池田勇人の発言 (本会議)

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○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。
 国会は審議の場でございます。ただいませっかく熱心に審議が行なわれております。しこうして、御質問の解散の件につきましては、常に言っておりますように、憲法の規定に従いまして、内閣の助言と承認によって行なうことで、これはいつでも内閣の責任でやり得るのでございます。これは、過去の歴史を見ておわかりになると思います。ただいまはせっかく熱心に審議が行なわれておるということを申し上げます。
 次に、所得倍増と低賃金者への影響、私は、所得倍増ということは、低所得者のために、これを急速にその所得の増加を来たそうというのが目的でございます。したがいまして、あなたの数字はどうかと思いますが、きのうの木村君の質問に対しまして企画庁長官が答えておりますあれをごらん下さったらわかると思いますが、重ねて申し上げましょう。とにかく国民の実質所得は、物価が上がったのを差し引いても、三十四年以後三カ年間に三四%上がっております。私はこの事実が証明すると思います。そうして食費は、何とか言っておられますが、エンゲル係数は三十四年は四〇以上だったのでありますが、いま四〇以下になっておるという、この事実がはっきり証明しております。また、こまかに申し上げますればいろいろありますが、これは他の機会に速記録をごらん下さればわかると思います。また、所得倍増の結果から申しまして、いわゆる生活保護基準も、三十四年には東京都で基準の四人家族で八千六百円だったのであります。三年後の今日、一万四千二百円、とにかく物価は二割ぐらいしか上がっておりませんが、生活保護基準は六割以上上がっておるのであります。所得倍増のおかげでございます。なお、この生活保護基準ばかりでなしに国民健康保険におきましても、低所得者の保険料を軽減しておりますし、また、福祉年金の引き上げとか、失業対策の拡充とか、あらゆるボーダーラインに対しまするあたたかい手を伸ばし、また、育英資金におきましても非常な拡大をしておることは、予算書をごらん下さればよくおわかりと思います。
 なお、農業に対してのお考え農業では生活ができぬ、よくおわかりいただいたと思います。三年前に私はそう言ったのであります。それで、農業基本法を制定して、今までやって参りましたが、今度からは画期的に、農業のいわゆる近代化を、革新的な近代化をやろうというのでございます。したがいまして、今までにおきましても農業所得はかなり上がっております。都市勤労世帯に対しまして今まで低かったのがだんだん近寄りつつあります。ことに、いま日雇い労務者のことが出ておりましたが、非農業に対しての日雇い労務者は、三年間で三割近くしか上がっておりませんが、農業に従事しております臨時日雇いの人は、三十四年に比べて六割以上上がっているじゃございませんか。いかに農業がよくなったかということがおわかりいただけましょう。私は今後ますますこれをよくしていくつもりでございます。
 なお、国有林の開放に対しましては、その土地の事情によりまして積極的に国有林を開放していくということは、池田内閣の基本方針でございます。
 またILO条約の批准につきましても、国内法の整備とともに、できるだけ早くこれを批准したいと考えておるのであります。
 なお、公明選挙につきまして、政治資金等いろいろの御質問がございましたが、私は先般来国民協会を設けまして政治資金の公明化をはかり、これに努力いたしております。そうして選挙はできるだけ公正に、明るい選挙をいたしたいと、努力を続けておるのであります。
 なお、減税につきまして、企業減税とか所得税とか言っておられますが、これは大蔵大臣がお答えすると思いますが、臨時租税措置法なんかで産業発達のために租税をある程度軽減することは、租税の原則でございます。そうして大企業も、中小企業も、あるいは農業も、国全体として有機的関係があるのであります。大企業が伸びて国力がだんだん進んでいけば、大企業の従業者のみならず、農民、中小企業もともどもに発展していくのが、国の経済の有機的運営であることをお考えになれば、おわかりになると思います。(拍手)
  〔国務大臣田中角榮君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 104415254X00619631023_007

発言者: 池田勇人

speaker_id: 8420

日付: 1963-10-23

院: 参議院

会議名: 本会議