森八三一の発言 (風水害対策特別委員会)

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○森八三一君 私は緑風会を代表いたしまして、ただいま議題になっておりまする災害関係二十七の法律案に対しまして、賛意を表する次第であります。賛成の意を表するにあたりまして二、三問題を指摘して、格別の政府の善処を求めたいと存じます。
 災害発生以来直ちに中部日本災害対策本部を設置されまして、当面の対策に取り組んでこられました政府の誠意、並びに引き続きましてこの国会を召集せられまして、諸般の対策を樹立して審議を求めております態度につきましては十分敬意を表します。しかしながら、必ずしも諸般の対策が今回の非常に大きな災害に取り組むものとしては十分であるとは申しかねるのであります。委員会におきましてはそういう点を取り上げまして、連日きわめて真摯な質疑が展開をせられました。いつの委員会でも、どの委員会でも、国民監視のうちに行なわれておりますことは申すまでもございませんが、特に今回のこの特別委員会の審議は格別に国民の注目のうちに行なわれたと思うのであります。でございますので、この委員会の審議を通しまして政府が所信を披瀝せられ、約束をなさいましたことがただ単に一片のその場限りのものに終わってはならぬのであります。格別にそういう点についてはその実行を期せられたいと存じます。
 そこで申し上げたいことは、被災が非常に激甚であったことと、何といたしましてもこの災害を早く復旧をし、民生の安定を期せなければならぬということで、なさなければならぬことはどうしてもこれは進めていかなければならぬのであります。そういう結果として、ともいたしますと、漸次好転を見つつありまする地方財政の上に非常な圧迫を持ち来たすようなことがあるのではないかという心配をいたすのであります。あるいは査定が厳に過ぎましたり、査定がおくれて工事が遅延をするというようなことから、そのしわ寄せが地方財政の上におおいかぶさって参りまして、あるいは財政的に地方自治団体が破滅の困難に遭遇するということも想像されないわけではございませんので、災害復旧の進行につきましてはそういう点を十分一つ頭に置かれまして、もし不幸にしてわれわれが賛成いたしました補正予算だけでは十分にその効果が期待されないというような場合におきましては、大蔵大臣も言明があり、総理も所信を述べられておりまするように、あるいは第二次の補正なり、三十五年度の通常予算なり、臨機の措置を講じまして、しわ寄せが地方財政に及ばないということを十分一つ考えていただきたいと思います。
 さらにまた、被害の激甚地域におきましては、相当の工事が集中的に行なわれるという結果といたしまして、そこに過去の経験に徴してもきわめて明確でありまするが、インフレ的な様相を呈しましたり、あるいは風紀の上にもいろいろな問題がかもし出されまして、純朴な、質実な地方農村の状態というものを破壊に追いやるという危険がないとは申されませんので、経済上の問題なり、あるいは取り締まり上の問題なり、補導の問題——純朴な地方の状態を破壊することのないように最善の工夫と善処を求めたいのであります。
 次に、農林水産関係の各種協同組合にして、被災のために非常な困難に遭遇しているものが発生をいたしております。こういうような各種の協同組合等につきましては、すでに再建整備法が制定せられまして、経済の激動期の中に立って困難に相なっておりましたものを救済して参ったのでありますが、今回の被災によって同様の状態に追い込められておりまする関係組合の立ち直りを促進いたしますために、協同組合の再建整備法を復活せしめるということにつきましては、十分誠意を持ってこたえるということでございますので、次の通常国会にはこれが法的な措置を講じていただきますように御工夫と研究を望むのであります。
 なお、商工関係の小委員会におきましても指摘があったのでありまするが、中小企業の金融につきましては各般の措置がとられております。が、しかし、ほんとうにこの金融が難儀をいたしております被災者に及ぶ段階になるというと、調査費だとかあるいは歩積だとか、いろいろな方法で、実質上手取り金利が高くなっていくということは、これは過去の経験に徴して否定のできない事実であります。今回はそういう点について十分監督を厳にし、指導すると、こうおっしゃっていますが、なかなか関係機関の手段は巧妙でありまして、ただ遠くからながめておるだけでは目的を達することが非常にむずかしい問題でありますので、それらの点につきましては、おっしゃっておりまする通り、そういうようなことによって最終の、被災者の受けまする金利が実質的に高騰いたしませんように、厳重に一つ御指導と監督を期待をいたすのであります。
 次に税法上の問題でありまするが、山林経営者等で風倒木のために相当の経済的打撃をこうむっている人々に対する税法上の特別の措置は遺憾ながら講ぜられておらぬように思うのでありまするが、現行の税法の運用におきまして、こういうようなほんとうに気の毒な立場に立っている人々に対する税法上の特典による救済の施策をとり進めていただきたい。さらに、各種の協同組合等が、その組合員中の被災者に対しましてごくわすかな見舞金等を支出をいたしておる事実が存在をいたしておるのでありまするが、これらも税法上、正面解釈としては免税の取り扱いができにくいようなことに相なっておると思いまするが、そういうような精神を十分汲みとりますれば、損失に認めるべき性格のものであると思いますので、税法上の問題に関連してそういうような、だれが考えましても常識的に何らの作為のない、ほんとうに気の毒な人々に対する見舞金と認められるもの、あるいは風倒木等によって格別に困難をきわめておる連中に対しまする税法上の措置について、遺憾なきを期していただきたいと思いまするのであります。
 さらに、各種の資金の貸し出しにつきまして、手続が非常に煩瑣であります。おそらく自作農創設維持資金にいたしましても、その他の資金にいたしましても、中小企業の資金にいたしましても、借り受けをするために手続が煩瑣であって耐えられないというのが一般の声であります。ももろん貸付でありまするから、返済の確実を期せなければならぬことは当然でありまするが、といって形式的に煩瑣な手続をいたしますることは、ほんとうに難儀をしておる連中に対しましてはあまりにも苛酷な仕打だと思いまするので、可能な限り手続の簡素化を一つやっていただきたい。これは法律でも何でもございませんので、やるという気持でおやりを願うことになりますればそんなにむずかしい問題ではないと思います。私は、極端な例を申し上げますれば、住宅復興の資金等につきましては、市町村等が保証をするわけでもありますので、そういうものについてはもうしちめんどうくさい、保証人が何人だとかあるいは財産の状況がどうなっているかという調査なんかは免除をしてやる。これは極端な例なんでありますが、その辺まで考えていただきましても、地方の自治団体が保証しておることでありますればよろしいのではないか。しかし、ぜいたくなものを作ってはいけませんので、設計等についてある程度の規制をすることは当然と思いますが、あまりにも現在の手続は煩瑣過ぎると思いまするので、そういう点については、行政上の措置として十分おとり上げをいただくように希望をいたします。
 以上、数点の希望を付しまして——いずれもこれらは委員会で質疑を通しまして、そういうようにいたします、そういうように取り計らう所存であるということを申されておる点を指摘したのでありまして、約束済みのことでございまするので、すみやかにそれらのことが具体化せられ、あるいは法律を要するものにつきましては、次期通常国会に立法の手続をされまするように、強く要請をいたしまして、私の賛成討論を結ぶ次第であります。

発言情報

speech_id: 103315056X02019591130_015

発言者: 森八三一

speaker_id: 4609

日付: 1959-11-30

院: 参議院

会議名: 風水害対策特別委員会