栗山礼行の発言 (本会議)

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○栗山礼行君 私は、民主社会党を代表いたしまして、ただいま御説明のありました地方税法等の一部の改正法案につきまして、質問をいたさんとするものでございます。
 まず、地方財政の根本的なあり方につきまして、総理大臣の御所見を的確にお伺いをいたしたいのであります。
 地方財政の近況を検討いたしますると、三十七年度決算で全歳入中に占める地方税の割合は三五・四%、三十六年度について見ましても三六・一%であります。このほかに地方譲与税、雑収入等を加えましても、いわゆる地方の自主財源といわれておりまするものはほぼ四〇%程度であります。地方の財政は、これらの自主財源を中心にいたしまして、国より交付されます地方交付税、補助金等の依存財源とから成り立っているのでありますが、その財源構成は国への依存度がきわめて大なのであります。このような国、地方にわたりまする財政制度は、一面地方の行政を全国的に一定の最低水準に確保するという、近代国家として必要な行政役割りを果たしているのでありますが、その反面、国への財源依存がきわめて大きいため、地方行政の自主性を失わしめ、年々中央集権化の方向が強化されているという弊害が顕著になってまいっておるのであります。なかんずく、補助金、負担金等の国庫支出制度は、中央各省の出先機関が年々強化され、補助金等の種類がふえ、その使途について行政の末端に至るまできびしいワクをはめるなど、地方行財政の弾力的運用を著しく阻害しているのであります。政府におきましてもこのことはとくに御承知のはずでございまして、昨年十二月には補助金等合理化審議会より補助金等の整理統廃合を含みまする改正答申を受けておるのでありますが、しかるに、本年度の予算編成を見ましても、一つだにそれが生かされておらないのみならず、三十八年度予算に比べまして、予算の目で見て、補助金等の種類がふえ、かつ十万円未満の零細な予算計上が多く見受けられるのであります。
 地方自治が民主主義の基盤であることは、いまさら申し上げるまでもございません。この観点に立つとき、国と地方が相まって地方自治を強化し、わが国民主政治を発展させるということは、国家の使命といわざるを得ないのであります。しかるに、現下の補助金が果たす役割りは、行政的にも財政的にも地方を締めつけ、橋一本かけるにも、学校を増設いたしますにも、中央より補助金をもらわなければ何一つ解決し得ないという陳情政治を招いているのであります。この陳情政治こそ、今日のわが国政治のゆがみを最も端的にあらわしているものでありまして、このために費やす時間や労力、金銭上の損失ははかり知れないものがあるのであります。総理は、このような財政運用が、今日の地方自治を全く名前だけのものとし、国の中央集権化がますます強化されていることを、民主政治確立の観点からどう考えていらっしゃるか、また、具体的には補助金等行政が及ぼす弊害をどう排除されるのか、この点についての国、地方にわたります財政制度の改革について、その根本的な対策をお伺いいたしたいのであります。(拍手)
 質問の第二は、住民税についてであります。
 今回の減税案を拝見いたしますと、その実施内容においてきわめて合理性が欠けております。住民税につきましては、その納税負担が地域によってはなはだしくアンバランスを来たしていたことは、これまでの政府みずからの政治貧困と、行政指導の不適正からであります。政府は、その税負担の不公平を今回の改善措置で認めたと承知をいたしますが、この実施を行なうにあたっては、地方の税収減を来たさない措置をとることは当然のことであります。そのことは、住民税のただし書き方式課税も国、地方にわたる財政制度の一環として、これまで国が地方に対し指導してきたことにほかならず、また、これらの貧困市町村においては、わが国経済の成長とは無関係に、地方税の自然増は今後ともほとんど望めないというのが、ただし書き市町村の姿なのであります。しかるに、政府が今回とりました減収補てん方式は、臨時に補てん債を発行し、その返済の三分の一相当額は地方負担とするが、その分だけ地方交付税を補てんに交付するということになっているのであります。加えて、その補てんも五年間でなしくずしに打ち切ることになっているのであります。このような特異な予算編成を行なった事情につきましては、今回の住民税減税をめぐる閣僚交渉におきまして、大蔵大臣が、住民税の軽減は地方公共団体の責任で実施すべきであり、国庫補助を前提とすることは身がって過ぎると発言したやに承知いたしておるのでありますが、もししかりといたしますならば、この発言は地方財政の今日置かれている実態を全く否定した論断でありまして、地方財政の認識不足もはなはだしいと申さざるを得ないのであります。(拍手)
 従来、国は地方行財政の細部にまで指示、監督権を行使しながら、地方税の減収を来たす法改正にあたっては、地方の自主的な善後措置を求めるなど、全く筋の通らないやり方と申さざるを得ません。わが党は、かかる観点から、今回の住民税減税の補てん方式は事実上の赤字公債の発行であり、今後の財政運営に悪例を残すものであるとともに、補てん額が年々減少され、五年後には全く補てんの保証がなされてないという点で、強く政府の反省を促すものであります。(拍手)政府は、この際、ただし書き方式課税を採用していた市町村の実情にかんがみ、ただし書き廃止に伴う地方の税収減を長期的に完全補てんするため、補てん債の発行を取りやめ、減収に見合うだけの地方交付税の交付税率を引き上げるべきだと考えるのでございますが、大蔵大臣の的確なる御所見をお伺いいたしたいのであります。(拍手)
