松野頼三の発言 (農林委員会)

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○松野委員 三段階にわけての御説明のようでありますが、少くとも食糧問題というのは社会政策的なものも含まれておるんだというふうに解釈すれば、一番妥当のように思いますが、少くとも農林大臣がその言葉を使われたことは、相当私は大胆な言葉だろうと思います。いずれにしまごとく食糧というものは、農林大臣が所管し発達育成して行くというのが、各省設置法の中にも書いてございます。各省設置法の中の農林省の任務という中に、農山漁村の生産の改良発達、あわせて農山漁村の福祉というものが、農林大臣の使命であるわけでありますが、ここにあらためて社会政策的なものが入つて来たことは、相当注目すべきものだと思います。ただいまの話をもう少し具体的に砕いて私が解釈いたしますならば、米というものは、これができたときには社会政策的なものであつて、なるべく国民経済上安い価格に安定させるべきだ、そして労働賃金にも悪影響を及ぼさないようにするのだ、こういうお言葉を平たく申しますならば、これは、後ほどもきつとお言葉があると存じますが、現在御承知のごとく、世界の米の相場というものはだんだん下つて参りました。おそらくシフ価格におきましても百六十、百五十とだんだん下つて参ります。しかしながら日本の本年の産米を計算して参りますと、百七十ドル以下ということはございません。そうすると必然的に日本の米を生産するよりも、逆に言うならば、社会政策的に安い米を国民に食わせるという意味からすれば、外米に依存する方が、ずつと安定した価格が得られるという裏の言葉にもなるので、全部が全部ということは申しませんが、一部のものはそういうふうに考えられるのです。そうなると、日本はもし外米が安いならば、外国から米を買つて日本の国民は食べる、そのかわり生糸がもうかるならば生糸を日本の農業でつくる、あるいはタバコがもうかるならタバコをつくる、あるいは海外に輸出するような農産物ができるようならばそれにする方がいいのではないか。先ほどのお話にはございませんが、もうかる主義というと言葉は妥当じやないかもしれませんけれども、必然的にそういう方向に行く危険を私たちは非常に感ずるのです。日本の社会政策的という考えから言いますならば、外米を買つた方が、消費者の面から言えば安くなる、品質は別にして安くなる。そうすると日本の農業は、数千年来の農業に改革を河野農政においていただかざるを得ないという不安もあります。ことにこの中には——これは新聞ですからほんとうかどうかしりませんが、たまたま食糧を農林大臣がやつておるために、農村の問題にウエイトを強く置き過ぎているという言葉も出ております。とにかく米は高くなつてはいけないのだという言葉が、非常に各所において出て参つております。私はこれを考えて参りますと、河野農政の一番大きな問題は、社会政策的というか、この言葉がいずれ論議になりましようが、社会政策的な米ということを念願に農林大臣がお考えになると、日本の米作農民というものの方向も百八十度あるいは三百六十度転換しないと、われわれは河野農政について行けないのじやないかという心配もありますので、これは極端な例かもしれませんが、方向はそういう感じを抱くのです。その点農林大臣から十分な御答弁があると思いますが、ひとつこういうことについてもう少し詳しく、また間違わずにはつきり言つていただく方が、ずつと国民は迷わないのでなかろうか、こう思います。

発言情報

speech_id: 102104988X00419541218_016

発言者: 松野頼三

speaker_id: 26627

日付: 1954-12-18

院: 衆議院

会議名: 農林委員会