池田勇人の発言 (本会議)

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○国務大臣(池田勇人君) 河野さんの御質疑に対しましてお答えを申し上げます。
 まず第一に、千億減税、千億施策はうそではないかというお話でございまするが、あの一般に言われておりまする千億減税は所得税のことをさしておるのであります。従いまして、これは標語として使っておるのでありまして、もし正確にいうならば、平年度では千二百五十億にも相なるのであります。しかし、初年度では御指摘の通り所得税は千九十億円にとどまりました。千億施策と申しましても、御指摘のように、歳出増加は千二十五億円でございます。その点は一つの標語として御了承願いたいと思います。
 次に、租税収入の見込みにつきまして、だんだんのお話でございまするが、御承知の通り、昭和三十年度におきましては、租税収入は七千九百億円でございました。それが当初は七分二厘の鉱工業生産の増加と見たのでありまするが、二割一分ふえましたので、私は、三十一年度の租税収入は千二百九十億円ばかりふえまして、今年度の見込みは九千百九十七億円程度に相なると思うのであります。そうして、二割一分ふえた上に、それを基本として一割二分五厘ふえるのでございますから、三十年度に比べたならば三割五分の増に相なるのであります。皆さん、こういう計算でやって参りますと、決して誤まりはございません。ふえた上に——ふえた率が減っても、ふえたところを基準にしてふえるのでございまするから、計算上は間違いないと御了承願います。(拍手)
 なお次に、千億減税と千億施策をやったことは矛盾ではないかと言われまするが、これは国民の努力のおかげでございます。国民の努力によりまして、生産が伸び、ほんとうに国の経済が拡大したから、普通にはできないことができたのでございます。(拍手)ただにはできないことができたのでございます。私が国民とともに喜びたいということを財政演説の当初に申し上げたゆえんはここにあるのでございます。
 次に、補正予算を組むか、あるいは減税はやめるか、どっちか。これは国会で御審議願ったことでございますから、減税もやめませんし、予算も変更いたしません。御審議の通りにやって参ります。
 なお、電力、輸送に金を入れても生産増強にはならぬとおっしゃいまするが、電力、輸送に金を入れて、その他にも入れて生産増強をするのでございます。金が入っても生産が増強できないということは、インフレ時代にはいえるかもわかりません。今は安定しておるときで、金を入れればどんどん生産ができることは経済の原則と考えておるのであります。
 次に、米の問題で、閣議決定したのを、むぞうさにやめるということでございますが、決してむぞうさではございません。閣議でも、党の意見を十分聞きまして、慎重に考えて、特別調査会の結論を待つことにいたしたのであります。
 次に、食管会計に赤字を置いているじゃないか。これは米の問題がきまりませんので、きまりましてから一括して善後処理を講ずる考えなのでございます。
 なお、国際収支につきましていろいろお話がございましたが、財政というものは、また経済というものは、生きものでございますから、そのときどきに手を打たなければなりません。私は、大体、昭和二十四年にはデフレ政策をやりました。二十五、六、七年はディスインフレ政策でいったのであります。それが過去三年間に非常に地盤ができましたから、今では、ディスインフレ政策でもなければ、デフレ政策でもない、健全な積極政策にいっておるのであります。(拍手)これは、常に国際情勢、国内の状況を見ながら、そのときどきに手を打つことが財政当局者としての立場であると思います。(拍手)従いまして、ディスインフレ時代におきましては、国際収支は常に黒字が望ましかったのであります。しかし、拡大均衡して経済の拡大をしようとする場合におきましては、いたずらに黒字をのみ追求するべきじゃございません。私は、原則としては、長い目で黒字でなければなりません、しかし、一時的には、将来伸びることを考えて赤字が出るのも、気にかける必要はないというだけで、赤字を望んでおるわけでは決してございません。従いまして、過去三年間は黒字を続けて参りました。今昭和三十一年度におきましても、十二月の暮れまでは一億六千数百万円の黒字でございましたが、一月には相当の輸入超過がございまして、昭和三十一年度の国際収支は少しくらいの黒字だと思っております。しこうして、三十二年におきまして、各省とも意見は一致しております。各省の事務当局が試算のうちにやった数字は、われわれは当てにしておりません。経済企画庁、通産大臣と私とが十分話し合ってきめたのは数字に変りはないことを、ここで御披露いたしておきます。
  〔国務大臣水田三喜男君登壇〕

発言情報

speech_id: 102605254X00519570205_016

発言者: 池田勇人

speaker_id: 8420

日付: 1957-02-05

院: 衆議院

会議名: 本会議