田口長治郎の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○田口長治郎君 ただいま議題となりました輸出水産業の振興に関する法律案について、提案の理由を御説明申し上げます。
 輸出を振興することは、わが国の最も重要なる政策の一つでありますが、なかんずく遠洋漁業の開発により水産物の輸出を伸展することは、わが国の地理的環境の上からいたしましても、また国民性から申しましても適切なることであります。しかしながら、輸出水産物については、種々なる事情から、時には輸入国において関税等の問題を惹起し、また国内においても、変動する国際情勢に対応する調整その他の措置が必要とされる次第であります。かかる事情からいたしまして、輸出水産物の品質の向上をはかるとともに、輸出水産業者の組合による自主的調整により、その経営を安定し、輸出水産業の振興をはからんとするものでありまして、これが本案を提出した理由であります。
 次に、法律案のおもなる内容について御説明いたします。
 まず第一点は、まぐろ類、めかじき類等のカン詰及び冷凍品、その他輸出水産物として政令で指定した水産製品については、これが製造施設を農林大臣または都道府県知事に登録せしめることであります。
 第二点は、輸出水産物を製造する者、すなわち輸出水産業者は、その事業の健全なる発達をはかるため、全国一円の輸出水産業組合を組織することができることといたした次第であります。特に、この組合は、輸出水産業の自主的調整による経営の安定をはかるため、輸出水産物の製造数量、販売価格等を規制し、あるいは製造施設の制限等も行えることといたしたのであります。なお、この調整規定については農林大臣の認可を要することとし、また農林大臣は公正取引委員会の同意を得ることといたしました。
 最後に、第三点といたしまして、本法の適正かつ民主的な運営を期するため、十五名の委員からなる輸出水産業振興審議会を設けることにいたした次第であります。
 本案は、去る二月四日の委員会において、さきに提案されました加工水産物の輸出振興に関する法律案を水産貿易に関する小委員会に付託して審査して参つた結果、同法案の趣旨をもとり入れまして、わが国重要水産物輸出の振興をはかるための法律案を新たに起草することに決定いたし、二月九日第一回の小委員会を開いて以来、小委員会を開催すること七回、この間多数の関係業者代表を参考人として招き意見を聴取する等、慎重なる検討を重ねて参つた結果、去る四月二十一日の小委員会において、以上御説明申し上げました通りの法律案とすることに決定いたし、小委員長中村庸一郎君から昨二十六日の委員会において報告があり、委員会においては全会一致をもつて小委員会案通りの成案を決定した次第であります。よつて本案を委員会提出の法律案として議院に提出することに全員の賛成を得て決定した次第であります。
 なお、本法の施行に関する件につきまして次の通り決議をいたしました次第であります。すなわち
  政府は、輸出水産業者及び製造受託者が輸出水産物の生産に必要な資材を輸入するために要する外貨資金は、輸入貿易管理令第九条に規定する割当について優先できるよう必要な措置を講ずべきである。以上御報告申し上げます。(拍手)

発言情報

speech_id: 101905254X04219540427_029

発言者: 田口長治郎

speaker_id: 34135

日付: 1954-04-27

院: 衆議院

会議名: 本会議