが、仮に日銀総裁になった場合に現在の金融政策をどうするのかと問われ、今お答えになったとおり、学識経験者としての御見解を披露されておられます。
 一般の方であれば何の問題にもならないやり取りですが、これだけ世間が注目している日銀総裁人事ですので、日銀総裁予定者の発言であるかのように報道されました。それ以前に別の方の発言でも大きく取り上げられていたのですから、総裁になられたらどのように報道されるか、お分かりになられたのではないかと思います。
 日本銀行総裁となられれば、日本の金融政策の中心となります。これからは、私人である植田参考人ではなく、重要な公人となります。今後、公人として一挙手一投足が注目を浴びることになるわけですが、日本銀行の組織を代表する総裁としての行動に対するお考え、御覚悟についてお伺いいたします。
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植田和男#12
○植田参考人 お答えいたします。
 私は、これまで、学者として、あるいは日本銀行審議委員として、歴代の日本銀行総裁、さらには海外の様々な中央銀行の総裁方とじかに接する機会を持ってまいりました。その際に、中央銀行総裁という職は重責であり、その言動や行動が世の中に大きな影響を及ぼすということを間近で感じる機会が多々ありました。
 今後、総裁への就任を御承諾いただいた場合には、私の発言や行動が市場、国民生活などに大きなインパクトを及ぼし得ることを十分認識し、職責を果たしていきたいと思っております。
 また、総裁という職は、日本銀行の役職員約五千人の長という立場でございます。所信でも申し上げましたとおり、日本銀行は、物価の安定だけでなく、金融システムの安定、決済システムの運営、銀行券の流通を始め、国民経済にとって必要不可欠な極めて重要な役割を担っております。副総裁とも力を合わせながら、日本銀行役職員がそれぞれの能力を発揮し、国民経済にしっかりと貢献できるよう、組織の先頭に立って仕事に当たってまいりたいと思っております。
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盛山正仁#13
○盛山委員 金融政策の番人という表現が適切かどうか分かりませんが、総裁になられれば、我が国の金融政策の最終の決定者となります。副総裁やほかの方々と協議をなされると思いますが、後ろを振り返っても誰もいないという責任を総裁は今後その双肩に背負われます。
 我が国の金融政策の責任者である日本銀行総裁となる御決意について御披露していただきたいと思います。
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植田和男#14
○植田参考人 お答えします。
 先ほど申し上げたところでございますけれども、日本銀行の約五千人の役職員をトップとして率いていくという覚悟で職に当たりたいと思いますが、組織のトップの心構えといたしましては、やはり、目標をはっきりさせること、目標に向かって自らが率先して努力するという姿を見せること、それから、組織の構成員それぞれが力を発揮できるよう仕組み、工夫をいろいろ講じていき、組織の目標の達成に資するということ、そこに全身全霊を傾けていくつもりでございます。
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盛山正仁#15
○盛山委員 日本銀行法第三条に日本銀行の自主性、独立性が規定され、同法第四条に政府との連携が規定されております。
 参考人は、日本銀行の独立性と、そして同時に政府との連携をどのように調和させていくおつもりでしょうか。岸田総理や鈴木金融担当大臣ほかとの対話、連携についてのお考えについてお伺いします。
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植田和男#16
○植田参考人 委員御指摘のとおり、中央銀行の独立性が必要であるという考え方は金融政策の歴史的な経験を踏まえて世界的に確立されており、この点は、日本銀行法にも明快に規定されております。これは、物価の安定を実現するためには、中立的かつ専門的な立場から経済、物価情勢の分析を行い、それに基づいて自主的な判断と責任で政策を運営していくことが適切であるためだと理解しております。
 同時に、マクロ経済政策の運営に当たっては、政府と中央銀行が十分な意思疎通を図ることも必要であります。この点も日本銀行法に規定されております。日本銀行総裁は、これまでも、定期的に総理と直接お会いする機会をいただいてきたほか、財務大臣とも様々な機会で意見交換をさせていただいてきたと理解しております。総裁への就任を御承認いただけた場合には、私も是非、そうした機会をいただき、しっかりと意思疎通を図ってまいりたいと考えております。
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盛山正仁#17
○盛山委員 私は、学生のときに、マーシャルがケンブリッジ大学で、イギリスを繁栄させようと考える諸君は経済学部に歓迎する、また、貧民窟を見て何とかしたいと考える諸君も経済学部に歓迎するという趣旨の発言をしたと伺い、経済学はすばらしいなと思いました。私は、法学部の三類というところにおりましたが、悪友に誘われまして、浜田宏一先生のゼミでマンデルの国際経済学を学びました。もっとも、私、不勉強でしたので、さっぱり理解することはできませんでした。
 参考人は経済学の第一人者であられますので、理論的な思考は誰にも引けを取らないことと存じます。一方、地方の現状あるいは中小企業の状況というものについて十分把握しておられますかということです。
 私と比較するのは大変失礼とは存じますが、私は、経済企画庁在籍時に、マクロのデータを踏まえて物価対策を担当したことがあります。また、その後の国土交通省ほかの勤務時においても、マクロの数字を基に政策の検討を行っておりました。その後、選挙に出て、それまでお話しすることがなかった地元の中小企業の方々と接するようになって初めて、マクロのデータとミクロの現場感覚の違いを肌で感じるようになりました。
