吉江勝保の発言 (本会議)

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○吉江勝保君 ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案外二件につきまして、内閣委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法律案は、衆議院において修正の上、当院に送付せられたものであります。まず、政府がこの法律案を提案する理由として述べるところを申し上げますと、本年八月八日、人事院は、国会及び内閣に対し、一般職国家公務員の俸給衷を全面的に改善し、初任給調整手当を新設し、期末手当を増額すべきことを勧告したので、政府はこれを慎重に検討した結果、このたび、これを実施することが妥当であるとの結論に達し、ここに関係法律について所要の改正を行なうこととした次第であるというのであります。
 次に、この法律案の内容を御説明申し上げます。
 この法律案は、人事院勧告に基づき、第一に、全俸給表の全等級を通じて人事院勧告通り、俸給月額を現行俸給月額のおおむね一〇%ないし三〇%程度引き上げた額とし、昇給期間を原則として十二カ月とすること。第二に、科学技術振興の趣旨に沿い、初任給調整手当を新設し、採用後三年以内の期間、月額二千円以内の額を一年ごとに逓減して支給すること。第三に、十二月十五日に支給する期末手当を〇・一月分増額すること。第四に、委員、顧問、参与等の非常勤職員に対する手当の最高限を四千七百円に増額すること。第五に、俸給の支給方法を改め、月一回払いを原則とすること等の改正のほか、俸給月額の改定及び昇給期間が十二カ月に統一されたこと等に伴い、暫定手当の額のうち、現行暫定手当の額を用い得なくなった部分について、現行暫定手当の額に準じて改定できることとする等の措置を講ずること、及び俸給の切りかえ方法及び切りかえに伴う措置等を規定しようとするものであります。本改正は公布の日から施行し、昭和三十五年十月一日から適用し、初任給調整手当の新設及び俸給の支給方法の改正規定は、昭和三十六年四月一日から施行することとなっております。
 なお、衆議院において、今回の給与改定による額が月額九百円に満たないものについて、これを原則的に九百円程度になるよう、若干の号俸について修正を行なっております。
 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法律案は、今回、一般職の職員の給与が改定されることになりますのに伴い、従来より一般職の職員との均衡を考慮して定められている特別職の職員についても、その俸給月額に所要の改定を行なおうとするものであります。
 最後に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法律案は、衆議院において修正の上、当院に送付せられたものであります。この法律案は、一般職の職員の給与改定の例に準じて、防衛庁職員の俸給月額の改定等を行なおうとするものでありまして、事務次官、議長及び参事官等俸給表並びに自衛官俸給表につきまして、一般職の例に準じて改定を行なうとともに、防衛大学校の学生手当の額を改め、また、事務官等に初任給調整手当を支給することができるように改めようとするものであります。なお、衆議院において、一般職の例に準ずる修正を行なっております。
 内閣委員会は、迫水国務大臣、水田大蔵大臣、西村防衛庁長官、荒木文部大臣、藤枝総理府総務長官、浅井人事院総裁その他関係政府委員の出席を求めまして以上三法律案につき審議を重ねましたが、その審議を重ねましたが、その審議において問題となったおもな点を申し上げますと、官民給与格差と今回の給与改定率との関係、並びに、その改定率が上位等級に厚く、下位等級に薄いという点、初任給の額及び初任給調整手当に関する問題、行政職、海事職、医療職の各俸給表の整備統合の問題、暫定手当並びに薪炭手当、寒冷地手当の今後の措置に関する政府並びに人事院の所見、自衛官の俸給月額の算定方針並びに自衛官と警察官等の給与体系の問題、防衛庁職員の給与体系についての再検討、内閣総理大臣等の特別職の給与改定方針、並びに、裁判官の報酬、検察官の俸給等に関する問題、地方公共団体の給与改定方針並びにその財源措置に関する問題、常勤労務者、非常勤職員に対する「給議定方針、今回の給議定に要する経費の点等でありまして特に委員会の審議の中心となった問題は、今回の給与改善が、いわゆる上厚下薄であるという点、並びに、給与改定の実施時期が人事院勧告と異なり、十月一日となっている点でありましてこれうの点につき、政府との間に熱心な質疑応答が長時間重ねられましたが、その詳細は委員会会議録に譲りたいと存じます。
 昨日の委員会において質疑を終了し、次いで討論に入りましたところ、日本社会党を代表して横川委員、民主社会党を代表して片岡委員より、それぞれ反対の討論が行なわれ、また、自由民主党を代表して村山委員、無所属クラブの辻委員より、それぞれ賛成の討論が行なわれました。
 討論を終わり、直ちに以上三法律案につき、それぞれ採決いたしましたところ、いずれも多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 次いで、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案につき、内閣委員長より、次の附帯決議案が提出されました。附帯決議案を朗読いたします。
   一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案
  内閣委員会は、次の諸点につき、今後政府が十分検討を加え適当に措置されんことを強く要望する。
 一、政府は、速かなる時期に初任給につき更に検討すべきである。
 二、昭和三十二年三月三十一日において、いわゆる高学歴是正が行なわれたが、昭和三十二年四月一日以降の新制大学卒以上の資格取得者並びに昭和十八年度以降師範学校本科及び昭和十九年度以降青年師範学校の卒業者に対しても速かに検討の上善処すべきである。
 三、(イ)行政職俸給表(一)と(二)、医療職俸給表(二)と(三)、海事職俸給表(一)と(二)のそれぞれの間には、これを区分するには種々の問題もあるので、政府は、この点につき検討せられたい。(ロ)科学技術振興の基本方針に沿い得るよう、科学技術系統の職員の給与に対し改善を行なう要ありと認められるので、政府は、この点につき速かに検討せられたい。
 四、地方公務員の給与の改定にあたっては、地方財政の実情に鑑み、その財源措置について、政府は適正な措置を講ぜられたい。
 この附帯決議案につき採決いたしましたところ、全会一致をもってこの附決議案を本委員会の附帯決議とすることに決定いたしました。
 なお、迫水国務大臣より発言を求められ、附帯決議の御趣旨については、従来の経緯もあり、また、実施上の問題も種々あるので、今後人事院等の調査研究と相待って、これらを十分検討の上善処したい旨の発言がありました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)

発言情報

speech_id: 103715254X00719601221_009

発言者: 吉江勝保

speaker_id: 20015

日付: 1960-12-21

院: 参議院

会議名: 本会議