岩沢忠恭の発言 (国土計画委員会)
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○政府委員(岩沢忠恭君) 本日の課題になつておりまする砂防につきまして、一應從來からと又今後においてどういうようなことを計畫しておるかという大體のことを御説明申上げたいと思います。
砂防工事は御存じの通り大體明治三十一年度頃から府縣砂防を施行いたしまして、そうしてこの土砂の流出とか、或いは山腹砂防というようなことを施行いたしたのであります。ところが、從來は砂防はやはり内務省で、山林砂防も、或いは溪流砂防も全部内務省の所管であつたのでありますけれども、最近におきましては、山腹砂防はこれを農林省の所管に移しまして、内務省といたしましては溪流砂防に專念するというように相成つたのであります。そこで砂防が今日までどのくらい工費が使われておつたかということを一應御披露申上げます。直轄河川におきましては明治四十四年度から始めまして、四十四年から昭和二十一年度までの總額は、全國の直轄河川の流域に屬するものでありますが、これで僅かに二千八百八十五萬圓餘の金を支出しておるのであります。そうして二十二年度におきましては當初豫算といたしましては千七百八十九萬圓を計上して現在において工事をやつております。それから府縣の砂防は明治三十一年度から昭和二十一年度までに費した金は全國で二億四千百三十七萬圓餘を算しておるのであります。そうして今年二十二年度には當初豫算において一億三十五萬圓を計上して現在府縣において著々砂防をやつております。
併しながら從來の金額においては相當の效果を擧げておつたのでありますけれども、最近における戰爭中或いは戰爭前からずつと山地が荒廢して、そうしてこの土砂を溪流を傳つて河川に流す、そのためにこの河川部竝びにこの水源を非常に荒したために、砂防をやらなければならんということはますます痛切に感ぜられるのでありまして、これを根本的に直さなければ下流部の河川を改修したり或いは改良しても、何ら效果がない、どうしても山の方を先ず以て治めなければならんというような考えから、昨年から全國的に、戰爭或いは戰爭後において、荒れた地域を調査いたしまして、今後どのくらいの金が砂防工事に要るかということを一應檢討いたしたのでありますけれども、昨年から今年に掛けて相当物價の騰貴を來した關係上、改めて調査したのが今お手許に配付いたしました砂防の全體計畫の調書であります。
これは今年の十一月の調べでありまして、これを御覽になりますと表書にあります通り、大體直轄河川なり或いは府縣の砂防、或いは又府縣の施行の災害對策砂防工事費を總計いたしまして八百九十七億という巨額に達するのであります。これを今後どういうような年度でやるかということは、國家財政とも睨み合さなければなりませんけれども、我々事務當局といたしましては、先程申上げましたような原因から、できるだけ早く治山の方に重點を置いて、仕事をして行かなければ結局治山治水というものは、完璧を期さないというように考えておるのであります。
併しこの八百九十七億という巨額の金をどう處理するかということで、第一といたしましては、先程大臣からお話になりましたように、先ず五ケ年計畫というものを考えておるのであります。それで五ケ年計畫といたしましては、この八百九十七億の中で、緊急を要する個所を大體千百十ケ所ぐらいを選びまして、それに要する工事費を百五十億と算しておるのであります。これが府縣の砂防工事であります。それから直轄河川におきましては、直轄の砂防では大體三十ケ所で、これが五ケ年で二十億をやればいいじやないかというように考えております。大體この五ケ年計畫を基盤にいたしまして、來年度以降五ケ年でやつて行くので、來年の二十三年度の豫算も、この中において要求しておるような状態であります。
大體數字的の説明は以上申上げましたので、この表で御覽になります通りに、その個所或いは府縣において、どういう工法で、どういう金が入るかということは、一應御覽下されば大體分るだろうと思います。尚御質問がありますれば又お答え申上げます。