津島壽一の発言 (オリンピック準備促進特別委員会)

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○参考人(津島壽一君) オリンピック東京大会の組織委員会の会長として、一言概略の準備の状況と、今後当委員会において特に御推進を願いたいと思った点について、まずもって私から申し上げてみたいと存じます。
 前回の会合には、所用のために私参考人として出席することができなかったのを遺憾と存じます。これから申し上げることは、前回の会合においてすでに御審議願い、質疑応答を重ねた問題もあるかと存じますが、第一回の参考人として出席しました関係上、ここに私は総括的なことを申し上げたいと思います。特にお願いの筋でございます今日の組織委員会側から提出いたしました資料につきましては、委員長の御指名によりまして、田畑事務総長から御説明申し上げ、また質疑に対してお答え等をいたすようにいたしたいと存じます。
 さて、御承知のように、組織委員会が結成され、発足しましてちょうど二年五カ月でございます。昨年はこの組織委員会、また一昨年も加えて二年間にオリンピック準備ないしは運営の本格的、基礎的な問題も処理でき、大体その見通しがついたのでございます。したがいまして、今後は、それらの基本的な本格的な要綱に基づきまして、逐次時間的の関係を考慮しつつ、あらゆる面に実施を進めたい、こういう段階でございます。来たるべき五月のモスクワのIOC総会ーー国際オリンピック総会において未決の問題を全部持ち出しまして、重要な事項についてはここで承認を受ける予定でございます。この総会において初めて全貌が確定する、こういうように相なっておる次第でございます。したがいまして、この総会に付議すべき当方よりの提案の事項については、目下着々とその準備を進めておって、この総会に持ち出す、この総会で決定したら、大体すべての方向なり具体的な問題が確定する、こういう次第でございます。
 さて、いろいろ準備をいたしまして、今日の段階において私といたしましては特に重要だと思う事柄で、当委員会においてぜひ一つ準備の促進をお願いしたいという数個の問題をここで申し上げたいと思います。これはもうすでに、前回の会合においてもそういった問題に触れておりまするけれども、重要なるものについては重複をかまわず、ここで皆さんの御清聴をお願いしたいと思います。
 その第一点は、選手村、その他の競技施設、これの完成を予定の期間に完成するように御促進願いたい。これはわれわれとしては最も大切な事柄でございまして、選手村が時期的にうまくでき上がるかどうかということ、また、競技をする各種の施設、これはきょうの資料の中に各種の施設が列記されておりますが、予定期間がみな書いてありますが、これをどうしても予定の期間に完成するよう促進願いたいと思います。特に私の非常に頭を何というか、費している問題の中の一、二を申し上げますと、まず選手村でございます。御承知のように、代々木のワシントン・ハイツを選手村として決定して、そうして現在ある建物を水耕農園に移築する、そういったようなことに相なりまして、全部その準備、予算的措置もすでについておるわけでございます。三十七年度、一部は三十六年度にそういった予算面のことは大体もうすでに政府においてもちゃんと措置ができておりまするが、この移築問題はそう簡単でないと私は思います。できることはできても、期間がおくれますし、そこの跡に水泳、柔道、バスケットボールの競技場を作り上げる。しかも、それが三十九年の八月までには完成しないとオリンピックの競技ができない。こういう重大な問題、時期的の問題でございます。政府においても、関係各省においても非常に熱心にこの問題と取っ組んでいただいておりまするが、この時期的の関係のずれがあるということであれば、私ども組織委員会としては、競技の運営、オリンピックの実行について大きな支障が起こるということが、私どもは非常に今頭の中に一ぱいでございます。この点が第一点でございます。