 マクロのデータに基づいて我が国の金融・通貨政策や銀行その他の金融機関への対応を決められることになるのは当然と思いますけれども、同時に、地方や中小企業についても踏まえていただく必要があります。我が国は、大企業や大都市だけで成り立っているものではありません。中小企業や地方の発展がなければ、我が国の未来はないと考えます。
 参考人は、総裁に就任されましたら、中小企業や地方への視察を含め、どのようにしてマクロ以外のミクロ経済の現状を把握されるおつもりであるか、お伺いします。
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植田和男#18
○植田参考人 お答えいたします。
 日本銀行は、本店に加えまして、数多くの支店、事務所を全国に有しております。そこで個人企業から大企業に至るまで様々な企業へのミクロヒアリングを実施しております。そうして得られた情報は、随時報告されておりますし、支店長会議でも年四回詳しく報告されております。私自身も、審議委員を務めた七年間、自分の考えを整理する機会として、支店長会議における支店長方の話を聞くことを大変重視しておりました。
 また、いわゆる短観でございますが、一万社を対象としたアンケート調査でございます。これも大量の中小企業を含んで調査が行われ、各地の経済情勢、企業の状況についてきめ細かく把握するよう努めているものと理解しております。
 経済の現状を的確に評価するため、マクロの経済統計の詳細な分析だけでなく、中小企業や地方経済の視察を含め、ミクロ経済のきめ細かい把握に努めてまいりたいと考えております。
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盛山正仁#19
○盛山委員 支店長会議等がございますことは私も重々承知しておりますが、是非とも、今参考人からお話がありましたように、地方の実情、中小企業の実情というのを肌で感じるためにも足を運んでいただければありがたいなと思います。
 次に移ります。
 二〇〇八年九月のリーマン・ショック、二〇〇九年九月からの民主党政権、そして二〇一二年十二月の第二次安倍政権発足の後の二〇一三年三月から、現在の黒田総裁による金融政策がなされてまいりました。デフレからの脱却、行き過ぎた円高の是正、株価の回復等の困難な課題に、この十年間、よく対応してこられたと私は考えます。
 新型コロナ、昨年のロシアによるウクライナ侵攻、それに伴う原油や小麦等の資源の高騰など、現在、我が国は様々な課題に直面しております。今後、日本銀行は通貨、物価についてどのように対応していくべきとお考えであるか、お伺いします。
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植田和男#20
○植田参考人 お答えいたします。
 所信でも申し上げましたとおり、金融政策は経済、物価の現状と先行きの見通しに基づいて運営する必要がございます。
 我が国経済はコロナ禍から持ち直してきておりますが、委員御指摘のとおり、海外の経済、物価情勢、ウクライナ情勢、感染症の今後等、我が国経済をめぐる不確実性は極めて大きい状況にございます。
 物価面では、消費者物価の前年比は、輸入物価の上昇を起点とする価格転嫁が進行していることから、四%程度となっております。もっとも、こうした輸入物価の前年比プラス幅は縮小しつつあるほか、政府の経済対策によるエネルギー価格の押し下げ効果もあって、最初に申し上げましたとおり、来年度半ばにかけて、二%を下回る水準までプラス幅が縮小していくと見ております。
 こうした情勢を踏まえますと、現在は、しっかりと経済を支え、企業が賃上げをできる環境を整えることが重要であるというふうに考えております。そのため、金融緩和を継続し、賃金の上昇を伴う形での物価安定目標の持続的、安定的な実現を目指していくことが適当と考えております。
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盛山正仁#21
○盛山委員 参考人は、これまでに、幅広い御関係を諸外国のキーパーソンの方々と有しておられると承知しております。主要国の中央銀行や市場関係者と今後どのように連携、対話をされるのか、お伺いします。
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植田和男#22
○植田参考人 例えばリーマン・ショックやコロナ感染症によるショックの際のように、各国の中央銀行が必要な情報交換を行いつつ協力して対応を行ったということが非常に重要であったと考えております。そういう意味で、海外中央銀行との連携の重要性は非常に高まっていると認識しております。
 また、金融政策は金融市場などを通じて経済全体に働きかけるものでありますから、市場とのコミュニケーションも大事でございます。
 私自身、日本銀行の審議委員を務めたとき、あるいは、その後の内外の大学での研究、教育を行っていたときを含めまして、様々な国際的な会議の場で、学者、実務家と議論を行ってまいりました。このような中で形作ってきました人脈、知見を生かして、海外中央銀行との連携、市場関係者とのコミュニケーションを適切に行っていきたいと考えております。
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盛山正仁#23
○盛山委員 経済学では、初期の頃から、人口についてもその検討対象になっていると承知しておりますが、昨年、二〇二二年に世界人口が八十億人に到達し、インドが十四億二千二百万で世界一になりました。中国は二〇二一年が十四億千二百六十万、ピークで、今後、中国の成長はブレーキがかかっていくというふうにも見られているところであります。
