池田勇人の発言 (本会議)
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○国務大臣(池田勇人君) 御質問の第一点の、新しいケネディ政権が中共に対していかなる政策をとるかという問題でございまするが、私はただいまいろいろの資料によって判断いたしまして、前の政府とそう変わった、急に変わった政策をとることはないだろうと今のところは見ておるのであります。しかし、人がかわってくるのでございます。また、世界の情勢も変わって参りますから、相当弾力的な政策をとると私は思っておりますが、根本的な非常な変わりはないと考えております。
また、所得倍増計画とインフレの問題でありますが、私は、過去の状態から申しましても、所得は非常にふえております。十年間に倍になりました。また、最近の四年間に四九%、すなわち五割増をいたしておりまするが、物価は安定いたしまして、インフレの徴候はございません。従いまして、私は御心配はないと思います。
なお、消費生活につきましていろいろ御意見がございまするが、私は、日本の消費生活はただいまのところ非常に合理化されつつあると思います。すなわち、日本人の貯蓄性向、貯蓄心は、外国のそれに比べまして非常に高いのでございます。大体パーセンテージで申しますと、先進国の倍近くの貯蓄性向を持っております。これが日本の経済の発展をささえておるのでございます。そうしてまた、私は、国内経済の発展ということは、一つには輸出貿易でございまするが、生産したものの大部分というものは、八割五分から九割近く国内消費に向けることは、世界の情勢でございます。従いまして、輸出を盛んにすると同時に、国民大衆がその生活を豊かにするために生産されたものを消費していくということが、経済の発展のもとでございます。一方におきまして、世界一の貯蓄率を持ち、一方におきまして、大衆がこの文明あるいは生産増強を自分らで享楽するということが、文化国家への道だと考えておるのであります。
次に、私から申し上げることは、社会保障制度の将来でございます。あるいは減税が少なかったと、いろいろ御非難も御意見もありましょうが、私としては、所得倍増のために、そうしてまた、こういうふうに経済の発展したのを、まず第一にだれに潤おすかといったら、お困りの方々に潤おすことが第一だと私は考えるのであります。しこうして、減税につきましても、高度成長によりまして毎年相当やる。どれを一番先にするかといったら、やはりお困りの方々に少しでも早くあたたかい手を伸ばすことが政治だと考えておるのでございます。将来、社会保障と減税、公共投資につきましては、十分に経済情勢を見ながら考えていきたいと思います。
また、農林関係の所得の問題は、農林大臣よりお答えすることにいたしまして、中小企業は、通産大臣がおられませんので、私からお答え申し上げまするが、中小企業の育成につきましては、多年いろいろの手をやって参りました。今回の予算におきましても、設備近代化につきましては、ほとんど前年の倍近く増額いたしております。また、団地奨励、すなわち都会の中心から郊外に移っていく中小企業に対しまして、合理化のためでございまするから、特別の補助をやることを、ことしからやっておりますし、また、商工会によりまして中小企業の指導育成をやる予算もふやしております。また、金融につきましても増額しておりますし、また、金融関係三行の貸付金利を三厘下げる。あらゆる方面からいろいろの手を尽くしておるのであります。
なお、治安問題につきましては、お話の通りでございまして、教育問題、順法精神の普及の問題等々、われわれがお互いに共同生活の秩序を守るということをやっていかなければならぬと考えておるのでございます。(拍手)
〔国務大臣小坂善太郎君登壇、拍手〕