松田竹千代の発言 (本会議)

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○国務大臣(松田竹千代君) 現下の教育問題について、いろいろと欠陥とも思われるような点について御指摘賜わりましてありがとう存じます。
 まず第一に、教育の基本原則についての問題であります。総理からもお答えになりましたが、私は、文教の府にある者として、まず今日の日本の文教の根本原則、これはもとより民主主義から来るものでありますけれども、これを何とかもう少し、一般日本の国民が民主主義のほんとうの根源がどこにあるかということをわかりやすくやれないものか、ということを考えておるのでありまして、私といたしましては、やはりこの教育基本法のよってくる根本精神、すなわち独立であり、自由であり、個人の尊厳であり、言いかえれば自尊心といったようなものを、もっとほんとうに各人がわかりやすくこれを体得するというような方針が打ち立てられないものか、かようにいつも考、えておるわけでありまして、むろん、これらのことは最も大事な事柄でありますけれども、私は、これを一つに、もし、しぼるとしたならば、私はこう言いたい。これはやはり人間として恥を知る心である、かように私は言いたい。恥を知る心こそ、これは人間とやはり動物との境目なんだ。私は、ここにほんとうに力を入れて、そうして教育をやっていきたい、かように考えておるわけであります。そこで、まず、教育の刷新についても、道義の高揚がやがましく言われておる今日、ほんとうに日本の子供に人間社会においては何が一番必要であるかということを教えて参りたいと、かように考えておるような次第であります。
 さらに、教育課程の問題についての御質疑であったと思いますが、これも中央集権的になるとか、文部省がまた昔のようにすべて統一的に画一的にやっていこうとするのであるかというようなお話もありますけれども、決してそうではありません。日本のような単一人種であり、そうして同一の言葉を使っておる、北海道から鹿児島の果てまで。そういう国柄では、私は、最も国が
 一つの基本を示していくというようなことは、決してこれは統一的にやるということだけでなしに、きわめて便利にその効果をあげ得られると思うのであります。むろん、一地方からすばらしいやり方を発見されて、そうしてそれが直ちに日本全国を風靡するというようなものが出てくれば、あえて妨げるものではない。従って、教育の実権は地方にみな委譲されておるのでありまするから、これを決して妨げるものではないのであります。そういうふうにまあ考えておる次第であります。
 また、すし詰めの問題、この点につきましては、三十五年度におきましては三十一億の予算をもって、(「それで足りないから聞いているのじゃないか」と呼ぶ者あり)いや、これで大体いけます。もちろん、中学校は御承知のように急増でありますので、この点につきましては現状を維持する程度にとめざるを得ませんでしたけれども、小学校においては学級で二人減らせるということにいけます。そうして三十五年度におきまして、明年度の百万の中学生の増加に対しても、多少一部先ばしって用意していくという段取りもいたしておるわけでありまするから、これも、この今年度の予算を御協賛願いますならば、五カ年計画に支障を生ずるようなことなしにやっていけるということを申し上げます。
 入学試験などの問題、父兄負担の問題でございますが、入学試験の問題も、世間で騒いでいるほど……。昨年三十四年度は一番その困難も軽減されてきておるわけであります。これはあまりにもいわゆる有名校に殺到する。有名校必ずしも優良校でないのでございまするから、そういう点もお考え願いまするならば、これも大した問題でないと思いますが、これらのことをこれからやはり審議会にかけてさらに検討して参りたいと考えておる次第であります。
 また、父兄の負担の問題でありまするが、これもだいぶやかましく言われます。むろん、教育の基本原則からいって、義務教育は全部国庫でやれということも、一応それはもっともでありまするけれども、しかし、わが国は国民所得に比例して世界で一番よけい高い比率をもって教育に金を出しておるということをもってどうぞ御了承願いたいのであります。
 また、給食の問題でありまするが、これは全く、私も給食を実施して、何年間かやって、相当効果をあげておると思います。この問題にいたしましても、今度は非常に悪、事情にある、従って、そこばく上げなければならないが、しかし、給食の値段が上がっても、支払い得る階層の人々に対してはこれは払ってもらうが、しかし、給食に対して支払いができないというような家庭に対しては、全部これを見ていくという建前をとっておるわけでありますから、これまたさように御了承願いたいのであります。
 婦人の問題でありますが、婦人の活動によって、婦人の向上、また、それのみならず家庭の改善、さらにまた児童の福祉を増進するということは一大飛躍ができると思います。そういうわけでありまして、明年度の予算におきましては、飛躍的な予算を得ておりまするので、十分な活動を推進することができると思います。(拍手)
   〔国務大臣渡邊良夫君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 103415254X00519600204_007

発言者: 松田竹千代

speaker_id: 10670

日付: 1960-02-04

院: 参議院

会議名: 本会議