池田勇人の発言 (本会議)
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○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。
御質問の第一点の国会正常化、まことに同感でございまして、私は論議を十分尽くし、そうして多数決の原則によることは年来の主張でございます。
なお、世界の社会主義国家におきまする経済政策についての御批判は、全く同感でございます。(拍手)
次に、中立主義についてのお考えも、私の申し上げております、中立主義は非現実的な幻想であるということは組閣以来たびたび言っておることでございまして、小坂君とは全くこれまた同感でございます。(拍手)
また、中共問題に対しましてのお考え方、特に最近のフランス政府のとらんとする措置に対するあなたの考え方は私も了解できる。私もそう考えております。特に中華民国に対しまするわれわれの考え方、すなわち終戦直後から今日までの中華民国のわれわれに対しまして示された好意に対して、われわれ国民全部、忘れてはおりません。私は、その意味におきまして、あらゆる誤解はこれを解消さして、今後とも両国の、中華民国とわが国との関係の増進にこん身の努力を傾けたいと考えておるのであります。(拍手)
次に、アジア外交、東南アジア外交につきましてのお考えでございまするが、今回のOECDへの加入、あるいは最近開かるべき世界貿易開発会議への日本の参加は、私は、日本の世界に置かれたわれわれの使命を果たす最もいい機会であると思うのであります。われわれは軍備を持ちません。経済的には相当伸びております。この日本人の力を、いわゆる南北問題の解決に注ぐということが、日本民族の使命であると考えます。こういう考え方から、私は、アジア近隣外交あるいは東南アジア外交、AA諸国との外交を打ち立てていきたいと考えておるのであります。私が、日韓問題につきましての熱賛を示し、また、最近のマレーシア問題につきましてある程度の関与をいたそうとしておるのも、このいわゆる南北問題で日本の経済力が少しでも役に立ち、世界の平和と繁栄に貢献する私の信念からきておるのでございまして、小坂君の外交理念と全く同一であるのであります。(拍手)
また、国際収支の改善は、施政演説で述べたとおりでございます。
物価と賃、金との問題につきましても、これはやはり労使が話し合いによってやることは当然でございますが、その問にやはり科学的の資料が必要であることも、同様でございます。私は、単に労働者のみでなく、日本の経済の成長とまた国民各層の所得の上昇を見合いながら、確固たる科学的基準のもとに、労使が話し合いで進めることを期待するものでございます。
なお、中高年齢層の活用は同感でございます。
減税につきまして、一定計画をとり、体系的にやれというお話でございますが、大体その方向で税制調査会に諮問をいたしておるのであります。ただ、日本のように非常な高度成長をいたします場合におきましては、収入その他も成長の率によってよほど違いますから、やはりその場その場で適正な措置をとることが、一番国民に合った政治と私は考えておるのであります。だからといって、計画を全然持たないというわけのものではございません。
なお、臨時行政制度調査会の答申でございますが、私はおそくとも六、七月、八月ごろまでには出てくると思います。その答申を見まして、いわゆる経済の上昇、国運の伸展に伴いまして、その制度と運営が合理的に行なわれるよう期待してやまないのであります。私は、この臨時行政調査会の方々が実際の問題をよく頭に入れられ、今後いかに解決したら有機的な行政組織ができるかをお考え願いたいと念願しておるのであります。
なお、公債発行につきましていろいろ議論がございますが、私は、先ほど申し上げましたごとく、三十九年度で公債を発行することは差し控えまして、しかし、公債発行につきまして小坂さんがお考えになるほど、そうかたく考えるほどのこともないんじゃないか。だといって、公債発行論にくみするわけじゃございません。やはり財政経済の事情、世界の情勢を考えながら、健全財政を基本としながらやっていくことがいい。しかし、健全財政と申しましても、いま特別の公団等には公債を、政府保証債を発行しておるのであります。また、世界各国の状況を見ましても、相当一流国では公債を一般会計で発行しているのが例でございます。私は、あなたのようにかたく考えなくてもいいと思いますが、できるだけ健全な方向ではいきたいと思っております。
なお、農地報償の問題でございますが、本年三月までに調査を完了いたしまして、その結果によって、できるだけ早く措置を講ずる考えでございます。
なお、国の国策のあり方、いわゆる福祉国家、私のいう高度福祉国家の建設は、お話しのように、物質面だけの問題ではございません。私は物質、経済力を伴った上に、ほんとうに豊かな情操、高い知性、たゆみなきたくましい意思を持ったりっぱな国民をつくることが最後の目的であると思うのであります。私が所得倍増を唱えたのは、その最後のりっぱな国づくり、人つくりへの手段でございまして、私は目的はりっぱな人をつくる、高度福祉国家、これが理想であると考え、全く意見を同じくするものでございます。(拍手)
〔国務大臣田中角榮君登壇〕