池田勇人の発言 (本会議)
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○国務大臣(池田勇人君) 御質問の相当の部分は、さきの所信表明で申し上げたところでおわかりいただく点も多々あると思いますが、ここにふえんしながらお答え申し上げたいと思います。
御質問の第一点は、原子力潜水艦入港の問題でございます。たびたびお答えしておりまするがごとく、安保条約の地位協定第五条によりまして、日本防衛のためにアメリカの海軍の一部隊が港に出入することは、安保条約上当然のことであるのであります。ただ問題は、原子力を推進力とする潜水艦が核弾頭を備えておるときには、これは日米間の話し合いによって入港を拒否できるのであります。われわれは、それを拒否することをたびたび申し上げておるのであります。いまあらためてサブロックの問題が出てまいりましたが、これはまだ実用段階には至っておりません。また、実用するようになって、そうしていまの原子力潜水艦にそれを備えつけたならば、私はそれの入港を断わることはたびたび申し上げておるごとく、当然のことでございます。(拍手)
また、池田精神とかいうお話でございますが、私はたびたび申し上げておりますごとく、日本の外交は自由陣営とますます密接の関係になり、自由陣営の信頼を深めると同時に、共産圏の国々からは畏敬せられる外交をやり、もって世界の平和と繁栄に貢献しようというのが私の精神であるのであります。(拍手)たびたび申し上げておるとおりでございます。その考え方は、ケネディ元大統領の考え方と完全に一致することを申し上げたのであります。(拍手)
次に、日韓問題につきましては、一昨年来いろいろ軍事政権とやるのはどうだとかいうお話がございました。幸いに二年七カ月ぶりに民政移管が行なわれまして、しかも世論が定まり、りっぱな政府ができまして、ただいま交渉を続けておるのでございます。したがいまして、われわれはこれまたたびたび申し上げておるがごとく、いわゆる一般請求権の問題等々、漁業権あるいは竹島その他法的地位の問題等、一括して妥結する方針でいっておるのであります。その点どうぞ御安心願いたいと思います。(拍手)
次に、中共の問題でございますが、これまたさきの演説で申し上げましたごとく、アジアの平和、世界の平和のために、われわれは世界世論の動向によって慎重に対処しなければなりません。すでに御承知のごとく目撃条約がございます。われわれが中準民国を正式の政府として認めておるこの事実を忘れてはならないのであります。しこうして、また、施政演説で申し上げましたごとく、中共の政権が存在する事実も認めております。したがいまして、第十六回国連総会後、たびたび日本の立場を国連においてはっきり表明しておるのであります。アジアの繁栄と平和のために、世界の世論の動向を見ながら慎重に対処するという考え方は、従来の私の方針でございまして、わが党におきまして、この問題について議論が分かれたり何かすることはございません。一体で進んでおることをはっきり申し上げます。(拍手)
なお、北鮮問題につきましても同様でございまして、北鮮は国連加盟を拒否しております。私はそういう事態を考えまして、われわれと同じ考えであり、歴史的、地理的、経済的に非常に関係のある韓国とまずやろうというのが、年来のわれわれの主張であるのであります。
なお、フランスの中共との関係につきまして、いま政府が中共へ特使を送るという考えはございません。お答え申し上げておきます。(拍手)
次に、また、日米経済合同委員会につきまして、わが国が韓国問題あるいは中共貿易について、米国より圧力を受けるとお考えになることは、占領下の日本がまだ頭にこびりついておることではございますまいか。(拍手)私は、日本国家の利益のために、独自の考えで進んでおることをはっきり申し上げて、お答えといたします。(拍手)
なお、沖縄問題につきましては、常に日本国返還への要求を続けております。しこうして、また、アメリカにおきましても潜在主権を認め、いつかは日本に返ることを前提としまして、そして、その返るときに、それがスムーズにいくようにやっていこうということで、いわゆる沖縄島民の福祉の増進のために、日米琉三位一体となって交渉を続けておるのでございます。
なお、その他の問題につきましては外務大臣よりお答えさせます。
予算の問題につきまして、その規模あるいは租税負担、地方税の関係等を御質問になりましたが、私は、いまあなたがここで数字をお話しになったごとく、その数字が示すごとく、三十九年度の予算は適正であり、そうして健全であり、日本の今後の経済の発展が約束され、国民の生活水準が上昇し、そうして世界における日本の役割りがますます上昇していくことを結論で申し上げておきます。その内容につきましては、大蔵大臣よりるる説明することと思います。
なお、憲法問題につきましては、たびたび申し上げておりますがごとく、私は国民の理解を深め、国民の世論に従ってこの問題を解決しようとしておるのであります。こういう大きい問題は、いたずらに終止符を打つべきとかいうふうな問題ではございません。国民に十分考えてもらって、国民がその結論をお出しになることを私は期待いたしておるのであります。(拍手)
なお、選挙の公明につきましては、私もあなた以上にそれを望むものでございます。私は施政方針演説にも申しましたごとく、いわゆる議会主義、憲法主義の根本は、公明な選挙にあることはもちろんでございます。選挙の公明のために、今後とも制度の改善等努力を続けていくことをここにお答え申し上げまして、私の答弁を終わりたいと思います。(拍手)
〔国務大臣大平正芳君登壇〕