伊能繁次郎の発言 (内閣委員会)
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○伊能国務大臣 この点につきましては常に各幕の幹部並びに部隊の諸君に私の所信を申し述べておる次第でありまするが、御承知のようにわが国の現在の自衛隊は義勇兵制度でございまするので、みずから自衛隊に志願するという人々が何をおいても国を愛するという観念を、若い自衛隊の青年諸君に自発的な意思からそういう考えがわき上ってくるということについて、われわれとしては格段の配慮をしなければならぬ。また現在の日本の若い青年の考え方が戦争を嫌悪するということ、このことは十余年前の体験に徴して人類の共通の一つの悲願と申しますか、共通な考え方だろう。この問題と愛国心との関係をできるだけ明確に青年の心に植え付ける。その基礎といたしましては御承知のように日本人全体の国民生活が一応最小限度に安定するということが、私は愛国心を若い人々の間にはつらつと燃え上らせる一番大事な基礎ではなかろうか、かように考えております。かっての戦時中、国防の基礎的観念は国民生活の安定であるというような言葉がいわれましたが、その当時のような統制的な考え方とは全く違って、ほんとうに自主的に現在においては日本の防衛の基礎的な観念は国民生活の安定である。この考え方を若い人々の上にも現実にわからせるような政治がなくてはならぬ。現に国防の基本方針につきましてもその点は明示せられた上で、青年の愛国心の発揚に努力をするということも定められておりまするが、現状において御承知のように日本の国力、国情からいって飛躍的な防衛力の増強というものはなかなか望み得ない。アメリカのように全体の予算の六〇%近いものが防衛費あるいは軍事援助、経済援助等に使用される状況とは異なりまして、わずかに国民所得の二%以下一・七%、予算の一割程度の防衛費を計上しております現状におきましては、自衛隊をして、みずから自衛隊に志願した君らが、国を愛して平和な豊かな日本を作り上げる基礎になる人物で、あるという自覚をあらゆる角度から、教育の面においても十分にしみ込ませるということについて幹部諸公の奮励を期待し、また私自身もその方向に向って最善の努力をいたしておる次第であります。