中平常太郎の発言 (在外同胞引揚問題に関する特別委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○中平常太郎君 よく分りました。大変嬉しいことであります。それならばその問題は我々の要求通り、希望通りになり得るように委員長のお話がございましたから、この問題は打切ることにいたします。
次に傷痍軍人などが入つておるところの國立病院、陸海軍に附属しておつたところの病院が國立病院になりまして、その後これが有料になつたがために、大変困難を感じておるところの者が万を以て数える程あるように聞いております。これは厚生省がその肚を以て、或る程度の考えを以て、生活保護法に準じて適当な処置を以て、できる限り希望に感じて、そうして無料で入院した者を治療せられるというような十分幅のあるお話があつたのでありますが、それが病院においては徹底を欠いて、或る所においては五割程度でやつておるところもありますし、或る所では四割、六割というふうになつておりまして、その取扱いにつきましては大体一致していない。病院の方針、院長の考えなどによつて左右されておるような状態でありまして、誠にお氣の毒な傷痍者、復員者のあることを考えて見ますと、これはどういうような程度におやりになるか。どの病院にも徹底を欠いておるように考えますが、その点はどういうお考えでおられますか、それをお伺いしたい。
それからもう一つは、終戰後傷痍を受けた者、即ち戰争が済んでつまり武器を棄てた後に起きたところのそういう者に対して、労働省の災害補償法というものの適用ができるかできないか。そういう方面にできうる筈、例えて見れば運輸中に汽車の從業員が怪我をするというような場合に、直ちにこれは労働保護法の災害救助法にかかるのでありますが、それと同じように、戰争が済んで後に偶発的に起きたところの傷害に対しましても同じ取扱いができる筈であると思うのでありますが、これがそういうふうになつていないように思われますが、終戰後における傷害には、軍人の戰闘上起きておるところの傷痍でないということのために取上げられない。これは災害の補償が適当にできる筈と思いますが、この点をお伺いしたいと存じます。
それから生活保護法でありますが、今日厚生省は諸種の救済問題は生活保護法一本で行くことになつておりますので、これは私共も諒といたしておるのであります。これは厚生大臣もおつしやつたのでありますが、今日三十六億の予算があるけれども、足りなかつたならば予備費を以て使つてよろしい、これに向つては積極的に支出する考である、こういうふうにおつしやつて私共は頗る心強い感じを持つておるのでありますが、事実といたしましてはそれがそう使えない。これは要するに私は市町村に一割の負担があつてこれが一つのブレーキになつておるということは、濫給を防ぐ意味において一應一割の負担をせしむることは道理があり、又了承ができるのでありますけれども、これによつて救わるべき者が救われずして燒跡に彷徨しておるということ、或いはそれがために、十分なる救助の途が全うしていないがために、國民の中に往々にして國政に怨みを持つ者ができて來る虞れがあると思うのであります。それで何か適当な方法を一つお考えになりまして、外地帰還者に対しましての救助の方法は、生活保護法以外の特別な何かの方法を以て十分なる援護の手を下して、國民戰争犠牲の公平なる負担に属すべき一助として頂きたいと思うのでありますが、他にいい方法がないか。それの一本槍で厚生省は行くつもりであるか。行くつもりであるならば、この生活保護法の金を出すことについてどれくらいの積極性を持つておるか。その点をお伺いしたいと思うのであります。
それから先般笹森國務大臣がおつしやつたのでありますが、未帰還者の家族がなかなか分りにくいということでありますが、これは分りにくいことはないと思つております。民生委員もありますし、その他いろいろありまして、相当救護網が完備いたしておりまして、未帰還者がどれ程あるということは直に分るのでありますから、これらの援護に対しましても特別なる方途を講じて恨みを千載に貽すことのないように……。未だに帰つて來ない家庭が、自分の家の者は帰つて來るのか來ないのかそれが分らない状態でおるのでありますが、その家族に対して何か慰問の方法を講じる、生活保護法の金以外に慰問の方法を講じるとか、こういうわけでこうなつておるから、それでソ聯の側においてはこういう状態であるからというような親切な手紙を政府が出して、十分これに慰安を與えて、その帰還を待ち、又希望を繋がしめるというような温い氣持が拂われねばならんと思いますが、これに対する援護措置はどういうふうになつておりますか。それをお伺いしたいと思います。