池田勇人の発言 (本会議)
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○国務大臣(池田勇人君) 先般、横浜金沢底にありまする東洋化工の爆発事件が起こりましたことは、まことに遺憾でございます。監督官庁の私として申しわけないと考えておるのであります。
従来いかなる措置をとっておるか。——これは御承知の通り、先年、日本冶金あるいは昨年の一月でしたか日本カーリットの爆発が起こりました等々の事故がありましたが、そのつど直轄工場並びに各府県知事に対しまして注意をいたしております。また、今年七月、藤田議員の緊急質問の際に、七月にも各府県知事に出しております。御質問の広島県知事へのお話もございました。特に出しておるのであります。しかもまた、この取り締まりの重要さを考えまして、十月には通産省に各府県の火薬関係の警察の方々にお集まりをいただきまして、対策を協議して、そうして来年度の予算には相当の金額を要求し、人員をふやすつもりでおるのでございます。
で、御承知と思いまするが、この火薬工場の取り締まりは相当の専門技術でございまするが、今通産省には三人しかおりませんという状態でございますので、先ほど申し上げましたごとく、火薬、花火の取り締まりにつきまして万全の方法をとるべく、今準備をいたしておるのであります。従って、役所の縄張り等の争いはございません。私は、火薬類取締法につきまして、制定後十年たっておりますし、経済事情も変わっておりまするから、今法案の改正案を検討中でございます。府県知事等、また保安関係、警察関係と十分な連絡をとるよう、法律改正を今企てておるのであります。
で、東洋化工に対しまする検査はいつやったか。——これは今年の五月の末に定期検査をしております。これは火薬類取締法によりまして、少なくとも年一回は検査することになっております。その検査の結果は適正でございます。何ら異状ございません。しかし、今度の爆発が起こりまして、係官を直ちに派しましていろいろ調査し、その後も調査しておりまするが、今の調査の結果では、この工場内に新しい装置による試験器具を持っておったようでございます。これは法律上違反でございます。絶対にやってはならない。法律は、各作業場ごとに従業員の数も、いろいろな規定を厳重にいたしておるのでございます。こういう法律違反がなかったならば火も起こらなかったと私は考えられます。また、あの爆発の状況を見まして、工室といわれる作業場と土手との間のあき地に、結果から見ますと、一トン半くらいのいわゆる最高限度をうんとこえるTNTを保管しておったようでございます。これもまた法律違反でございます。今の火薬取締法は、あらゆる場合を考えまして、あらゆる制限を置いて、爆発による危険が大きくならないようないろいろな規定を置いておるのでございまするが、業者がそれを守らぬときにこういう不祥事を起こすのであります。従いまして、私は、業者に対しまして十分の注意をいたすよう、明後日全国の直轄工場の社長並びに技術の最高責任者を集めまして、とくと注意を与えると同時に、来年度におきましても、できるだけの態勢を整えていきたいと考えております。
なお、東洋化工が軍事用の火薬をやっていないか。——これは、われわれの許可は産業用の火薬だけでございます。台湾に本年七十三トン輸出した実績はございまするが、これは土建用として輸出いたしておるのであります。
なお、東洋化工に対しまして、ただいまは製造を禁止いたしております。今後、原因その他を見まして、これを許可するかどうかは慎重に考えたいと思っております。(拍手)
〔国務大臣松野頼三君登壇、拍手〕