池田浩三の発言 (厚生委員会社会事業振興に関する小委員会)

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○説明員(池田浩三君) 司法省で只今所管しております少年保護の概況をお話申上げます。司法省ではこの仕事は少年法に基いて實施しております。その少年法によりますと、犯罪少年、これは刑事訴訟法の建前で全部檢事局に廻つて來ることになつております。その中保護處分を必要と認めたものを檢事局が少年審判所の方に送致するという手續を執ります。この事案が少年保護事件の大部分でございまして、その外に少年審判所は自らの認知或いは一般からの通告にありまして、保護を要する少年に對する事案を取扱います。この少年審判所の機構は、只今全國に少年審判所十八ヶ所設けております。そうしてこれによりまして保護處分が一號から九號までいろいろ種類がございますが、その中の一番重要と認められる事案を矯正院送致という保護處分にいたしますが、その矯正院送致の決まりました者を收容して保護教育をするという國立の機關に矯正院というものを設けております。これは矯正院法によつて設けられております。この國立の矯正院が只今十二ヶ所ございます。尚少年審判所は保護處分の一つの種類に六號處分と申しますが、監察保護處分というのがあります。この監察保護を實施いたしますために、審判所の正規の職員である少年保護司の外に、全國に民間の方をお願いいたしましております嘱託少年保護司というものを監察の手足として持つております。この嘱託少年保護司が現在全國に四千人配置してございます。この四千人では現在の所は不足という状態で、それにはもう少し多くなければ本當に仕事ができないという状態でございます。更に保護處分の五號處分と申しますが、司法保護團體の委託という保護處分がございます。この保護處分を受けた少年の委託を受けて保護教育をいたしますのが少年保護團體でございますが、これは民間の篤志家の經營によるものでありまして、司法保護事業法によつてそういう仕事をすることを認可すると同時に、司法省がこれを監督するという建前になつて參るのでございますが、この少年保護團體が約二百八團體ございます。これが現在の大體の少年保護機構でございます。
 次に少年保護の現況の大體を申上げますが、少年審判所の組織機能を申しますと、少年審判所は、司法大臣の監督の下における十八歳未滿の犯罪少年及び虞犯少年を審判して、それをそれぞれ適切な保護を加える官廳でございます。只今申しました十八の役所というのは、最近増設してそのようになりましたもので、昭和二十年までは七ケ所でございました。二十一、二十二兩年度では、十一ヶ所増設して十八ヶ所になつたのでございます。この少年審判所の職員には、少年審判官、少年保護司、外に少年審判所書記、こういう人員で事務を執つております。それぞれ審判、調査、観察その他の事務を分掌しております。この少年審判所の審判に現れました保護少年の大體の模樣動向を申上げますと、最近の犯罪情勢から見まして、少年審判所の事件受理數が相當大きくなつております。昭和二十一年度は五萬六百ばかりの件數になつております。これは太平洋戰爭前の昭和十五年に比べますと二・三倍、戰時中の昭和十九年に比べますと一・二倍ぐらいに當つておる數字であります。この受理した事件の處理状況を見ますと、昭和十一年度におきましては、審判處理濟三萬一千三百六件、この中いわゆる四號處分と申します條件付き保護者引渡しが三割八分の一萬一千八百餘件、これが一番多くなつております。その外に訓戒或いは學校長の訓戒に任せるとかいうような、一號乃至四號の一時處分に該當するものを加えますと、一時處分全部で全體の數の六割五分ぐらいを占めております。これを除いた外の部分がいわゆる繼續處分、繼續して保護する處分でございまして、いわゆる五號處分と申します團體委託が六千五百五十六件で、二割一分ぐらいを占めております。六號處分、これは保護司の観察保護でありますが、これが五千四百十一件で一割七分。次にいわゆる八號處分と申します矯正院送致、國立の少年院へ送致する者でございますが、これが千六百五十四件で、五分二厘を示めております。そうして審判事件に現れました、數字においては、最近男子でなく、少女の數が漸次増加して來ておりますことが注意を惹く點でございます。尚審判事件中、最近一般に少年犯罪が増加しておるに拘わらず、これに對して少年の保護處分の中、最も重要な八號の矯正院送致、或いは五號の團體委託及び六號の保護司観察の割合が比較的多くなつていないような状況になつておりますが、これは施設が罹災いたしましたり、或いは民間團體などは經營難を告げておりますから、保護司の観察能力というものも、人數の不足その他で、いろいろ困難になつておりまして、少年保護機構として必要を充たす程活發に動いていないという状況になつております。
 尚こういう審判所で保護處分を受けます少年の境過を観察して見ますと、少年審判所で保護處分を受けた少年を、職業別に調査をいたしますと、昭和二十一年度では職工が五千九百三十三で、割合で一番多い部分を占める。次に農業の四千四百六十三。次に學生の四千六十四がこれに續いております。この學生或いは農村出身の犯罪少年が著しく殖えて來たことは最近の特長でございます。
 審判所の方はこの程度に止めまして、矯正院の方、これは最近まで七ケ所でございましたけれども、昨年と本年とで五ケ所増設いたしまして十二ケ所になつております。ここには院長の外に司法教官、醫官、事務官、それに輔導というような者がおりまして、それぞれ事務を分掌いたしております。この矯正院は戰災を受けた箇所が大分ございまして、その本來の收容定員を一杯に運營して行くことができないというような状況になつております。それで最近これを逐次増設を圖ると共に、既設のものの擴充を圖つております。
 次に少年保護團體でございますが、これは經營難のために、漸次戰爭末期に比べますと、段々その數が少くなつて參つて、休止或いは廢止が非常に多くなつて來ているという状況でございます。これはこの團體に對する補助が十分でないということと、子供の委託に對して日々補給する補給費の額が十分でない、このために少年保護團體が經營難に陷つているということが大きく原因しておると存じます。尚その外にももう一つ團體の振わない大きな原因は、從前は本來寄附その他篤志家の後援の基礎に立つていた團體が、そのような後援寄附の途を殆んど斷たれてしまつて、そのために團體が經營が苦しくなつたというのが大きな原因をなしておると思います。これが少年保護機構及び概況の大體でございますが、これらの少年保護機構を司法省では只今官房の保護課で所管し、監督指導いたしております。昭和十八年までは司法省の保護局でやつておりましたのでございますが、戰時中の不合理な行政整理のために、便宜行刑局と一緒になりまして、刑政局というものの一部に入り、その後行刑とは戰後離れたのでございますが、只今官房の保護課という形でこの仕事の總元締をいたしております。現在課長の外に二級事務官五名、それから三級事務官、雇員まで加えまして、五十五六名の人員でこの仕事をやつております。この保護課では尚少年だけでなく、大人の方の司法保護の仕事も監督指導いたしておりますので、これだけの陣容では十分に指導監督の仕事ができていないというような現状でございます。大體御説明を終ります。

発言情報

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発言者: 池田浩三

speaker_id: 22994

日付: 1947-10-09

院: 参議院

会議名: 厚生委員会社会事業振興に関する小委員会