長野長廣の発言 (治安及び地方制度委員会)

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○政府委員(長野長廣君) 消防組織法案につきまして御説明を申上げます。
 第一に、警察制度の改革に伴いまして、消防制度も亦必然的に何らかの改正の要に迫られて参つた次第でありまして、当局といたしましては警察制度に関する聯合軍最高司令官の書簡の受領以來、関係方面と屡次の折衝を遂げました結果、漸く成案を得ましたので、ここに提案した次第であります。会期も余すところ誠に僅かとなつた今日、漸く提案の運びに至つたということは関係方面との聯絡等の関係があつたこととは申せ、誠に恐縮に存ずるところでございます。
 先ず名称を消防組織法といたしましたのは、消防の実体的規定、即ち水火災等の予防、警戒、防遏並びに水火災等の際の救護等のに関しまして、目下衆議院の消防小委員会において、消防法として立案中の趣でありますので、これと区分する意味におきまして、組織法と称することとしたのであります。從來の消防制度と本案との相違の主たる点を申し述べますと、
 (1)、第一に消防という概念は、從來警察の概念の中に包含しておりました。從つて消防制度は警察制度の一部門でありましたのを、今回消防の概念を警察より分離独立せしめ、從つて消防制度を警察制度より分離せんとするものであります。
 (2)、第二に、從來内務大臣の指揮監督の下に、警察権の範囲に属していた消防を徹底した民主化及び地方分権の趣旨に從い、全部市町村の責任に移したのであります。即ち消防は市町村長がこれを管理し、市町村には消防團の外に、その必要に應じて專任消防職員を置き、消防本部、消防署、更に消防の訓練機関を設けて、その責任を遂行して行くことといたしたのであります。これによつて從來警視廰初め十三府縣警察部に属していた、いわゆる官設消防は挙げて市町村に移管せられることとなり、ただ消防の訓練機関だけが都道府縣に残ることとなるのであります。
 (3)、第三に、消防に関する國の機関として、國家公安委員会の下に國家消防廰を設置いたしますが、これは市町村の消防に対する何らの指揮命令権を有するものでなく、市町村の消防の発達のために各種の試驗、研究、消防器具等の檢定、法規の研究等を行うもので、この点從來のごとく國、都道府縣知事、警察署という指揮監督の系統が完全に廃止され、國と都道府縣と市町村との間には、何らの指揮監督の系統はなくなるわけであります。ただ國家消防廰は市町村より都道府縣を通じて、消防統計及び情報を徹することができると共に、市町村より要求があれば消防に関し助言を與え、若しくは設備資材の斡旋をなすことができることとしたのであります。
 (4)、第四に、以上のごとく消防が個個の市町村の責任に属することとなつた関係上、地震台風その他の大きな水火災に際しての災害防祭措置に関しましては、國家消防廰、國家地方警察、都道府縣知事及び市町村長の相互間において、予め協定することができることとして、個々の市町村で解決し得ない場合の措置を規定したのであります。
 (5)、その他この制度改革に伴う経過措置に関しましては、大体警察法案に準じて規定しました。
 以上が変革の主たる点でありますが、本法案は警察法案と同時に施行せられる必要がありますので、何卒御審議の上速かに御議決あらんことをお願いいたす次第であります。

発言情報

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発言者: 長野長廣

speaker_id: 3665

日付: 1947-11-28

院: 参議院

会議名: 治安及び地方制度委員会