川橋豐次郎の発言 (治安及び地方制度委員会)
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○衆議院議員(川橋豐次郎君) 只今委員長の御紹介に與りました川橋でございます。お許しを得まして消防法について御參考までに今日までの衆議院の治安及び地方制度委員會における經緯を簡單に御説明申し上げます。申し上げるまでもなく、本案は内務省解體に伴う警察制度の根本的改革による警察法の制定、只今御決定相成りました消防組織法の制度と相俟つて制定せられたものでありまして、現在一日一億圓以上に及ぶ火災に因る損害の實情に鑑み、火災豫防のために全力を擧げるため、消防職員の權限を強化して、火災豫防の充實を期すべく、立入、檢査、調査等の問題について規定したのであります。ちようど會期切迫いたしました際に警察法、消防組織法、而して只今御提案になりました消防法の案議を進めたわけでありまして、御承知の通り各方面との折衡に大變手間取りまして、漸く昨日の午前に委員會を通過したような形でありまして、急遽午後の本會議に上程して通過を見たのであります。不肖その小委員長として、今申しましたように、ここに參つております中垣、門司兩委員と共に各方面に奔走いたしまして、そうしてこういう案を決定したわけであります。本案の要旨を簡單に申上げますと、消防法案は、政府提出の消防組織法案と一體となつて消防の完璧を期さんとするものでありまして、消防組織法案と同樣に、警察制度の根本的改革に伴い、消防を警察より分離獨立せしむることとなつたので、ここに提案した次第であります。消防組織法案を委員長が報告いたしましたことは、いずれ速記録等を御覽を願いまするが、消防法案は、消防の實體的規定、即ち水火災等の豫防警戒竝びに水火災等の救護等に關し規定したのでありまして、主として消防豫防がその主たる内容となつておるのであります。この法案は先ずその目的として、火災を豫防警戒及び鎭壓すると共に、火災時における人命及び財産等を救護し、以て安寧秩序を維持し、社會公共の増進に資することを規定しております。案の内容を御覽になりまするとお分りになります通りに、第二章には火災豫防について、第三章には火災鎭壓について、第四章には搜査及び調査について、第五章には雜則として風災震災その他の災害の警戒防禦及び救護の事務について規定しております。最後に本法案に規定する事柄について違反ある場合の罰則について、詳細に規定したのであります。
大體以上が本案の要旨であります。尚先程委員長からお話がありましたように、この法案は消防組織法案とともに、やはり實體的活動をなす法律でございます。それからこの法案が衆議院の治安及び地方制度委員會を通過する場合に、いろいろ希望もありましたが、各方面との折衝の結果、この際はとにかくこの法律を制定して、いずれこの法律は、いわば非常に急速に制定されたものでありますので、いずれ相當不備な點もあると思うが、その點については又適當に修正の機會を考えたらどうかといつたような示唆を受けております。尚主なる衆議院の治安及び地方制度委員會における希望といたしましては、警察制度に大學があるように、消防法につきましても、大學の設置を必要とする條章を入れたらどうかといつたような意見がありました。即ちこの消防技術等については、今日までのようなことではいけない。要するにいま少しく科學的に研究する必要がある。そういう點からいたしまして、やはり大學程度の設備を俟つて、そこで十分研究することが必要でなからうかということがありました。又或いは消防關係における人事の交流によつて、恩給の問題については、やはり通算するような規定が必要じやなからうか。こういつたような御意見がございましたが、この點につきましても、よく實施後に現われたすべての現象から考えて、又適當な修正のようなことを考えたらどうかといつたようなことで、これを委員會において決定する場合においては、留保と相成つております。
以上のような次第でありまして、會期切迫した最後の日にこういう案が急遽衆議院によつて決定せられたような次第でありまして、多少遺憾な點があると存じますが、その點は今申上げましたような事情を御了承の上、本院におかれましても、どうかこの表裏一體をなす消防法の通過に際しまして、御決定を仰ぎたいと思いまして、御參考までに以上簡單に申上げました。
尚この案の内容につきましては、ここに參つております中垣委員が相當各方面に折衝されたことでありまして、十分これについての理解があるのでありますから、又御質疑等がございましたら、中垣君なり、門司君なり我々から又御答え申上げます。どうぞ愼重に御審議の上御決定あらんことをお願いいたします。