1961-10-20
参議院
黒田久太
決算委員会決算の提出手続及び審査方針に関する小委員会
黒田久太の発言 (決算委員会決算の提出手続及び審査方針に関する小委員会)
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○衆議院専門員(黒田久太君) ただいま委員長のお話のように、衆議院におきましては新国家になりましてから第七国会におきまして、参考人七名を招きまして意見を聴取いたしました。その際どういうことが問題になったのかと申しますと、いろいろ問題がありましたが、そのうち最も心になったのは、やはり現在参議院で御研究になっておることと同じように、現在の決算の国会に対する提出の仕方は報告であって、それは各院に別々に提出されておる。そうして各院別々に議決を行なっておる。そのやり方が新憲法下のあり方として、はたして適当であるかどうか。もっと別な方法があるのではないか。つまり政府は国会に対して国会に議案として提出し、両院が先議、後議の関係に立ちまして一つの議決を行なって、決算の締めくくりをするというのが新憲法下のあり方として、新憲法の精神からみて適当ではないのか、というふうなことが中心であったと思います。
第二は、いま一つは、決算の審査の内容に関連する問題として、従来これは旧憲法下からもずっとそのとおりであったと思いますが、検査院の検査報告を中心として決算を審査するというやり方をやっておったが、それがはたして適当であるのか。もっと国会というところは大所高所に立って、いわゆる検査院の不当だとか不正だとかいう指摘事項を中心とするのではなくて、もっと予算と関連して、予算が適正に使われたかどうかというふうな問題、あるいは予算が経済効果を生んだかとか、行政効果を生んだかとかいう問題を中心として審査すべきでないかという、この二つの問題であったと思うのであります。
それで、それでは第七国会における参考人の意見を聴取した結末はどうなったかと申しますと、その結果はさらに考究解決をはかるべきであるということで、これを二十二年度の決算報告でございましたか、本会議に報告するときに委員長があわせて報告をいたしまして、さて具体的な問題については、そのまままた十年を経過いたしました。昨年昭和三十五年第三十四国会において再びこれが問題になりまして、今回はさらに十名の参考人を招きましていろいろ参考意見を聴取いたしました。そして、その結果は、やはり依然として結論が出ないと、そういう状態であります。もちろん両方の意見の所有者をお招きしたんですから、当然委員会における参考人の意見は、両方の意見が伯仲することになってくるのは、これは当然のことだと思うんですが、その参考人の意見は、両方まあ伯仲しておった。
それで、決算委員会はどういうふうに、結末といいますか、つけましたかと申しますと、やはり前と同じように、この問題についてはもう少し研究する、憲法改正に至るべきかいなかという問題も研究を要するが、現憲法のもとにおいてどういう法律を作り、どういうふうに法律を改めていったら所期のことが実現できるか、それをさらに研究したらどうだろうかというふうな機運というふうなものは、相当有力に存在しておったのでありますが、その後さらにそれが進行しておるということは言えないと思います。ただ、前第七国会におけるときと同じように、委員長は、三十二年度の決算でございましたかの報告の際に、こういう問題がある、これをどうすべきかということを、衆議院全員においても、何といいますか考慮を願いたい、というような注意を喚起する、という報告をいたしたにとどまっております。
ただし、先ほどどういうことが問題になったかという際に申し上げました、第二点の審査内容といいますか、審査方針という問題につきましては、第三十四国会でございましたか、三十五年の四月二十日に「決算審査に関する審査方針」というものをきめまして、それによって三十三年度の決算以降の審査を続けておるというのが現状でございます。
それでは決算審査に関する審査方針というものはどういうものかと申しますと、これにはこういうふうなことを書いております。「決算審査に当っては、従来の会計検査院の検査報告中心の審査方法を改め、国会が議決した予算がいかに執行されたかを中心として、決算全般について、予算と対比して審査する。」、そうしてその一が「『歳入歳出は予算の通り執行されたか』」、第二が「『予算は効率的に執行されたか」「その実績はどうか』」、これが経済的な効果があったか、行政的な効果があったかというふうな問題を審査する。そうして従来の会計検査院の指摘事項の審査につきましては、第三として「『予算は適正に執行されたか』」という問題は、まあ続けてやっていく。ただし、重点を従来のその問題から改めるという方針を決定いたしまして、先ほど申し上げましたように、昭和三十三年度の決算審査以来その形をとっておるのでございます。したがって、三十三年度の決算の議決におきましても、若干その決議の様式を従来と改めて、従来は検査院の指摘を、これは参議院と異なるのでございますが、一件々々列記しまして、それについて同感であるとか、あるいはその他の件については異存がないとかいうことが、決議の何といいますか一番主要部分をなしておったのでありますが、今回はそうでなくして、衆議院決算委員会が決算審査の結果、いろいろ気がついた政府に対する警告とか、あるいはこれはこうすべきだというふうな、つまり考え方、意思を中心に議決し、従来の一件々々あげて、それに衆議院の決算委員会の考えが同感であるかいなかということを書くことは、これを取りやめるという方向に改めていったというのが現在のなにでございます。
衆議院の決算委員会の今まで研究した問題に対する御回答は、要約以上のとおりでございます。
次に、その問題に関連しまして、どういう考えを持っておるか、という御質問がございましたが、この点につきましては、当然の結果でございますが、これは私個人の考え方以外にはあり得ないのでございます。その考え方は、私は、決算委員会のなにと前の有力者なるムードといいますか、そういうものに対して若干違った考え方を持っておるのでございますが、それに関しては相当長い時間をかけてなにしないと工合が悪いと思いまするので、ひとまず以上の経過の説明でもって終わらせていただきたいと思います。