池田勇人の発言 (本会議)

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○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。治安の確立は、あらゆる政策の前に立つものでございます。私は、内閣を組織いたしまして、この治安の確立、政治の姿を正すということに専念して参ったのでございます。しかるところ、それにもかかわらず、先般のような不祥事件が起こりましたことはまことに遺憾のきわみでございます。で、私は今後こういうことの起こらないように、ああいうことのないような社会情勢を作っていくことが私の責任であると考えておるのであります。従いましてあの不祥事件に対してどうしたらよいかという具体的の問題は、私も考えまするが、やはり国民全部、各政党が力を合わせてこれの防止に当たるよりほかにないと思います。(拍手)どうぞ栗山さんにおかれましても、今後の防止にできるだけのお知恵をかしていただきたいと考えております。なお、山崎国務大臣が辞任いたしましたのは、法律上の責任はございませんけれども、事案の重大性を深く認識しておるということを国民に表明するために辞任したのでございます。私はこれで一応の事柄は済んだ。今後治安確立に対しましてできるだけの措置をとっていとうといたしておるのでございます。
 次に、暴力に保守党が関係しておるというお話のようでございましたが、絶対に関係いたしておりません。
 なお、教育方針につきまして、どういう考えで教育方針を立てておるか。——私は、わが国民が、青少年が、わが民族を愛し、国を愛し、文化を愛して、そうして世界の人から信頼を受けるような人格の高いものを作ることが教育の根本方針でございます。荒木文相と何ら意見の相違はございません。
 次に、憲法問題についての御質問でございまするが、大阪の中之島公会堂で、私はあなたかここでお話になった通りを申し上げました。およそ憲法のような基本法におきましては、数をもって押し切るべき筋合いの問題じゃない。民主主義を言われ、議会主義、憲法を守ろうとしている社会党の方々が、もし自由民主党が三分の二以上を取ったならば是が非でも憲法を改正するんだというふうなことをおっしゃることは、ちょうど水鳥の立つ音を聞いて敵軍来たるというふうな格好でございます。民主主義を唱え、力の政治を排する以上は、私は数が足ったからこれを押し切るのだという考え方は持っておりません。しかもまた、憲法調査会は法律に基づいて今開いておるのであります。憲法調査会がどういう結論を出すかは私は知りませんが、その結論が出ましたにいたしましても、先般申し上げましたように国民の大多数が憲法を改正し、しかもこういうふうな改正をしたがよいという気持にならなければ、数だけで押すということは民主主義の根本に反するというのが私の考え方でございます。従いまして、改正するかあるいは内容をどうするかという、憲法調査会を廃止する気持はございません。それよりも、こういう重大な問題でございまするから、力の政治を排するあなた方におかれましては、快く進んで憲法調査会にお入りになるのがほんとうではございませんか。
 なお、私は申し上げまするが、アメリカの一評論家が日本に対しての批判をしたときに、私はこれに答えることは適当でないと思います。私は、マッカーサー大使に日本の政治を指導せられるというようなことは全然ございません。そういう問題をここで議論することは百害あって一利ないことを申し上げておきます。(「自衛隊の問題はどうした」と呼ぶ者あり)
 自衛隊につきまして答弁が漏れたことをおわびいたします。自衛隊、ことに陸上自衛隊におきまして一万一千五百人の欠員があることは御指摘の通りでございます。従って、徴兵制度をやったり特別の措置をしなければ欠員が埋められぬじゃないかという御質問でございまするが、徴兵制度は、憲法の改正でございますし、いたしません。また特別の恩典を与えなくても、今でも実は定員の四倍半の応募者があるのであります。従いまして、われわれが欠員を置いているのは、自衛隊員として最もりっぱな人を集めようとしておりますので、四倍半のうちから特に選んでいるのです。栗山さんのような御心配はございません。私はりっぱな自衛隊員を募集する気持でやっております。(拍手)
   〔国務大臣周東英雄君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 103615254X00419601022_007

発言者: 池田勇人

speaker_id: 8420

日付: 1960-10-22

院: 参議院

会議名: 本会議