本多市郎の発言 (本会議)

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○本多市郎君 私は、自由党を代表して、ただいま議題となりました吉田内閣不信任案に対し反対の討論を行わんとするものであります。(拍手)
 そもそも内閣不信任案は、その内閣に政策上の失政があつたとき、または歴然たる汚職の事実が明らかになつたとき、あるいは与党が分裂などを起して政策の遂行が困難になつたとき、みずから政権担当の能力ある野党が提案することが憲政の常道であります。(拍手)今回提案された不信任案はこの憲政の常道に反し、ただいま鈴木君の弁明を聞いてみましても、政策の相違から来るまつたく根拠なきおざなりのりくつを並べて、しかもみずから政権担当の能力なき政党が提案したものであります。今や、内外の情勢は、重要国策遂行の前提要件として、保守勢力の結集による政局の安定が強く要望せられているのであつて、政局の安定なくして国民生活の安定はないのである。(拍手)今回の社会党の不信任案は、この国民的要望を無視し、保守合同を妨害し、あわよくばその間隙に乗じて政権を奪取せんとする謀略にすぎないのであります。(拍手)よつて、これより私は、不信任案の理由、根拠なきゆえんを逐次申し述べてみたいと思うのであります。
 不信任の理由として政策の失敗や行き詰まりなどをよくあげられるのでありますが、これは吉田内閣の施政の偉大なる成果を無視するもはなはだしいものであります。(拍手)すなわち、社会党の諸君が一枚看板のように宣伝する国民生活の向上でありますが、社会党内閣当時、国民の消費水準は戦前のわずかに六三%であつたものが、昭和二十八年には一〇八%、二十九年には一一一%にも達する見通しであります。(拍手)また、社会保障費について見ましても、社会党内閣当時の百六十三億円に対し、本年度は実に千九百十六億円に上り、十倍にも達しているのであります。経済のバロメーターとなる国際収支について見ましても、輸出貿易の規模は実に当時の約六倍に達し、当時三億九千万ドルの赤字を出していたのに対し、二十八年は、食糧の緊急輸入等のために一億九千万ドルの赤字を出したとはいえ、蓄積外貨はなお八億ドル以上も保有しているのであります。この事実は、社会党の諸君がいかに歪曲しようとも、動かすことのできないところであります。
 一体、このような大きな成果はいかにして達成されたか。それは、自由主義経済と、米国を初め自由主義諸国との協力提携を基調とするわが党政策の成功によつて初めてもたらされたものであります。(拍手)社会党の主張する統制経済と、国家管理を骨幹とする社会主義経済や親ソ反米の外交政策では絶対に不可能なことと確信するのであります。(拍手)また、自由主義経済が汚職を生んだ原因のようれ言われるのでありますが、真に自由主義経済を徹底せしめたならば、実力競争の性の中となつて、汚職の余地なからしむることができるのであります。これに反して、社会党内閣時代、あの官治権力主義の統制経済が、いかに国民総やみ、総犯罪、官公吏汚職の温床となつていたかは、想起するだに戦慄を覚える次第であります。(拍手)
 次に、内閣不信任案の理由として汚職をあげておるのでありますが、いやしくも汚職を理由として内閣の退陣を迫る場合、それは、臆測や風評や独断的観測によつてなすべきものでなく、明確なる事実に基かなければならないことは、責任ある公党として当然の態度でなければなりません。
    〔発言する者多し〕

発言情報

speech_id: 101905254X04119540424_015

発言者: 本多市郎

speaker_id: 33102

日付: 1954-04-24

院: 衆議院

会議名: 本会議