 なお、今回の住民税減税に関しまして、あわせて自治大臣にお尋ねをいたしたいのでありますが、住民税の中には都道府県民税も含まっているのでありまして、これら都道府県民税は、三十七年度改正でもって、百五十万円を境といたしまする上下二%、四%の比例税率に改められました結果、年収五十万円以下の所得割り納税義務を持つ低所得階層にとっては、御承知のとおり、著しく増税となったのであります。これの軽減措置を本年度地方税改正案に当然加えられるべきであったと思うのでありますが、何らなされていないのであります。いかなる理由で都道府県民税の軽減を行なわなかったのか、この際、自治大臣の御所見をお伺いいたしたいのであります。(拍手)
 質問の第三は、固定資産税についてであります。
 明年度は評価がえ実施の年でありまして、一昨年来、自治省が指示する固定資産評価基準に従い、市町村におけるその作業は、今日、ほぼ完了しているのでありますが、今回の評価改定の特徴は、土地の大幅な評価引き上げでありまして、農地一・四倍、宅地六倍から八倍、山林三倍から五倍と、きわめて驚くべきものとなっているのであります。このような大幅な評価増を課税の基礎とすることは、国民がその税負担にたえられないことは明白でありまして、わが党が従来まで事あるごとにこれを警告いたしてまいったところでございます。この点に関しまして、政府は、固定資産の評価改定は絶対増税を目的とするものではございませんとたびたび言明しながら、今回の改正案に見ますると、その調整措置は何らなく、逆に課税限度額を三十八年度の一・二倍に抑えるということで増税となっているのであります。これは明らかに税の二割増徴であります。さらには、固定資産の中には働く国民大衆の零細な土地、家屋が大半を占め、それは単に日常生活の起居を行なうためのものでありまして、商業資産のように利潤を生むものではないということに注目しなければなりません。すなわち、商業価格が上がったとて、そこに住む限り、何十年たちましても資産それ自体が所得に及ぼす影響はないのであります。また、固定資産の評価改定は、単に固定資産税にとどまらず、相続税、贈与税、登録税、不動産取得税、都市計画税と、固定資産の評価を課税の基礎とする数多くのものがあるのでありまして、実質的にはさらに険しい増税につながっていると申さざるを得ないのであります。
 かかる諸点について、政府の政治的配慮が全くなされていないということは、われわれ国民の了解に苦しむところでありまして、戦後の評価改定を見ましても、三十年の大幅な評価増に際しましては、税率の〇・一%引き下げをはじめ、関連税目に至るまで必要な調整措置をとるなど、およそ妥当な政治的配慮が行なわれたのでありますが、今回の評価改定は三十年に匹敵する大幅な評価増であることを考えると寺、政府は当然に、税率の引き下げ、再評価資産の圧縮評価、課税権限の市町村長委嘱、関連税目に対しまする調整措置等、適切な対策が行なわれるのが当然であると思うのであります。わが党は、かかる観点から、大蔵大臣並びに自治大臣の反省を促しますとともに、これら一連の増税とならない対策を明らかにすべきと考えるのでありますが、その用意があるかどうか、具体的に答弁をお願い申し上げたいのであります。(拍手)
 質問の第四は、電気ガス税についてであります。
 電気ガス税が日常の生活必需品に課税をする悪税であるということについては、今日の常識であります。総理みずからたびたびと言明された点でありましょう。かかる観点から、明年度地方税改正案につきましても、電気ガス税の税率が一%軽減されたのでありますが、完全撤廃という当初の目標からはほど遠いのであります。わが党は、あくまで電気ガス税の完全即時撤廃を強く主張いたしておるのでありますが、この実現に移るまでの過渡的措置といたしまして、現在の免税点三百円方式を、一般家庭の一戸当たり全国平均の電力消費量八十キロワットアワーに見合う料金一千円を基礎控除とすることにこり際限定すべきだと思うのであります。このことは、今日いかなる低所得者層といえども電気あるいはガスを使用しない家庭はなく、現在の三百円免税点方式では、その免税対象となる家庭はきわめて少ないのであります。税率の一律引き下げよりも、低所得階層を中心とする一般庶民のための減税、一千円までの基礎控除を即時実施するのが電気ガス税の減税の適切なる措置と思うのでありますが、大蔵大臣並びに自治大臣のこれに対しまする御所見並びに今後の対策をお伺いいたしたいのであります。(拍手)
 申すまでもなく、地方税法の方向づけは、地方自治体の住民福祉との関連において重要な柱であります。いわんや、福祉国家の建設的な条件と確信をいたすのでありますが、以上四点にわたりまして、わが党の主張を明らかにし、政府の見解をただしますとともに、担当大臣の英知と勇断のある答弁を求めまして、私の質問を終わることにいたします。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人君登壇〕

発言情報

speech_id: 104605254X01119640227_016

発言者: 栗山礼行

speaker_id: 20573

日付: 1964-02-27

院: 衆議院

会議名: 本会議