草葉隆圓の発言 (厚生委員会社会事業振興に関する小委員会)
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○草葉隆圓君 幸い今委員長から大變結構なお話を承りまして、誠に私ども從來その主張を強くいたしておりました者としては、一縷の光明を得たような氣がいたします。元々兒童福祉法の審議に貰りまして、兒童福祉法の中に戰後の日本の兒童の行き方を取扱う強い方針として進められておりまするけれども、それが年齢を十八歳に延ばし、而も從來の少年教護法による不良少年を取扱うだけで、司法省關係のいわゆる少年保護關係の兒童を從來通りに分割をしておる、これで一體日本の將來の兒童の取扱い方を、兒童福祉法という立場において律することが妥當であるか、という根本問題が議せられて參つたのであります。從つて我々關西方面を調査に參りました場合にも、その點に一つの主力を注ぎながら各地を視察しながら、現地の方々ともよく懇談をいたして參つたのでありまするが、實際取扱つておる現地の或いは司法省の關係の方々なり或いは少年教護關係の方々なりも、異口同音にこの際兒童福祉法という考え方が國家の行政の一つの中心になつて來る際に、從來二つに岐れておつた不良兒等の取扱いを、この際一つにしないと、もう當分の内は殆ど困難ではないか、思い切つた方法によつて從來の少年教護關係、司法保護關係をこの際打つて一丸として、日本の將來の兒童という高い高度の立場からやつて來るということが必要ではないかということは、現地の實際取扱つておる人達の異口同音の言葉であつたと聞き及んで參つたのであります。併しこれにはいろいろと從來の歴史があり、或いは行政の區劃があつて、なかなか司法省のものを厚生省に移すとか、或いは厚生省のものを司法省に移すというようなことは、簡單にはできがたい事情もあると存じまして、その後私どもといたしましては、でき得るなら諸々のそういう兒童關係のものを一本にした兒童院というものを設立して、その兒童院によつて日本の將來の兒童というものを最も幸福に、そして極く科學的に取扱うという方法を取つて行く以外には、將來の兒童の問題についての本當の眞劍な對策ということは考えられないのではないかというので、先般總理大臣の出席を求めました厚生委員會におきましても、兒童院の設置について強く要望いたしたような次第であります。幸いに司法省が何かの形において解體する機運になつておりまする際に、司法省において從來取扱われておつたいわゆる少年法關係の兒童保護と、厚生省で現在取扱われておりまする兒童保護とを一緒にいたして、そうしてここに兒童だけの一つの行政機關を作つて、それで專門に取扱われて行きまするなら、もう從來のいろいろな懸案が一遍に解決がついて、同時にこの委員會といたしましても、是非全力を盡してそういうふうに一つお仕向けを願うことを心より希望する次第であります。これはいろいろの困難もあるかも知れませんけれども、第一囘國會の名譽にかけても、一つ全員の力において兒童院が實現し、併せて日本の兒童が一つの手によつて一つの方向と方針とによつて強力に推進できるように進めて參ることが、私どもの將來に對する一つの強い任務ではないかということすら考える次第であります。この點につきましては、同僚の皆さん方の絶大なるお力を心より念ずる次第であります。