奥野誠亮の発言 (地方行政委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○奥野政府委員 最初の問題は非常な利益を上げているところがあるのだから、同じ私鉄でもそういうところから事業税をうんとたくさんとればよろしいじゃないか、こういう御議論があります。この問題につきましては永田さん自身がお触れになりましたように、所得に累積して課税をしていくということは企業意欲というものを阻害して、資本の蓄積をはかっていく場合になるたけ避けた方がよろしいじゃないか、こういう御意見もあるようでございます。もとより利益をたくさん上げますと法人税でありますとかあるいは府県民税、市町村民税においてたくさん税負担をしていただくわけであります。あらゆる税の形においてよけい負担させる、こういうことは税の体系としては避けた方がいいのではないだろうかというふうに思うのでありまして、税はそれぞれ基礎が異なっておるわけでございますので、そういう意味においては所得に累積して課税していく、その結果企業意欲の面においても悪い影響を与える、これは避けた方がいいんじゃないか、しかし別の見地で法人税や住民税で相当の税収を得ていくんだから、それはそれで公平が期せられているんじゃないか、こういう考え方を持っておるわけでございます。もとより私は収入金額課税をやっておりますものについての負担が、これでよろしいのだということを申し上げておるわけではございませんで、もし地方財政の状況が許すならば税率は下げたい、こういう気持は多分に持っておるわけであります。しかしながら現状においてはそれがかないませんので、先ほども申し上げましたようにこういう課税方式のもとに三十四億五千七百万円の増収を得ておるわけであります。これはしかし今申し上げましたような見地から将来なお考えていかなければならないだろうというふうに思っております。転嫁の問題につきましては、これは競合線等において問題があるかもしれませんけれども、料金が維持できないということでもないんじゃないのだろうか、ただ料金を高くした場合にはそれぞれその利用者が少くなってくるとかいうふうな式の問題は出て参るだろうと思いますけれども、七の場合におきましてもやはり固定資産税と事業税というふうなものを同じような性格に考えておりますので、別の見地からの徴税を地方団体としては考えていくべきであろうけれども、税の基本をそれがために変えるということはできる限り避けていきたいのだ、こう申し上げるわけであります。なお御承知だと思うのでありますけれども、現在臨時税制調査会におきまして三十二年度以降の税体系をどうするかという問題が起っております。これに対しまして大蔵省の事務当局が一つの提案をしておるだけのことでありまして、どういう方向をとるかわかりませんけれども、わが国の税制は二十五年の改革後直接税中心主義をとり過ぎた、もう少し間接税に移行していきたい、しかし間接税についてもなかなか適当な方法もないが、一つの案として売り上げ税または附加価値税を作ることによって流通税をふやす、その反面法人税や所得税を減税したらどうか、これとの関連において事業税の存廃を考えたらどうだろうか、こういう提案をいたしておるわけであります。言いかえれば売り上げ税課税と言いましょうか、昔ありましたような取引高税と申しましょうかあるいは附加価値税と申しましょうか、流通税的な面、こういうところになお将来税収入を相当求めていったらいいんじゃないだろうか、こういう考え方も実は相当多くの人に抱かれている考え方であります。そういうふうなことをあわせて考えて参りますと、独占的な企業であって料金統制が行われて、その料金の事業税相当額を算入していける。その料金が維持されていく。それならば維持されただけのものは県に経費の負担分として納めていく、こういう考え方もできるのじゃないか。結局課税形式の問題ではなく、一・五%という税率が高過ぎるという議論になってくるのじゃないか、こういう気持を持っておるわけであります。しかし御指摘になりました点は幾多の問題を包蔵しておるわけでありまして、将来も十分検討していかなければならない問題だと思います。端的に申し上げればこの税率を引き下げることじゃないかということを、率直にお答えしておるわけであります。

発言情報

speech_id: 102404720X01219560224_017

発言者: 奥野誠亮

speaker_id: 25784

日付: 1956-02-24

院: 衆議院

会議名: 地方行政委員会