 それから施設の関係では、今日参考図表もここに提出いたしましたが、いろいろ競技場の関係がございまするが、駒沢の関係、都でやるものはこれはもう予定どおりいく見通しがあるようでございますが、一番問題になると思われるのは、戸田のボート・コース競技場でございます。カヌーも合わせてここでやろうと、いうことでございます。この決定が相当いろいろいきさつがありまして、今度の予算措置の中でやっと拡幅というか、幅を広げる予算が認められたのでございます。しかし、いやしくもオリンピックの競技、ボートの競技をやる上においては、どうしてもそれに即応したところの陸上の施設が要るわけでございます。ことにあの地区においてはいろいろの建物等がございまして、川というか、コースに沿ってでございますね、これをりっぱにし、りっぱという意味はぜいたくという意味じゃごいません、競技にふさわしい、そうして一種の何というのか公園式な措置を講ずることによって初めて競技場としての体形が整うわけでございまして、この分の予算措置というものが講ぜられていないので、今関係者が寄って非常に苦慮している問題でございます。これが競技場の中でのお願いの一点で、どうか単純なる拡幅によるコースの問題にとどまらず、あれが国際的のオリンピックのボート・コースとしてふさわしい程度において、もちろん節約すべきものは節約するけれども、体形を整えるということにやらなければ、これは私は非常に失望感を生むのじゃないかということでございます。選手村の問題と戸田コースの問題でございます。
 次に第二の問題でございますが、施設関係はこの程度にいたしまして、第二は、組織委員会の所要経費の調達という問題、資金問題でございます。これは今日組織委員会の事業計画並びに三十九年度競技終了までの全年度にわたる予算計画、今日まあわれわれがこれだけ要るだろうという見通しで計上した九十二億六千万円という全予算でございます。三十七年度の分は別の表にございますが、この資金の調達については、国庫、東京都からの補助金というものに四十億円をわれわれは期待しておるわけでございます。その他事業収入として当然入場券等の収入もございまするが、いずれにいたしましても、この九十二億六千万円というものはどうしても大会の運営準備のために必要な資金額でございます。しかも、今後の発展というか、推移に応じては、これにまたさらに増加をする可能性があります。減少するよりは増加をする可能性があるわけでございます。何分にも二年ばかり後の状況を見まして予算を立てるということはなかなか困難でございまして、今日の段階において考えられている予算がここに計上されて、われわれはこれによって年度別の運営をはかっていく、こういう実情でございます。しこうして、政府、都関係に二十億ずつ、全年度を通じて、五ヵ年度といっていいのですが、その補助金の要求を計上してあるわけでございまするが、今日までの段階においては三十六、七、特に三十七年度においては私どもは二億六、七千万円ぐらいの必要があるのじゃなかろうかというような、ここでは二億三千八百万円ということに結果はなっておりますが、相当大幅な予算査定を受けたのでございます。三十七年度はこれでいいとして、三十八年、九年にほとんど大部分の資金が要るということになっておるわけでございます。で、こういった点において資金問題は、これは組織委員会としては非常に重要なる問題であり、また最も困難があることを承知しておる問題でありまするが、願くば当初オリンピックを日本に、東京に招致するにあたって、準備委員等において政府が参加して、そうして計画を立てた、その計画書にも政府は二十億というようなことになっておったわけであります。それを基礎としてわれわれ予算を組んだわけでございます。まあ端的にいえば組織委員会の予算実行の上における国の補助金、東京都の補助金、これは日本政府のほうできめた場合は東京都は同額を出すという建前でずっと参りまするから、何よりも政府、国のほうの補助予算というものが大きな関係を持つわけであります。しかして全体を通じて九十億も要りますので、若干の収入はありまするが、四十億ばかりはこれはオリンピック資金財団が募金をしようという建前になっております。このオリンピック資金財団の事業に対しても昨年の特別措置法において格別の法制的の措置を講ぜられまして、事業遂行に非常な利便を与えられておりまするが、今後はさらに一段とこの事業を拡張していかなければ、なかなか四十億、五十億の金を短期間に集めるということは相当困難があると思います。資金財団の資金の調達の今日までの状況は、いずれ財団の理事長からここで御報告申し上げると思いまするから申し上げませんが、この資金面について十分御検討を願い、そしてどうかこの調達が円満にいくように当委員会において格別の御推進を願いたい、こう思う次第でございます。
