中平常太郎の発言 (厚生委員会)
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○中平常太郎君 今の御質問に対する御答弁はちよつとまだピントが外れておるように思われますが、私は他の観点からまあ討議する上におきましてての御参考まで申上げたり、又我々考える上においてそこは一つは考えて見たいと思う点を申上げて見たいと思います。
この度の民法の改正におきまして、第一條には「私権ハ総テ公共ノ福祉ノ爲メニ存ス」ということがございます。これはある人から言うたならば、大変問題にいたしておりまして、私権は公共の福祉のために存すということがいわゆる憲法違反であるというような論する者がございますが、これは実に最高の道徳を謳つたものでありまして、我々は全面的にこれに賛成する一人であります。私権というものは公共の福祉を沒却した私権はない。これは私は文化國民とし、又將來の理想を持つておる國民といたしましては、飽くまでもこの大方針に立つべきだと思うのであります。公共の福祉を阻害して私権が成立つということはあり得ない。併しながら憲法は一應個人のいわゆる私権は侵すべからざるものとなつております。而して私権が尊厳なことは申すまでもありませんが、やはり民法はそこにおいて公共の福祉のために存すということで、私権に対して一つの制約が行われておるような民法の改正案が出ております。これはまだ現在研究中でありまして、どういうふうになるか分りませんが、政政の狙つておるところは、最高の道徳を狙つておるのでございます。それを考えて見ますというと、やはり今厚生大臣の御説明になつたように、非常災害において非常の処置をとられる、それが私権によつてとることができないというような障害があつてはいけないということは御尤も千万でありまして、その点に対して疑義を持つておるという衆議院はどういうものであるかと私思うのでありますが、そういうことを考えて見ますと、これはまだ今日意見を申上げるのではありません。今そういうことを考えつつ我々はこの問題を愼重に討議しなければならんという意味を以て申上げただけでありますが、今米倉さんの御質問の点は、災害の起らざる前に予知し得ざる問題に対して強権を発動して保管せしめたり、或いは又收用せしめたりするような予備行動をするのではないかというようなふうの強い心配があるのではないかと思うのであります。その点は大臣は今御答弁になかつたのでありますが、予知し得ざる災害のために保管を特に命じたり、或いは又特に收用の命令を発したりするようなことはあり得ないように思つておりますが、予備的な行動をどれ程とられるかという御質問だつたと思うのであります。予備的な行動をどの程度おとりになるか、その点を御答弁願いましたならば、我々も安心する次第であります。