坂田英一の発言 (災害対策特別委員会)
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○坂田(英)委員 今回の豪雪に対処して、政府におかれてはいち早く豪雪非常災害対策本部を設けられ、河野本部長がさっそく北陸三県を視察督励され、続いて関係各官庁のほうからも調査に出られ、さらに自衛隊のほうからもうんと出て活動してもらうというわけであり、しかも本委員会におかれましては、十数回にわたって詳細に質疑応答を重ねられ、この間において官庁の諸君の非常な努力と、また熱心な質疑に対する応答に対して、今度のこの豪雪災害に対しての対策ということについては、実は私は非常に感謝しておる一人であります。しかしながら、何も完全にすべてがいっておるというわけではないし、まだ決定していない面もあるし、はっきりしない面もあります。これらについて一つ一つ御質問を申し上げてまいりたいのでありますが、時間の都合もありますから、本日は林野関係にしぼって若干の御質問をいたしたいと存じます。
林野庁長官もおられるわけでありますが、実際は農林大臣がおられたならばもっと根本的なことからお尋ねいたしたいと存じておったのでありますが、これらについてはまた後ほどお伺いしたいと存じます。つまり、根本的なことと申しますと、現在の経済繁栄の時代におきまして、いわゆる所得倍増計画をされておる際において、政治的に最も大切な事柄の一つは格差の是正であります。すなわち、農林漁業と他の産業における所得格差の是正、あるいはまた、最も大切なる地域格差の是正、すなわち、大都市を中心とする地帯と低開発地帯、これらの地帯というものにおける格差の是正は、経済的にはできないので、したがって政治、行政の上においてやる、これは最も大切な事柄の一つである、こういう根本から御質疑を申し上げていかないと、ほんとうにこれは解決できない面が多かろうと思うのでありますが、きょうは残念ながら国務大臣が一人も見えておりませんので、次の機会にこれは根本問題としてお尋ねを申し上げたいと思うのであります。
それにいたしましても、狭く林野関係にしぼったわけではありますが、いま林野庁長官がおられるから、林政だけの面において、いろいろの地域格差という問題をどの程度に考慮されておるかという点が一点、すなわち、この豪雪地帯において造林をやるにいたしましても、非常に手がかかる、また太りも非常に悪い。比較をいたしますと、太りも非常に悪いし、また段々階工事をやって植えなければならぬということもあるし、植えた後においては、本年は特別でありますけれども、普通の年におきましても、十歳未満の樹齢は毎年雪起こしの手入れをしなければならぬ。また炭焼きがまにしましても、雪の降るところは、なだれが起こったり、あるいは雪がすべったりして非常に炭がまがこわれやすい。その被害の度が非常に大きい。元来、雪害ということについては、根本的に、今までわれわれ国民全体と申しますか、私ら自身が、雪の国に生まれながら、雪はこういうものだ、これだけみじめなものだ、冬はあきらめてかからなければならぬ、半カ年はあきらめていかなければならぬ、そういうような関係からあきらめておって、雪害というものはあまり考えなかった。また、雪に経験のない方面からいえば、これはもう問題にならない。吉田松陰が北陸と東海道を歩いた詩をつくっておるが、北陸は三月中は雪が一ぱいで、道がどこにあるかわからぬのに、去年の同じ三月、東海道は楊柳堤を掩い花歩に開く、こういう詩をつくっておる。昔からのことであります。こういうことを比較検討してまいりますと、いろいろ農業と他産業との格差あるいは地域的な大きな格差というものがあって、その根本的ないろいろの施策、いわゆるこれらの是正をはかるということが必要であるということは言うまでもないのでありますが、ここに小さくしぼって林政の面においても、やはり雪が降ってこれだけ手がかかり、これだけ造林に多くの経費と人手を要する、こういう関係においては、大切な造林というものがうまく進行するものではない。もし進行するとすれば、それは小さな林業経営者は農業も営んでおる。その農業、これもまた格差のために非常に不利益な地位に立っておる。その農業の収益をさいて林業の方に注ぐということにならざるを得ぬのであります。そういう点からいたしまして、まず最初に、これらの地域差について、特に豪雪地とその被害のない地帯とを比較いたした場合に、同じようなことでいいのか、これに対して何らかの考慮を施されておるものか、施されておるとすればどういう点か、そういう点について、ごく概略でもいいから、まずそれをお尋ねする次第であります。