 日本は、二〇〇八年に人口のピークを迎え、減少局面に入っており、二〇二〇年には、メキシコに抜かれて世界十一位となり、今後の急速な少子高齢化と地方の過疎化の進行が見込まれています。二〇〇八年から二〇二〇年までには約二百万人の人口が減少しましたが、二〇二〇から二〇四五年までには、その十倍の約二千万人の人口が減少します。また、秋田県では、二〇二〇年の人口九十六万人、高齢化率三七%が、二〇四五年には人口六十万、高齢化率五〇%を予測されており、人口規模の小さな地方部の状況が短期間のうちに大きく変わってまいります。
 戦後の経済成長、人口増加が続いたこれまでと状況が異なってきております。このような人口の変化を踏まえた、これからの日本の金融、通貨の方向性についてお伺いします。
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植田和男#24
○植田参考人 お答えいたします。
 我が国は、かなり長い期間、人口減少の局面に入っております。それでも、二〇一〇年代においては、金融緩和、政府の取組もあって、雇用環境は改善し、女性、高齢者を中心に労働の参加率は高まっております。このため、人口減少の下でも労働供給が増加し、経済成長を支えたという面がございます。
 しかし、先行きを展望しますと、女性や高齢者の労働参加率は既にかなりの高水準となっております。労働供給の増加ペースは鈍化していくと見ざるを得ません。このため、今後も成長を続けるためには、生産性を持続的に高めていくことがより重要になってくると思います。こうした観点からは、企業による人的資本に対する投資や生産性を高める投資に期待するところでございます。
 金融政策面では、緩和的な金融環境を維持することにより良好なマクロ経済環境を実現することで、こうした企業の前向きな投資を後押ししていくことが重要であるというふうに考えております。
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盛山正仁#25
○盛山委員 今後の支店長会議その他の御報告をよく踏まえていただいて、特に人口減少が大きいような、特に経済がこれからシュリンクしていくような地域において、地銀さんでございますとかその地域の経済活動といったものに対しての目配り、そういったものを是非お願いしたいと思います。
 次に、広報について伺います。
 国内だけではなく海外からも注目を受ける日本銀行の金融政策でございます。金融政策の狙いあるいはその背景などについて、広く国民の皆様に理解していただけるような広報が望まれていると思います。
 内外の金融関係者だけではなく、広く一般の国民に対してどのように広報をなされるおつもりか、お伺いします。
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植田和男#26
○植田参考人 お答えいたします。
 政策の効果を円滑に発揮していくという観点からは、経済に関する見方あるいは政策運営の考え方について、言うまでもなく、分かりやすく情報発信を行っていくことが重要でございます。
 総裁への就任を御承認いただいた場合、私自身も、政策決定会合後の記者会見あるいは各種の講演などを通じて情報発信をしていくことになるかと思います。その際には、金融関係者だけでなく、広く国民の皆様にも分かりやすい説明を心がけていきたいと思っております。
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盛山正仁#27
○盛山委員 是非、その判断の背景、どうしてこうなるのか、そういうようなところも含めて御説明をいただけると分かりやすくなるのではないかと思いますので、よろしくお願いします。
 最後に、気候変動についてお伺いをします。
 グローバルウォーミング、気候変動対策は待ったなしの課題でございます。そして、一つの国だけで収まるものではなく、グローバルということで、世界中が一緒になって取り組まなければならないという大きな課題です。
 この気候変動に対しましては、各金融機関もこれまでだんだんだんだんと関心を、対応を、取組を深めてきていただいているところでございますけれども、この気候変動に対する中央銀行としての取組についてお伺いいたします。
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植田和男#28
○植田参考人 お答えいたします。
 委員おっしゃいますように、気候変動問題は、将来にわたって社会経済に広範な影響を及ぼし得るグローバルな課題となってございます。
 日本銀行は、物価の安定と金融システムの安定を維持するという使命に沿って、気候変動に関する取組を進めているものと理解しております。具体的には、金融政策、金融システム、調査研究、国際金融等の幅広い分野から成る包括的な取組を決定し、その下での各分野の対応を進めていると理解しております。例えば、金融政策面では、気候変動対応オペを導入いたしまして、民間金融機関による気候変動対応に資する投融資をバックファイナンスしたりしております。
 もとより、気候変動が経済にもたらす影響は、不確実性が極めて高く、時間の経過に伴って大きく変化する可能性がございます。このため、各種の施策についても、国際的な議論に参画しつつ、不断に検討を重ね、対応していくことが重要と考えてございます。
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盛山正仁#29
○盛山委員 待ったなしの課題となっております気候変動対策についても、これから十分お取り組みいただきたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
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