亀徳正之の発言 (決算委員会)

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○説明員(亀徳正之君) 只今会計検査院から御指摘になりました国税の賦課面に対する弁明を申上げたいと思います。
 先ず第一に御指摘頂きました法人、個人の経理内容又は取引関係の調査が不十分であるという御指摘に対してでございます。実は国税庁といたしましては、如何に納税者の実態を把握して課税するかという大きな目標に向つてあらゆる努力を傾注しているのでありまして、なかなか理想的な段階にまで到達いたしませんで、その間にこのようないろいろな御指摘になりました不備な点が現われた次第でありまして、この点につきましてはここに遺憾の意を表しておきたいと思います。ただ、二十七年度のこれは事項についてこのように御指摘を頂いたのでありますが、特に二十八年、二十九年と所得税並びに法人税の運営方針につきまして、今申上げました納税者の実態を把握して課税するという方針を大きく打出しておりますので、その方針の大要を申上げることが同時にこの御指摘に対する弁明になろうかと思いまして、二十八年、二十九年に亘ります主として所得税、法人税の運営の方針、その大要を申上げたいと思つております。
 先ず個人でございますが、従来やはり権衡調査というものを主といたしまして、どうしてもその権衡の柱になるものに調査の重点を置く。そうして毎年同じ柱になるものだけを調査する。従つてその柱にならない納税者の方々の調査がつい不十分になる。こういうような面が多少なきにしもあらずであつたわけであります。従いましてそういうことのないようにもう少し各納税者の特にいろいろの資料その他から脱漏があると、こう思われるような場合には、相当徹底した調査をしなければいけないというような観点から、最近におきましては、特別調査と我々のほうでは申しておりますが、個々のそういつた資料その他で問題のありそうなところには相当重点をおきまして調査する。而も、それは一年限りというような考え方でなしに、何年かに亘つて、そういつた納税者の対象を変えまして調査して行く。一方又最近青色申告が非常に殖えて参つておりまして、現状の数字を御参考までに申しますと、現在約三十六万の青色申告者の方々がおられるのでありますが、これらの方々につきましては、青色申告の指導、慫慂、いろいろ又帳簿のつけ方その他も指導するという面で、むしろこの面では指導育成という趣旨を織込んで指導しておりますし、又その他の納税者の方々に対しましても、できるだけその実態を調査する、各所にも特別調査班というようなものを設けまして、十分に個々の実態を把握するという方向に持つて行つております。ただ、何分にもそういつた新しい方針に切替えつつあるのでありますが、経過的にはいろいろ不十分な点もあろうかと思いまして、その点につきましては、今後一層努力をして誤りなきを期したいと考えておる次第であります。
 なお、この際に御認識を深めて頂きたいと思うのでありますが、我々としましても、非常に人数の少い職員で、相当量の納税者の調査をしておるのでありまして、その点を十分一つお含みおき願いたい。簡単に申しますと、現在約所得税につきましては一万名近くの、これは資料係その他を併せてでありますが、職員がおるのでありますが、それが農業、営業その他の調査に当つております。それで、特に営業につきまして申しますと、青色申告の場合には一人が約二百件を受持つておる。又その他のものにつきましては一人が約二百三十件という多くの納税者を抱えておりますので、なかなかこちらで計画した通りは思うように進まないのでありますが、併し、なお、一段と督励いたしまして、御趣旨に副いたいと考えております。
 なお、先ほどの御指摘の中に、いろいろ税法の知識が不十分であつたとかいうようなために又誤りを犯しておる面、又資料の活用が不十分であるという点も御指摘頂いておるのでありますが、国税庁におきましては、随時税務職員の資質の向上を図りまして、講習会その他も開催し、十分税法の趣旨徹底にも努めております。又資料につきましても、本庁にも資料係という特別の係も設けまして、できるだけあらゆる資料を今後とも十分活用して行くという方向に努力しております。
 それから次に法人税につきましても、私所管外でありますが、簡単に申述べさせて頂きたいと思いますが、これも現在御存じのように、大法人につきましては、約これは一万五千ほどでございます。これにつきましてはいわゆる国税庁では調査査察部、地方でも調査査察部がございますが、これの役員が約千名おりますが、この方々が、この方々が数年来大法人については十分毎年調べておられますが、これの分は大体順調に進んでおるのであります。ただ、中小法人は数がなにせ約四十万近くございます。それから職員も四千名でございますので、約一人が百の法人を受持つておる。これを事業年度数に直しますと一人が約百三十、事業年度のものをそれぞれ調査しなければならんということで、法人につきましても何分手不足であるのでありますが、併しこれも所得税と同じようにできるだけ個別の調査を徹底させるという趣旨で循環方式とまあ一応称しておるのでございますが、とりまして、大体一年の事業年度の法人につきましては三年に一回、それから大体六カ月の事業年度のものにつきましては四事業年度に一回の割合で調査して行く。而も今年しつかり調査したものはその次の事業年度は大体承認する。そして調査漏れのものをその次に調査する。こういう工合いに循環して行くという方式を打立てております。これも逐次改善されつつありますので、御指摘のような事態が今後発生しなくなつて行くのではないか、こう考えております。
 最後に源泉徴収、所得税の調査不十分という只今の御指摘に対して申上げます。これも従事員一人に対して約四百件の件数を抱えておりまして、なかなか困難を極めておるのでありますが、併し最近は各局に大体指導班というものを設けまして、税務職員は勿論のこと、徴収義務者の方々の税法に対する御理解というような面に大いに働きかけ、又機動班というものを東京、大阪、名古屋という局に設けまして、大きな法人についての調査には局も応援してやつて行くというような仕組をとつております。
 なお、余談でありますが、近く徴収義務者の方々に非常に現在の所得税法がわかりにくいものでございますから、これをわかり易く書き替えました説明書のようなものを印刷しまして徴収義務者の方々にも配りまして、よく納得して頂きましてこの賦課面の円滑を期したいと考えておる次第でございます。
 以上で大体御説明を終ります。

発言情報

speech_id: 101914103X01619541105_005

発言者: 亀徳正之

speaker_id: 2681

日付: 1954-11-05

院: 参議院

会議名: 決算委員会