奥村鉄三の発言 (商工委員会)
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○奥村参考人 それでは結論を項目だけ申しますが、その技術の温存をするために方途を考えなければ、わが日本の紡績機械あるいは染色機械というものは、米、英、イタリアその他の輸入に待たなければならぬという、外貨の流出になるということにお考えをいただきたいと思うのであります。また賠償に引き当てになるかならぬかは、いろいろな議論もありましょうが、賠償に引き当てにしていただいて、政府は買い上げて、つなぎ作業をなさしていかなければならぬ。輸出振興についてもいろいろおっしゃいましたから申しませんが、ただ一千万や二千万の旅費の補助だけで、今日の紡績機械の輸出は困難でございますから、これは積極的な関係を持たしていただかなくては、ならぬと思います。ことにこの機械工業のこの法案が通りますと、直ちに失業者が出ます。詰めかけている下請業者というものは、かかえている従業員にどうしてその退職金を出そうか、どうして彼らに職を与えようかということにしし営々と努力をしておりますが、今日は遺憾ながらその方途を発見するに至っておらないのでありますから、不用機械、不用土地、不用建物、そういうようなものはお買い上げになって、そして、お前たちは心配はないのではないかという、こういう筋道が立ってこなければ、こういう法案というものは片手落ちだと存ずるのであります。今後の方針につきましても、方針々々とおっしゃいますが、この法律の実施は、公布されてから二カ月以内でありますから、二カ月と二十日間はありましょうけれども、もしこの法案が国会を通って公布されたとすれば、これにおけるところの勤労者、この事業者というものは、立ちどころに崩壊するか、もしくは廃業するか、あるいは転業するか、今のところ転業の道はほとんどありませんが、そういうような事柄について法案の中に十分の織り込みがなくてはならぬ。ダムを作るときに何十億という巨額を御出資になる政府並びにこの恩恵を受ける独占企業を確立するという繊維工業界は、何百億の金を積んでこれらの機械工業者に対してその道を講じておいて下さっているとは思いますけれども、そうあるとすれば、こういうところで御発表になるのが当然であるが、御発表にならないのは紳士のお方であるから御発表にならなかったのかもしれません。どうぞあらゆる意味において、今日の、特に東海、北陸地帯はこの方面の発達しておるところでございますので、一方に偏せず、いわゆる車の両輪のごとく共存共栄の実を上げるように努力をしていただかない限りは、先刻申し上げたように憲法違反の疑いも強く、独占禁止法に抵触して、しかも大企業を助けて中小企業を圧迫するような法案には断じて承服ができない。しかも現実の綿業界は好調に堅調を加えているというのは事実でございますから、この事実を背景としてどうぞ各委員においても御検討いただきたいと思います。最後にこの重大性にかんがみられて、本法案の審議を二カ月有余も審議に上すことなく、みずからの手に慎重に御研究を願っておりました皆様の見識に、敬意を表しまして私の公述を終ります。(拍手)