池田勇人の発言 (本会議)

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○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。
 御質問の第一点の暴力に関すること、暴力は御意見の通り絶対に排撃いたします。しかして今回の事件の背後関係につきましては徹底的に調査を進めております。なお、多数党としての態度につきましては、私の申し上げましたごとく、寛容で忍耐強く、しかも話し合いによって政治を進めていくことに変わりございません。
 第二の外交方針、米国追随、しかも安保条約は日米関係を悪くするという説がある。——私は一部評論家のそれは説でございまして国民の大多数は日米関係がよくなったと考えておるのであります。なお安保条的の改正、変更につきましては、ただいまその考えはございません
 次に経済成長の問題でいろいろ御意見がございましたが、私は実は民主社会党の八・八%の増強の内容を見たいのでございますが、ないのでございます。私は大体われわれと同じことをお考えになっているのではないかと思いますが、お話になりますと、だいぶん違っておるようでございます。お言葉にありました鉄鋼関係、鉄鋼関係は石橋内閣のとき——その前は、やみで一トン十万円しておったのでありますが、石橋内閣の財政政策で、鉄鋼の増産をやったために、今では下がりぎみで三万七、八千円、四万円程度でございます。この事態をごらん下すったらわかると思います。なお、卸売物価はまず十年間はほとんど動いておりません。これが続いていくものだと考えております。小売物価につきましては、先ほど来申し上げておりますように季節的の問題でございまして、たとえば昨年の五月に比べて東京の物価は四、五%上がったといっておりますが、その上がったのは、また今下がりつつありますから、長い目でごらん願いたいと思います。なお、資金の問題につきましては、政府の財政資金と財政投融資の資金につきましては、いずれ御審議願うことと思うのでございまするが、お話のように、資金を大企業に出しておるとおっしゃいますが、財政投融資でどれだけ大企業にいっているか、内容をお調べ下すったらわかると思います。昔は鉄鋼、石炭、造船、電気、この四大種目に出しておりましたが、電気は御承知の通り不足でございますから出します。船舶の方は、これは出しましてもほとんど中小企業が四、五割でございます。そうして鉄鋼には財政投融資は一つも出しておりません。しいていえば、特殊鋼に二、三億か、四、五億出しておるだけで、今は鉄鋼に出しておりません。石炭は百億円前後でございます。去年は七十億くらい、今度ふやしまして百三十億くらい、全体の五、六千億からいったら……。大企業、重点産業はそういう状態でございます。内容をお調べいただきたいと思います。なお、公共投資は、すぐ大企業だというふうにお考えになりますが、公共投資というものは大企業じゃないのです。港湾、道路、鉄道その他ございまして、公共投資は大企業とは関係ないということを一つお考え願いたいと思います。
 なお、所得格差の問題、資金関係の問題でございまするが、ことに御質問の、農民が毎年九十万人と、こういうふうな計算ではない。私は昨日申しましたように、農村の今の状況を見ますると、六百万人程度のうちで約三分の一余りは専業農家、そうしてまた二百三十万の第一次兼業農家、そうしてほとんど農業以外の収入のある第二次兼業農家が百六、七十万、これが所得が三倍、四倍になったとき、一反から二反の田を作っておる人が農家ということは私はできぬように思います。私の農家の減る内容を一つ吟味してから言っていただきたいと思います。なお、離村ということは考えずに、できるだけ農村に工業を持っていって、いわゆる日曜百姓のような農村に持っていく、ある新聞に、農家が、農民が転業するということになると、農村では老人と婦女子だけというふうなことを書いておる新聞がございました。そんな農村じゃない。明るい豊かな農村を作り、そして世界の農村と匹敵し 企業として成り立つ農業をこしらえていこうとするのが念願でございます。(拍手)
   〔国務大臣小坂善太郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 103615254X00419601022_015

発言者: 池田勇人

speaker_id: 8420

日付: 1960-10-22

院: 参議院

会議名: 本会議