平井義一の発言 (内閣委員会)

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○平井委員 これは日本人の癖ですが、戦争中は直立不動で、位が一つ違えば、私も兵隊に行きましたがほんとうに大へんなものです。ところが戦争に負けて自衛隊が出てくると、さっぱり会社員みたいな格好で、あまりにその変化が日本は激しい。これは瓜生さんがちょうど帰りましたけれども、戦争中は天皇は神様だった。このごろはそうかた苦しくせぬでもいいじゃないか、一般の人と一緒でもいいじゃないか。まるっきり神様から一般人に落ちてきたり、非常に変化が激しい。これは皇室のあり方もそうですが、自衛隊のあり方もあまり急激に……。それだから昔の人と若い者の調子がとれない。昔の人はやはり昔のような兵隊を考えておる。このごろの若い者は全然そういうことは考えておらぬ。もうわれわれは月給取りだ。恩給を取るまでぶらぶらしておればいいじゃないかというような気持でおる。これは日本人の通有性ですから仕方がないといたしましても、日本のかっての軍隊は皇室とともにあり、天皇制のもとに置かれておったのでありますから、これとまた天皇制というのは非常に関係が深いと私は思う。急激に天皇陛下の尊厳などというものは、神様から一ぺんに人間に下ってきたり、われわれ同様あるいはわれわれの子供同様、女房はどこからもらってもいいというような、そういうふうに一ぺんに下ってくる。もう少しこの中間に、やまと民族ここにありというようなところを一つ定められて、そうしていかなければ、日本は立っていかぬと思う自衛官を何ぼふやしても問題にならぬと思う英国などは何といってもあれは貴族趣味の国だから倒れぬでやっていっておる。われわれ子供のときから大英帝国は崩壊だといわれながらも、あの貴族趣味の英国が続いておる。それはなぜか。やはり愛国心に燃えておる。戦争があるとか、一朝国の有事に際しては金持ちの坊ちゃんが一番先に死んでいく。貧乏人はあとから来い。日本は反対だ。貧乏人が先に死に、金持ちは残る。中隊長は一番あとから死ぬる。師団長は死なぬで生きておる。こういうことが私は日本の崩壊の原因だったと思う。この点一つ、ここがやまと民族の急所である——これは防衛庁長官のみならず日本人がみな腹を据えなければならぬのです。あまり急激にぽんと民主主義に切りかえてやってしまうことは、これでは今の青年の取りつくすべがない。そこで今ほんとうのことを言えば、日本の天皇制、皇室の尊厳は、われわれが子供のとき考えたことと違う。ところが青年のよりどころはどこか。これは事実のところ自衛隊にたよる以外にない。防衛庁が国の柱にならなければならない。もう議会も大したことありません。こんな━━━━━━━━と言うと怒られるかもしれないけれども、乱闘国会と申し上げます。この乱闘国会は国民は信頼しておりません。日本のこういう姿では、これはだれが総理大臣になってもつまらぬ。もう国民は非常に悲観しておる。そのときに健全でなければならぬのは私は防衛庁だと思う。防衛大臣の責任は、いわば総理大臣以上でありますぞ。私は岸さんよりあなたの方をたよっておるくらい……。そこで防衛庁長官は閣僚中でも私は一番しっかりした人が従来なってきておると思いますが、ほんとうに腹を据えて、戦争中の軍人と戦後の自衛隊員の中間をとると申しますか、ほんとうのやまと民族のよりどころはここであるというような教育の仕方をしていただきたい。国際情勢は御承知の通り非常に複雑怪奇でありますから、この点一つ大臣に私は十分お願いをしたい。少しは非難もぶたれるかもしれませんけれども、何十年か後には、伊能長官のおかげで今日の自衛隊ができた、りっぱになったといわれるときがくる。大村益次郎の役割を一つあなたにしてもらいたい。徴兵検査をしようというわけではありませんよ。ありませんけれども、少しおそいけれども、精神のこもった長官が来なければ、いつまでたっても自衛隊の筋が入らぬ、こういうふうに実は考えておりますから、その点長官にお願いするわけであります。それではお前しろと言われても、これは私もなかなか教育はできないのでありますが、まあ自分の修養もし、自衛隊の諸君にも一つ修養をしていただきたい、こういうふうに考えます。
 また今日は核兵器、原水爆の時代でありますが、これもだんだん改良され、変ってきております。想像のできないものができておりますが、長官は今後の核兵器並びに原水爆に対して、どういうお考えを持たれるか。また今日、日本の周辺にはいろいろございます。歯舞、色丹はわが日本の領土といいながら、ソ連から占領されておる。また小笠原、琉球諸島は、アメリカの防衛体制の中に入っておるというような現状であります。そこで核兵器あるいは原水爆に対処すると同時に、日本の周辺にはどういう外国の兵力が取り巻いておるか、このごとくらいは研究されておると思いますが、これを参考にお伺いしたいと思います。

発言情報

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発言者: 平井義一

speaker_id: 27107

日付: 1959-02-26

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会