 それから第三は、これはもう前回の御会合でいろいろ御議論のあった点で、もう私から申し上げるまでもないのですが、こういう競技場なり資金の調達がうまくいっても、オリンピックはこれは何というか、東京都で行なわれ、また神奈川、埼玉も含んだこの地域でありまするが、道が予定どおりの時期に完成するということでなければ、これまた非常に大きな支障が起きるということを私どもは心配しておるわけであります。道の拡幅については各方面の非常な努力によって、ある面においては予定以上に進捗し、またある部面においては二年もかかった問題がここに解決を見て、これに着手するというようなものもあるようでありまするが、どうか当委員会といたしましては、少なくともオリンピック実行に必要なる専用道路というものの完成、まあ道という言葉は狭いのですが、ほかの交通機関というかそういうものを含めてでございますが、これをひとつぜひ皆様方のお力で予定どおり実行できるように御促進を願いたいということを特に私はお願いいたします。
 第四には、受け入れ態勢の問題でございますが、ホテル、旅宿その他外国から多数の観客が来るわけでございます。選手等については選手村にみんな収容いたしますからこれは問題ありません。また新聞記者はプレス・ハウスというものを作りまして収容しますが、それ以外の一般の方々、この態勢が今日の段階においては、かりに三万といたしましても現状においては半数ぐらいの旅宿しか用意されていない。この問題は、入場券を海外に発売する問題と非常に関連があるわけです。おそらく諸外国においては、日本へ来てオリンピックを見たいという希望者をつのれば非常な数に上ると思います。しかしそこに制約のあるのは、私どもは入場券を各国に発売するにあたっては、日本内地において何らかの旅宿がなければ工合いが悪い。このひもつきにおいて発売する。これはローマのオリンピックにおいても実行した点でございます。したがいまして、旅宿がなければ切符を売らない。旅宿という意味は個人の邸宅でもよろしいのでございます。そして諸外国の人に日本のありのままの姿を十分見ていただくことが、今後の観光事業の促進に非常に効果があり、オリンピックに伴うところの一つの付帯的な大きな効果が期待できるわけでございます。この点については、ひとつ当委員会において促進方をお願いいたしたいと思う次第でございます。
 なお最後には、選手強化の問題でございます。この予算措置については、日本体育協会のほうから、そういうふうに要望した予算でございまして、オリンピック組織委員会からではございませんが、直接これは日本の選手がどうやるかということは、オリンピックの成否に関係する重大な問題でございますので、私はそういった体協という問題と組織委員会という問題をあわせてお願いするのでございます。これも先般差し上げた表にあると思いますが十六億何がしというものを五カ年計画で、今実行の途中にございます。三十七年度予算においては、政府は一億六千万円の強化のための予算の補助を計上されているわけでございます。三十七年度予算に私どもは二億数千万円ということで要望したのでございますが、これも査定を受けておのずから総額においての変更がやむを得ない事態になっております。これもあと二年余でございまして、どうしても各種目において主催国の選手が期待に沿う成績をあげるということによって、これだけ大きな金をかけ、こういった大会を催すところに、非常な価値が生まれてくるのではないかと思う。この問題もひとつ当委員会で十分御検討いただいて、専門家も呼んでいただいて、ひとつ御推進を願いたい。
 その他、細目でございますが、すでに問題になったかと思いますが、大体開会式を三十九年の十月、その日取りは、最終的にはモスコーで決定するものでございますが、まだ組織委員会自体としても、確定した決定はいたしておりませんが、開会式は交通機関その他の関係で非常に混雑するだろう。そこで曜日が日曜日の場合は、警視庁も交通規制というものは非常にやさしいが、日曜日以外の日にやった場合には、これはある区域において特別の休暇というか、休んでいただくことに、これもひとつ当委員会で御審議願いたいと思うのです。これは具体的の日がきまってからの問題ですけれども、あらかじめお含み願って、今日の交通事情では、普通の週日に開会式をやるということについては相当困難があります。こういった種類のことはまだたくさんございまするが、要するに私が今頭の中でいろいろと問題点と考えている点を一応申し上げました。あとからいろいろな予算計数、事業の概要等は田畑事務総長や靱君からひとつ陳述を願います。どうぞひとつよろしくお願いいたします。

発言情報

speech_id: 104013811X00319620228_002

発言者: 津島壽一

speaker_id: 723

日付: 1962-02-28

院: 参議院

会議名: オリンピック準備促進特別委員会