松田竹千代の発言 (日米安全保障条約等特別委員会)
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○国務大臣(松田竹千代君) ただいまの木村委員のお話には、私どもも全く同感でありまして、
〔委員長退席、理事井上清一君着席〕
憂いをともにいたしておるのでございます。
まず、日教組についてお答えいたしまするが、およそ教壇に立って日々人の子を教える者は、よほど重大な責任があることを常に痛感して、これを行なわなければならぬ、いかに優秀な先生でも、何でもおのれは正しく心得ておるのだ——教員というものは常に謙虚な態度であるべきだ、そういうことのために私は常に学びながら教えていくという気持を持っていかなければならぬということを言っておるわけでありまして、なるほど教員の中には、おっしゃるようにとんでもない考えを持って子供に接しておる者もあります。しかし、大体においては教員はよい教師である。なお戦後十分な資格を持たざる者をも採用せざるを得なかった者が三十万に及んだが、それはまだ相当数残っておる者もあります。また思想的に偏向した者もあります。あくまでも教育は中立性を確保していかなければならぬということも常に私どもはそう指導いたしておるわけであります。従って教員は教員らしく、いわゆる特別の専門職、人間建築という特別の仕事に当たるのであるから、単なるこれはプロレタリア、労働者とわけが違うのである、この認識の上に立って教壇に立っていかなければならぬ、かように私は考えております。しかるに、現実には大多数の教員は労働組合、日教組、日本教職員組合を作り、そしてこれは任意組合であるけれども、総評のいわゆる支柱を成して、常に総評と行動を共にしておるというような状態であることもまたおっしゃる通りであります。しかし、過ぐる六・四のゼネストというか、あの交通ストライキのときには、日教組はたまたま大会を開いておりましたが、大会を一日繰り上げて、そうしてこのストに参加するということでありましたので、相当私も憂慮いたしておりましたけれども、しかし、その結果から見まするというと、この前にもお答えいたしましたけれども、参加学校数もきわめて少ない。五%あまりである、また人員も従来のときよりも非常に少ない、朝の一時間を職場大会を開いてやるということでございましたけれども、既定の時間よりも早くから始めて、その時間は一時間に及んだことはない、十五分から三十分程度で終わったところが多いのであります。これで私はよろしいというのではないのであります。しかし、従来よりは漸次こうした行為が少なくなってきておるということは事実、私が就任した当時においてはまだ激しいすわり込みあるいはピケ、その他で騒擾をきわめた場合がしばしばあったのであります。教育委員会で、あるいは新教科書の課程の講習会等において、いろいろありましたけれども、これも今日ではなくなってきておる状態である。しかし、そうした違法行為をやった者に対しては厳重な処罰をいたしてきております。十分に調査をして明確になった者に対しては厳重な処罰、懲戒、免職をやって参っております。
また全学連の問題につきましては、まことに文部大臣として私は責任を痛感いたしておる。従来からも暴行常習犯の感がある。またそうした行為をしばしばやって参った全学連の処置に対しては、まことに心を常に痛めておるのでありまして、そうした事態の起こった場合には、文部省よりそれぞれ大学の当局に向かって厳重に通達をいたして注意をいたし、また特別に寄ってもらって懇談をして、十分な学生補導をやってもらうようにいたして参っておるのであります。昨日のことも予想いたしまして、数日前から大学の懇意で個人的にもよく知っておる現次官をして個々に折衝せしめ、でき得べくんば、単なる通牒というようなものを出してもあまり効果が今までないのであります。今度は個人的に、そうして多くの国公立、私学を問わず学長連中を訪問せしめて、この際何らかの子校当局自体からこうしたことに対して十分な学生に対して説得なり、そうした暴行に参加せしめるということを食いとめるように工夫をこらしてもらいたいということをやって参ったのでありまするが、ついに団体行動をして何することができなかったのはまことに遺憾であります。私は現在の学校の状態、特に官立、公立の大学などにおける全学連のこの状態をこのままにして放置しますならば、大学の自治の根底を私は破壊するものであると、かようにさえ考えておる。むろん私どもは大学教官においても、こういう事態におきましては、ほんとうに大学の教育らしく落ち着いた態度をもってそれぞれ自分の職にいそしみ、学生の補導に常識的な考えをもって進まなければならぬことを教えてもらいたいものである。中にはよほど変な行動に出、政治的行動をやるものがあるが、大学教官としてまことにふさわしくない、国家公務員としてまことにふさわしくないという考えを持つものでございますか、文部省としては、与えられた範囲内においてできるだけのことはやって参っておる次第であります。大学教官もこの際はよほど考えてもらわなければ、大学というものの自治に対して結局墓穴を掘っていくようなことになるのではないか。むろん中にはりっぱな学者、そうして政府の施策にも賛成している者はあります。ただその賛成は沈黙の賛成であるから、表へ出てきておらぬのでありますけれども、しかし妙な、世間の常識から考えて、良識かり考えて、大学教官としてのいろいろの最近とっておられる行動に対しては、われわれは決して賛成いたしておるものではありません。大学においてもオートノマスなやり方でやってきておるのであります。文部省としては、ただ与えられた立場からできるだけのことはやっておるつもりである。また、私もあなたと同じような憂いを持って、そうして、十分これらの学年の行動に対しては注意を払い、適切な指導をしていきたい、かように考える次第であります。