松本七郎の発言 (鉱工業委員会)
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○松本(七)委員 私より日本社會黨、民主黨、國民協同黨三派共同修正案の趣旨を御説明申し上げます。時間もございませんから、中で省略させていただくこともあると思います。あらかじめ御了承願いたいと思います。
まず政府原案第五條では、炭鑛の事業主が所轄石炭局長に届け出るところの事業計畫を、石炭局長が地方炭鑛管理委員會に諮つて變更を命ずることができるということに相なつておりますが、これでは石炭局長の一方的な權限が濫用されるおそれがありまするので、この石炭局長の變更命令に對して、事業主に不服の申出のできる途を開くとともに、その不服の申立により、商工大臣が全國炭鑛管理委員會に諮つた上で、石炭局長の變更命令を取消し、または變更することができるように、新たに、第三項として、「事業主は、前項の命令が著しく不當であると認めるときには、商工大臣に對して不服の申立をすることができる。なお第四項として、「商工大臣は、全國炭鑛管理委員會に諮つて、前項の申立を理由があると認めるときには、當該石炭局長に對して、當該命令を取り消し、又は變更すべきことを命じなければならない。」という二項を追加いたしました。
次に原案第八條ないし第十條の、官吏その他の政府職員の臨檢檢査に關する各條項について、「臨檢檢査」または「檢査」を「監査」と改めるとともに、監査する主體を、當該官吏に限定し、その對象を明確にするため、原案第八條第一項を「石炭廳長官又は石炭局長は、炭鑛の事業主の業務の状況に關し必要な報告をさせ、又は當該の官吏をして生産擴充用の資金及び資材の使途、生産の状況竝びに擴充工事の達成状況に關して監査させることができる。と改め、第二項中「當該官吏その他の政府職員に臨檢檢査させる場合には」とあるを、「當該の官吏に監査させる場合には」と改め、第九條は全文これを削除し、條文整理により以下各條を順次繰り上げることとし、原案第十條中「檢査」とあるを「監査」と改めたのであります。
次に原案第十一條において、炭鑛の廢止又は休止が商工大臣の許可事項として委されているのでありますが、これをより民主的にするとともに、愼重を期する意味から、全國炭鑛管理委員會に諮つた上で許可するように、同條第二項として、新たに「商工大臣は、前項の許可をしようとするときには、全國炭鑛管理委員會に諮らなければならない。」という一項を追加し、本條修正を同じ趣旨から、原案第十二條に第二項として、新たに「商工大臣は、前項の認可をしようとするときには、全國炭鑛管理委員會に諮らなければならない。」という一項を新設いたしました。
次に、原案第十四條におきまして、指定炭鑛指定の基準を明確にうたうために、第二項として新たに「前項の規定による指定の基準は、能率、生産費、品位、出炭量等に基いて、これを毎六箇月に定めるものとする。」という一項を追加し、從つて原案第二項を第三項とし、「前項」とあるを「第一項」と改めたのであります。
次に、原案第十五條におきまして、指定炭鑛指定の取消し事由を廣義に解釋する方が妥當であるとの趣旨から、第一項中「災害その他の事由により」を削除し、第二項中「前條第二項」とあるを、條文整理の上から「前條第三項」と改めたのであります。なお、原案第十六條第一項中「第十八條」とあるを、條文整理の上から「第十七條」と改めたのであります。
次に、原案第十七條におきまして、事業主に重點を置き、業務計畫の案の作成上基準となるべき事項を指示する對象を事業主に限定するため、「及び炭鑛管理者」を削除いたしました。またこれと關連いたしまして、事業主の業務計畫の案の作成上の地位を明確にする意味におきまして、原案第十八條第一項を「前條の規定による指示があつたときには、その指示を從い命令の定めるところにより、指定炭鑛の事業主は、炭鑛管理者をして、業務計畫の案を作成せしめ、所轄石炭局長に提出しなければならない。」と改め、第二項中「原案」とあるを「案」改め、第三項、第四項及び第五項を削除し、原案第六項中「當該業務計畫の案を提出するとともに」とあるを「當該業務計畫の案を作成して提出するとともに」と改めたのであります。なお原案第十九條第一項におきましては、「前條第一項の規定による業務計畫の案の提出があつたときには、」とありますが、業務計畫の案の提出される場合、生産協議會の議を經る場合と經ない場合、すなわち前條第一項と第三項に規定する二つの場合がありますので「前條第一項」の次に「又は第三項」を加えました。なお本條第二項におきまして、原案では、「石炭局長の決定した業務計畫の指示があるまでは、事業主及び炭鑛管理者は、前期の業務計畫(前期の業務計畫がないときには、前項における業務の實施上の計畫)を基準として、指定炭鑛の業務を行わなければならない。」ということに相なつておりますが、これを事業主の提出した業務計畫の案によるようにするため、第二項を「前項の規定による指示があるまでは、事業主は、前條第一項又は第三項の規定により所轄石炭局長に提出した業務計畫の案により、指定炭鑛の業務を行わなければならない。」と改めた次第であります。なお原案第二十條第二項中「第十八條」とあるを、條文整理上「第十七條」と改めました。
次に、原案第二十一條第一項におきまして、原案第十七條以下に對する修正と同様の趣旨によりまして、石炭局長が業務計畫實施上必要と認めるときの監督上の命令又は指示を受ける客體を指定炭鑛の事業主とするため、原案の「炭鑛管理者」を「指定炭鑛の事業主」と改め、原案第二十二條中「炭鑛管理者」とあるを「指定炭鑛の事業主」と改めた次第であります。
次に、原案第二十三條第二項におきまして、炭鑛管理者の選任は、商工大臣の承認を受けなければ、その效力を生じないということになつて居りますが、これを届出主義に改めるために、原案第二項を「事業主は、前項の規定による選任をしたときには、その旨を商工大臣に届け出なければならない。」と改めました。
次に、原案第二十四條第二項の、炭鑛管理者のする業務計畫の實施に對する經營者及び從業者の協力規定は、これは當然のことであり、項目としてうたう必要なしと認めて、削除いたしました。
次に原案第二十五條におきまして、その第一項は、原案第二十三條修正に伴い、當然これを削除いたしました。なお第二項及び第三項において、炭鑛管理者の解任が商工大臣によつてできるようになつておりますが、それは選任の場合と同じく、事業主が行うことといたした次第であります。
次に、原案第二十六條でありますが、これは炭鑛管理者の事故または缺員となつたときに、事業主またはこれを代表する者が、臨時に炭鑛管理者の職務を行うという規定でありますが、これは原案第二十三條、すなわち本修正案第二十二條第一項により遲滞なく選任をするということで十分でありますので、全文削除いたしました。
その他詳細にわたりまして、お手もとに配付されてあります書類によつてごらんいただけば、十分御了解できようかと思いますから、私の説明はこの程度に止めさしていただきたいと思います。